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2024年10月の読書メーターまとめ

Kerberos
読んだ本
3
読んだページ
858ページ
感想・レビュー
3
ナイス
23ナイス

2024年10月に読んだ本
3

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Kerberos
翻訳家の奈倉有里と小説家の逢坂冬馬が語り合い、文学に生きる二人の世界観がクロスオーバーする。文学を成立させているのは言葉だが、言葉を操る主体はさまざまだ。権力、民衆、学者、メディア…。さらに方言、俗語、若者言葉など。姉は文学をこれらの「雑多なものの総称」と定義する。なるほど文学が癒しにも凶器にもなる所以である。「独裁者に対する異論を許さない体制ができあがるまでの過程」で「ファシズムに迎合する市民層が確実に存在する」という逢坂の指摘は今の日本の状況を見事に言い当てている。文学が果たすべき役割の重みを知る。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
3

Kerberos
知り合いに「田中清玄の身の回りの世話をしたことがある」という人がいて読んでみた。政官財界を裏で動かすフィクサーであったが、晩年は表舞台にもしばしば顔を出したようだ。1974年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者のハイエクとも親交があり、受賞式にも招待された。面白いのはパーティ会場の席が当時ソ連政府から西側に追放されていたソルジェニツィン(文学賞を受賞した1970年の授賞式には欠席)の隣だったというエピソードだ。転向した日本の元共産主義者と『収容所群島』を出版して祖国を追われた大作家は何を語り合ったのか?
Kerberos
中学校時代の音楽教師にシベリア帰りがいたことを思い出した。当時ビートルズは世界的な人気の絶頂期にあった。その教師がビートルズをどう受け止めていたかはともかく、その教え子たちは世界中の同世代人と同様、ビートルズにしびれた世代だ。旧ソ連圏ではビートルズの受容に関して西側とは位相のずれはあったにしても、その影響力が絶大であったことは本書からも十分に読み取れる。著者も家族も友人も、いわば市井の人々とはいささか趣を異にする暮らしぶりが描かれ、興味をそそられるが、タイトルの「イルクーツクで暮らす」には違和感を覚えた。
が「ナイス!」と言っています。
Kerberos
翻訳家の奈倉有里と小説家の逢坂冬馬が語り合い、文学に生きる二人の世界観がクロスオーバーする。文学を成立させているのは言葉だが、言葉を操る主体はさまざまだ。権力、民衆、学者、メディア…。さらに方言、俗語、若者言葉など。姉は文学をこれらの「雑多なものの総称」と定義する。なるほど文学が癒しにも凶器にもなる所以である。「独裁者に対する異論を許さない体制ができあがるまでの過程」で「ファシズムに迎合する市民層が確実に存在する」という逢坂の指摘は今の日本の状況を見事に言い当てている。文学が果たすべき役割の重みを知る。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/07/31(1213日経過)
記録初日
2021/08/13(1200日経過)
読んだ本
67冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
20449ページ(1日平均17ページ)
感想・レビュー
67件(投稿率100.0%)
本棚
6棚
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