犬を拾ってきたことをきっかけに卯之吉はお犬掛同心を名乗り、積極的に活動し始めます。一方、大阪からの盗人の捜索と将軍のお犬様の捜索が奉行所の大きな仕事として降りかかります。いつものように都合よく収まるのですが、犬の小房丸の活躍が事件を解決に導く様子が面白いです。

老中・本多出雲守VS若年寄・酒井信濃守の水面下での争いがまだまだ継続中です。今回は、酒井信濃守の懐刀で北町奉行となった上郷備前守が本多出雲守につながる南町奉行所の失墜をたくらみ、同心村田銕三郎を陥れようと画策しますが、思いがけない出来事により方向転換が起こります。ストーリーもいいのですが、さりげなく当時の政治体制・経済情勢などの知識が織り交ぜられており、こちらも面白く感じています。

表題作はグリオールが若い頃へのタイムリープ。「スカル」は現代に舞台を移し、人間として復活したかもしれないグリオール。

犬を拾ってきたことをきっかけに卯之吉はお犬掛同心を名乗り、積極的に活動し始めます。一方、大阪からの盗人の捜索と将軍のお犬様の捜索が奉行所の大きな仕事として降りかかります。いつものように都合よく収まるのですが、犬の小房丸の活躍が事件を解決に導く様子が面白いです。

はるか昔に竜のグリオールの殺害を企てた魔術師がその使命を果たせず、グリオールは生き延びた。グリオールは周辺の者たちに精神的な影響を及ぼしているらしい。そんな世界観の連作短編集です。 人々はグリオールの影響を意識していて、宗教的な概念を感じるのですが、作者の覚え書きでは現実世界に多くの影響を受けているようです。 表題作の最後にある引用文の意味がよくわかりませんでした。『テオシンテ市の長老たちをひっかけようというアイデア』？

死体が２つに行方不明が1人。どうやら発端は大阪にありそう、ということで卯之吉は大阪まで（宴会をしに）出発です。興味本位で科学捜査を行います。

何がきっかけでこの作品を知ったのか忘れてしまいましたが、購入してよかったと思います。主人公の女性、涼子の過去が現在に与えている影響が明らかになっていくにつれ、一人でがんばる姿にイラつくような納得するような複雑な気持ちです。

卯之吉が帳簿を一目見てその内容の危うさを見抜いています。性格が問題なだけで優秀な人なのですね。ストーリーはこれまで以上にひねりが効いていると思います。

実力派揃いの作家たちを集めたアンソロジーということでどれも面白いと思います。 「方舟」を読み始めたとき、「エマージェンシー・スキン」につながるのか？などと思ってしま いました。

砂糖は貴重品とは聞いていましたが防腐の役割りで重要とは知りませんでした。 卯之吉が自ら動く、貴重な巻ではないでしょうか。