関白秀次の事件に絡まなければ、彼が囚われることはなかったかもしれない。石川一口の語りは史実とされた太閤秀吉に関わる逸話も丁寧に取り込んでいた。歌舞伎絵で目にするデフォルメされたいで立ちは、釜茹での刑の場面も含め、もっと地味だったように思えてきた。☆☆
実在の人物が出ているせいかフィクション=絵空事の痛快さはかき消され、起伏のない日常的な出来事の描写にリアルな渋みが出てくる。事件としては殺害された藩士が描いていた判じ絵の謎解きで蔦屋が協力する程度で、トリックもスリルも感じることはなかった。
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実在の人物が出ているせいかフィクション=絵空事の痛快さはかき消され、起伏のない日常的な出来事の描写にリアルな渋みが出てくる。事件としては殺害された藩士が描いていた判じ絵の謎解きで蔦屋が協力する程度で、トリックもスリルも感じることはなかった。