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2024年5月の読書メーターまとめ

よしくん
読んだ本
7
読んだページ
2690ページ
感想・レビュー
7
ナイス
71ナイス

2024年5月に読んだ本
7

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よしくん
西洋近代的な理性や論理の枠組みが通用しない(と、少なくとも当時の彼等には思われたであろう)世界に巻き込まれていく西洋人のお話。マーロウの闇へ対する感情が怒涛のように押し寄せてくる心理描写が圧巻。話の筋も注意しないと追うのが大変な小説だが、それすらマーロウの追体験になっているようで素敵だ。一度みっちり読み、あとは二度三度寝ながら読んでじっくり味わいたい。帝国主義批判とか冒頭に言った近代的な理性とか面倒な事は考えず、ただひたすら圧倒されるのが楽しい(正しいかどうかは別としても)読み方だと思う。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
7

よしくん
現状に満足せずに無謀な試みをすると思えば、今ある環境と恵みに満たされ感謝する、主人公のブレに共感する。何故理性的判断の枠で満足せず無謀な冒険に飛び込んでしまうのか。きっと、外部からの刺激が手持ちの現状を揺るがすからだ。陸地の遠影や突然現れる謎の船、僕にしてみたらパチンコ屋の新装情報みたいな。そんなの無ければ今ある幸せで満足出来るのに。だが、始末の悪いことにたまに冒険が成功してしまう事も僕達は知ってしまっている。それに過去の人達の無謀な試みの成功の上に近代人の僕は立っている訳だし。考えることの多い作品だった
が「ナイス!」と言っています。
よしくん
「産業革命」をはじめとするイギリス社会や経済の動きを、主に消費の側から分析する。技術が発展したからガッツリ生産できるようになって、そのことを産業革命と呼びましょう、なんてよく考えたら変な話であって、誰がどうしてその製品を欲したのか?という疑問が本当はあって然るべきだ。その背景には世界システム論的な壮大な流れと、一方で着飾る必要が出てきたロンドンの事情やそもそものイギリスの家族システムがある。話の上手な先生がざっくばらんに好きな事を語る授業、そんな感じで楽しかった。
が「ナイス!」と言っています。
よしくん
イギリスの階級特にロウワーミドルクラスを掘り下げる本。日本の会社で例えれば、課長一歩手前の係長、色々自己啓発本を読んだり英会話教室行ったり出世に余念がないがどこかずれてる人たち。こういう人って、上の立場から見ても下から見てもなんかモヤモヤする。そういう階級の人(仕事だけじゃなくてあらゆる点での生き方そのものである所が日本と違う)がイギリスでもやっぱり小馬鹿にされる、という話。軽く読めるし面白い、英文学のお供にも最適。ただ、タイトルが変。紳士の話じゃなくて、紳士になりたいけどなれない奴のお話なんだけどな。
が「ナイス!」と言っています。
よしくん
かなり難解で凄く読みづらいがとにかく凄い。ネアンデルタール人が主人公でホモサピエンスとの不幸な遭遇を描く。論理も比喩も表現も未発達な「ネアンデルタール語」をギリギリのラインで今の言語にして無理矢理小説にするという無謀な事をやっている。更に、旧人的無垢の中に芽生える新人的知恵と知恵の中に残存する無垢が複雑に絡み合う様を描き出している。ホモサピエンスの中にも無垢があり、ネアンデルタールにも知恵の芽生えが見えて、単純な二項対立なんて訳には到底いかない。難解だが繰り返し読まずに初読の衝撃を大切にしたくなる作品だ。
が「ナイス!」と言っています。
よしくん
絵画に描かれているプロイセンの王様たちのちょっとした動きや表情に込められた意味を解説しイメージ付けをした後で、みっちりと彼等の業績が分かる仕組みになっていて分かりやすい。やっぱりイメージとかレッテル貼りって大事で、フリードリヒとヴィルヘルムしかいないプロイセン王家で、このおっさんはこんな人!ってイメージを付けなきゃまず取っ掛かりの理解が覚束ないはず。一人残らず渾名がついているのもイメージ強化に役立つ。これを軽く読めば、大多数の日本人にとって足利将軍家よりホーエンツォレルン家についての方が詳しくなれちゃう。
が「ナイス!」と言っています。
よしくん
西洋近代的な理性や論理の枠組みが通用しない(と、少なくとも当時の彼等には思われたであろう)世界に巻き込まれていく西洋人のお話。マーロウの闇へ対する感情が怒涛のように押し寄せてくる心理描写が圧巻。話の筋も注意しないと追うのが大変な小説だが、それすらマーロウの追体験になっているようで素敵だ。一度みっちり読み、あとは二度三度寝ながら読んでじっくり味わいたい。帝国主義批判とか冒頭に言った近代的な理性とか面倒な事は考えず、ただひたすら圧倒されるのが楽しい(正しいかどうかは別としても)読み方だと思う。
が「ナイス!」と言っています。
よしくん
最高に面白い!!!!日記を主とした書簡体小説だが、肝心の日記の日付に誤りが散見される。これは執筆上の誤記なのか、故意なのか?作中で実は大部分の書簡は燃やされていて、実は作品を構成しているのはタイプし直したものである事が分かるなど、タイプミスや勘違いが仄めかされる。また、冒頭と最後でお話の信憑性についての思わせぶりな記述もある。作者はわざと日付を間違えて書くことで、話の信憑性をぐらつかせているのでは。実は吸血鬼を退治したのも勘違いで、ロンドンにウジャウジャいて...なんて考えるとより恐ろしくて楽しい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/09/27(1007日経過)
記録初日
2021/09/01(1033日経過)
読んだ本
208冊(1日平均0.20冊)
読んだページ
63541ページ(1日平均61ページ)
感想・レビュー
168件(投稿率80.8%)
本棚
0棚
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