かなり作り込まれたトリックだった。 未来死とクローズドサークル、および巻き込まれたメンバの個々の心理が絡み合い、物語をより複雑にしている。 シリーズ1作目の屍人荘の殺人より、よりリアルで、人の想いが絡み合う今回の作の方が面白かった。 最後の最後での、サキミの想いと正体は流石に気が付かなかったし、物語をまとめる謎解きとしては最適だった。

オーリエラントの始まりを綴った作品。 めぐる国が多く、登場人物も多く。ちょっと難しいところもあるが、オルリアルラント（天と地のあいだ）が、オーリエラント（言葉の満てる大地）になっていく様を多彩な情景で纏めている。 主人公を含め、名前ではなく別称で示されているのが面白い。 ＜明日に飛ぶカラス＞が子供たちに伝えた御伽噺を、現実として解決、実現していく流れが面白かった。 でも。雨の娘が好意を抱くのは、そこかぁと意外だった。

タイトルと中身が軽くリンクする推理物かな。 ミステリーでもなく、紙の謎解きが複雑でもなく、 一般的な普通の推理で、謎を解き明かす推理物だった。 紙のメーカーや、厚み、大きさの情報を伝えるより、紙に偽装されたトリックをさらに上回る知識で解決してほしい。 どの短編も、人情味が表に出て、ミステリー作品には思えなかったなぁ。

オーリエラントの魔導師のシリーズも4巻目を読破。 今回は4つの短編集。 それぞれの呪法、魔法、魔導師が異なり、各編は短いながらも楽しめる作品だった。 恨みがこもった魔法もあり、ちょっと軽いいたずらを組み合わせたものもあり、人によって、魔法によって使い方、重さ、または命を懸けたものまで様々な組み合わせで楽しめる作品。 最後の魔道写本師は、既に読破済みの、夜の写本師につながる部分であり楽しめた。

4作まできました。 今までで一番良かったかも。 桃花さんが、検屍だけでなく、推理の謎解きまでしてしまう、痛快な解決劇となった。 延明とのやり取りも、前に進むようで、元に戻って、ほのぼのする感じがいい。 桃花は、延明の気持ちに気づかず、最後まで行ってほしいものである。

かなり作り込まれたトリックだった。 未来死とクローズドサークル、および巻き込まれたメンバの個々の心理が絡み合い、物語をより複雑にしている。 シリーズ1作目の屍人荘の殺人より、よりリアルで、人の想いが絡み合う今回の作の方が面白かった。 最後の最後での、サキミの想いと正体は流石に気が付かなかったし、物語をまとめる謎解きとしては最適だった。