…使って安否確認などを行うのですが、東北地方で暮らす結婚移住の女性たちの多くが通称名を使っており、親しい外国人同士でもお互いの本名を知らないケースがほとんどなのです。特に韓国や中国からの結婚移住者たちは見た目がそれほど日本人と変わらないため、外国人としてのアイデンティティーを隠して結婚した相手の地域に馴染もうとする。そのような『不可視化』は災害発生時、避難所などでは彼女たちが外国人であるという特性を配慮されず、極めて弱い立場に置かれてしまうという不利益につながってしまいます」「つまり、抱えている問題が(続
…教育現場は人的にも予算的にも対応しきれなくなっている。」(242-243頁)◆「「留学生だけじゃないんです。工場や、それにカレー屋で働くために。バグルンからたくさんの人たちが日本に行っています。だから小さな村はもう、働き手がいなくなって、年寄りばかりなんです。おじいちゃん、おばあちゃんたちが、日本に行った子供の代わりに孫の面倒を見ている。親の愛情を知らずに育つ子供がどんどん増えている。村の若者が丸ごと日本に行ってしまったような集落まであるという。だから畑は荒れ、打ち捨てられた家屋が残され、老人ばかり(続
では不便な山間部で暮らせなくなってしまったため、ここバグルン・バザールに降りてくるケースが増えている。「村では野菜や米くらいは自分たちで育てられたから、お金があまりなくても生活ができたんです。でもバザールでは違います。なんでもお金を出して買わなきゃならない。現金が必要です。だからまた若者たちが出稼ぎに行く」海外出稼ぎがあまりに増えすぎたため、伝統的な自給自足の社会が崩壊しつつあるのだ。」(271頁)
…加わっていく。」(221-222頁)◆「在留期限が超過しただけで」という物言いは不用意ではないか。入管行政に深刻な人権侵害があり、現行のルールを適用するにはあまりにも理不尽な個々のよんどころない事情がある(という人をクローズアップする)のはわかるが、それを「在留期限を守ることは重要でない」と主張していると取られてはいけないのではないか。こうした点を外国人排斥派に突かれているのではないのか。「多数はきちんとルールを守っている。ルールが実情に合わず非人道的な部分もあり、苦しむ人もいる。そしてごく少数、(続
ルールを悪用したり守らない人がいる」という、他の社会的ルールと同様の現実的な認識のなかで、非人道的な部分について、特に社内的な理解の拡大と制度の改正が必要であることを示しておかなければならないのではないのか。
…のである。そのためには、現行の労働者派遣法を一時的でもよいから緩和して、あらゆる職種を対象にできるようにしないと震災失業の救済には実効を上げられない。(中略)被災地の労働者に対しては時限の臨時措置でよいから、年齢、職種を問わず人材派遣を認めるようにしたらどうであろうか。こうすれば民間の人材派遣会社を通じて相当数の雇用が確保できるはずだ。その結果、国も雇用保険金や雇用調整給付金の支出を節約することが可能だろう。」(パソナ代表取締役 南部靖之、4月4日)◆失職者救済をダシにした利益誘導では?と思いたくなる。
…人を提供したいと思っています。」(平成11年7月号、28-29頁)◆「災害であれ、病気であれ遺された者がどのように次の生活を考え、亡くなった人をどのように偲び、哀悼するのかが大きな問題になっていくのだろう。レインボーハウスにはあまりお顔を見せない震災遺児のお父さんがいる。そのお父さんは亡き奥様と息子さんのお墓まいりに今でも毎週通っているという。また女子高校生の遺児は、いまでもお母さんのお骨をお墓に入れることを拒んでいる。人それぞれ亡き人への追悼の方法が異なるし、時間の経過も異なってくる。それを広く(続
…深く受け止めることが、これからも死別しなければならない人たちへの手助けになるだろう。レインボーハウスは建物だけではない。そこには、多くの愛がある。だから遺児たちはレインボーハウスに温かさを感じる。そして自らの体験を語る。その体験は次の遺児たちのために語り継がれるだろう。私たちの仕事はまだ始まったばかりだと思う。」(平成15年8月号、125頁)
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…使って安否確認などを行うのですが、東北地方で暮らす結婚移住の女性たちの多くが通称名を使っており、親しい外国人同士でもお互いの本名を知らないケースがほとんどなのです。特に韓国や中国からの結婚移住者たちは見た目がそれほど日本人と変わらないため、外国人としてのアイデンティティーを隠して結婚した相手の地域に馴染もうとする。そのような『不可視化』は災害発生時、避難所などでは彼女たちが外国人であるという特性を配慮されず、極めて弱い立場に置かれてしまうという不利益につながってしまいます」「つまり、抱えている問題が(続
…表出しにくくなることで、本来必要な支援やケアが届きにくくなると?」「おっしゃる通りです」と李は頷いた。」(44-45頁)