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2025年1月の読書メーターまとめ

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読んだ本
10
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3301ページ
感想・レビュー
10
ナイス
6ナイス

2025年1月に読んだ本
10

2025年1月のお気に入られ登録
1

  • 岡本正行

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

abaoaquagga
ドジで見栄っ張りだけど憎めない三人組が、宇宙をポンコツポンコツと旅するスペース・オペラ。ぼくらマガジン版は各エピソードが長めで、バリエーション豊かな絶体絶命のピンチがどれも大長編のような読み応え。一発ネタかと思いきやがっつり出番のあるタコペッティの元ネタは、当時どれだけの子供が理解できたのかしら。たのしい幼稚園版では一転して牧歌的なナンセンス絵本風に。ぼくらマガジン版のエピソードの合間にたのしい幼稚園版のエピソードがあったら……などと整合性を無視して想像してみるのも愉快なものです。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
10

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旅番組みたいなタイトルだが、宮本常一はタレントではなくれっきとした民俗学者。彼が監修した月刊誌『あるく みる きく』を地域別に再編集したもので、オリジナル版の一号、二号は本巻に収録されている。国東半島の磨崖仏に宿る威厳。柴山八幡社で行われるひょうたん祭りの剽軽な練り歩き。種子島大踊りの複雑な隊形変化。夜神楽の祭壇に捧げられる猪の頭。かつての旅人達が足と目、耳を駆使して記録した諸々を現代都市の一室にいながら享受できるのはまことに贅沢なことだ。なのに何故だか物寂しく感じる。旅が誘っているのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
abaoaquagga
ドジで見栄っ張りだけど憎めない三人組が、宇宙をポンコツポンコツと旅するスペース・オペラ。ぼくらマガジン版は各エピソードが長めで、バリエーション豊かな絶体絶命のピンチがどれも大長編のような読み応え。一発ネタかと思いきやがっつり出番のあるタコペッティの元ネタは、当時どれだけの子供が理解できたのかしら。たのしい幼稚園版では一転して牧歌的なナンセンス絵本風に。ぼくらマガジン版のエピソードの合間にたのしい幼稚園版のエピソードがあったら……などと整合性を無視して想像してみるのも愉快なものです。
が「ナイス!」と言っています。
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近世までの奇術の歴史をまとめた第一部もよいが、見所はやはり第二部の演目図説。234もの奇術が当時の図画付き、トリック込みで解説される充実した内容。演者のテクニックによるもの、道具に仕掛けがあるもの、科学法則を用いたもの、単なる迷信らしきもの……。目に豆を入れる、皮膚に針を刺すなど、なかには力業も。有名な呑馬術は、諸説ありながらもトリックを特定できていないという。ロマンだ。巻末には用語・人名事典を収録。お気に入りの奇術師ネームは地球斎マンマル。
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ネタバレ哲学者、神学者、数学者、そして主人公である画家の4名が館に集められ、ある作品の謎を解くよう依頼される。シームレスに妄想へと移行する会話や不自然に飛躍する場面、意思とは別に言葉を発する"口"。信頼できない語り手による、混濁した精神の迷路を彷徨うかのような構成が特徴的。バロウズを思わせる幻覚描写(「ビートニク」や「おかま」といった語句が出てくるあたり確信犯だろう)を含みつつ、後半では、怪奇小説らしく盛り上がる場面や解決編も用意されており、読みづらさはない。
が「ナイス!」と言っています。
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レトロフューチャーにプロパガンダ、三文記事といった”オツ”な図像を通して眺める中国。巨大な豚や果実で溢れるユートピアや、切れた電線をみずからの肉体で繋いだ戦争美談、酒や便所にまつわる小咄などが、児童書のようにやさしくユーモラスな語り口で紹介される。独特のお国柄みたいなものが見えてくる一方で、酒への飽くなき情熱や有名作品のパロディといった万国共通の要素もある。しょうもない部分や胡散臭い部分だって面白がらないと損だよな、ということを再確認させてくれる一冊。
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「われわれが思うに事の真相は、彼は部屋で一人っきりでいたくてたまらなくなっているということなのだ」(152頁)。しかし、肉感的なスメラルディーナや美貌のアルバといった、"並には勝る女たち"との関わりは、ベラックワをそんな穴居人的境遇から引きずり出し、遠ざけ、摩耗させる。われわれ=ベケットによる言語遊戯で溢れかえった狂騒的な辺獄を彷徨い続け、遂には衰弱しきった彼の肉体に、やがて来るモロイの姿を見るのである。
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ばろうこんいんたん、と読む。禁断の恋に落ちた馬と娘が天に昇り、代わりに彼らの面影を持つ虫=蚕が降ってくる。なぜ異種婚と養蚕が結びつくのか、なぜそれを巫女が信仰するに至ったのか、不可思議な点も多く、ゆえに面白い題材だ。本書は主に、著者によるフィールドワークと、場面ごとに分類した複数の伝承本文(オシラ祭文)で構成されている。前者の筆致がなかなか秀逸で、現地の情景が空気感も含めてありありと浮かんでくる。しかし、老婆から涙混じりに託されたオシラ様を、埃もそのままに放置するのはいかがなものかしら。
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「好き」の反対が無関心なら、関心とは即ち「好き」なのか。同級生の松笛君を突然好きになってしまった戸川さんが、その”謎を解く”ために彼と過ごす日々の摩訶不思議。往年のお洒落な少女漫画風にデフォルメされた人物に、ガロ系を彷彿とさせる濃密かつ妖しげな描き込み、さらには思弁的な雰囲気まで加わり、真に代替不可能な魅力を宿した逸品。第2話「ワタシとアナタ」での法悦的情景の突き抜けた非凡さといったらもう。旧単行本の表紙絵や、雑誌掲載時の作者コメント等が網羅されているのも嬉しい。
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比較的スタンダードな怪奇小説から、明確なSF、そして前衛文学まで、計18作を収録。ありきたりな幻想小説の枠を越えたチョイスが個性的。ブレーマー「第四次元」は懐かしいノリのスペオペ系ショートショート集。ハントケ「田舎のボーリング場の~」とベルンハルト「シティルフス農場の~」は、内容よりもスタイルの異様さが酩酊をもたらす。神経症的不安が膨れ上がって終盤で炸裂するアマンスハウザーの赤子もの「寸描された紳士たちの~」から、機械兎の群れが市を埋め尽くすシュトローブル「メカニズムの勝利」の流れが好み。
が「ナイス!」と言っています。
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正月にまつわる記述が多い。新年を迎えるのは、今以上に大切なイベントだったらしい。一方、元々あった古暦が太陰暦や太陽暦に変更され、そのつど以前のものが断片的に残るなどした結果、風習がちゃんぽん状態になっている、という話も繰り返し語られる。正月が陰陽道、盆が仏教の影響下にあるあたり、確かにフリーダムだ。日没をもって日付の切り替わりとみなしていた、春夏秋冬ではなく春秋の二季制だった、といった意外な説も。大晦の夜に鈴を振って現れ、子供に餅をくれる日本版サンタ・年爺さんは、しかし首のない馬に乗っている。怖いよ……。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/12/12(1163日経過)
記録初日
2021/12/12(1163日経過)
読んだ本
246冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
67723ページ(1日平均58ページ)
感想・レビュー
232件(投稿率94.3%)
本棚
22棚
自己紹介

本棚を無惨にも溢れさせた彼は、無限の収納スペースを求めて遥かな宇宙へと旅立ったのだった。

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