1台の車の歴代所有者を描く、理不尽さと意志の物語。テーマも脚色もおじさんっぽいし、「綺麗に着地するぞ！」って鼻息の荒さも気になる。でもその減点を経てなお、「おもしれー！」が貫通してくるぐらいおもしれーのよ。筆力と構成力。超パワフルでした。

源氏物語をベースにした現代演劇『インディゴは水に溶けない』の鑑賞きっかけで。時系列じゃなくて、登場人物1人1人にスポットライトを当てて紹介する入門書です。なんて読みやすいんだ。出てくる全員ほんのり不幸そうで、「源氏お前さあ……」ってなる。通しで読んでみたいけど、体力＆可処分時間と相談だね。

同じ高校が舞台の中編3本組。どれも平成青春小説！！！ って感じでおじさんに効きます。名字が同じってだけで夫婦扱いされる同級生同士の話、流石に平成が過ぎる。これまた平成大優勝コンテンツであるところの『堀さんと宮村くん』作者によるコミカライズも超良いです。

新刊ありがてえ～～人生ベスト級の百合小説シリーズ！ 巻数を重ねるごとに世界が2人に閉じていき、2人だけのまま世界が再度広がっていく感覚、あまりにも特別です。セリフ以上に情報量が多い、地の文の詩的表現にもぐらっと来る。一生読みます一生書いてください。

新しい学習漫画シリーズの1冊目だって！ 入社1ヶ月でカービィの企画を上げる男、流石にずっとスピード感がすごいしずっと忙しそう。ダイジェスト的ではあるけど、キッズでも楽しく読める形にまとまっててええですね。エアライダー発売前に読めてよかった。

素朴な視点と単語選びがまっすぐ胸に来る歌集。リズム感は少し合わないかも。 ◆ほとんどの願いは別のかたちで叶いほとんどの人はそれで幸せ ◆鉄火巻きのまぐろどかんと大きくて偶然だからうれしいんだよ ◆つらい目に遭った人の話を聞いて全身がずっと想像してる

1台の車の歴代所有者を描く、理不尽さと意志の物語。テーマも脚色もおじさんっぽいし、「綺麗に着地するぞ！」って鼻息の荒さも気になる。でもその減点を経てなお、「おもしれー！」が貫通してくるぐらいおもしれーのよ。筆力と構成力。超パワフルでした。

物書き約30名による、ミスタードーナツ非公式アンソロ！ 各参加者が商品1種を担当し、エッセイ・散文・短歌などで愛を綴ります。読んだら絶対ミスド行ってさあ！ 普段は絶対買わないやつ買いたくなるから！ 表紙も特典ブックカバーもどっちも素敵！ 参加者の文章力の差があまりにも激しい……というか明確に「書けていない」人がいるのはちょっと気になりポイント。

『サラダ記念日』の俵万智による、言葉に関するエッセイ本。60歳を過ぎてなお、いまの言葉にこれだけ柔軟／好奇心旺盛でいられるのすごい。短歌の引用が多く、楽しい1冊でした。 ◆「どうだった？ 私のいない人生は」聞けず飲み干すミントなんちゃら

経済学の父、アダム・スミス。彼の理論では、女性が担ってきた家事労働は可視化されません。で？ あなたの夕飯は誰が作ってたんですっけ？ 従来の経済学をフェミニズム的観点から批判する、皮肉で切実な1冊です。エネルギーと切れ味。

本業＋副業ではなく、様々な仕事を並行する「複業」を選ぶ人たち。15名のコラムやアンケートから見えてくる、生活／好奇心／やりがい／立ち位置。面白いな～～十人十色だけどなんとなくの傾向もあるような。自分の働き方や活動について考えるフックとしても◎。

最高だ～～配信者2人の会話とコメントのみで進行する、大好きなSFシリーズ！ 時空間の全方向への圧力を感知して発電したり、超静水にブラックホールを閉じ込めたり。SF思考実験お披露目フォーマットとして完璧すぎるんよな。配信口調の自然さと、ふたりの知ってること／知らないことのバランスも良い。一生続けてください！！