スピノザというのは哲学者とも知らずに読み始める。 先輩からも信頼され、研修医から好かれ、最高の内視鏡技術を持つ独身の主人公。でもシンマだった妹の遺した小学生の息子を引き取って育てるため、大学病院から小さな病院へ転職。でもそこには、それぞれ特徴的な医者がお互いをカバーしあい、誇りを持って働いている。こんな病院が近くにあったらいいな。

これは地下鉄サリン事件を知っている世代とそうじゃない世代で受け取り方が違うだろうな。事件当時、私はまだ学生だったし、幹部がうちの学校ともつながりがあって報道陣が押し寄せたりして、いい迷惑だと思っていた。実際に被害にあった数千人にとってこの話は、フィクションだとはいえ、逃げて逃げて好き勝手した啓美やそれを手助けした周囲の人々に怒りが湧かないだろうか。

中2のヤングケアラー朱音の話。つらいなと思っても、それは自分の至らなさのせいだと信じ、つらいのはおかしいとは考えもしないというところがヤングケアラーの問題のひとつ。中3の悠人も、優秀な兄と彼を贔屓する母との暮らしで家庭内で自分だけ浮いていると感じ、公園でたまたま会った朱音とのふれあいで癒されていく。この本は図書館のティーンズコーナーで見つけたのだけど、たくさんの子に読んで欲しい。

スピノザというのは哲学者とも知らずに読み始める。 先輩からも信頼され、研修医から好かれ、最高の内視鏡技術を持つ独身の主人公。でもシンマだった妹の遺した小学生の息子を引き取って育てるため、大学病院から小さな病院へ転職。でもそこには、それぞれ特徴的な医者がお互いをカバーしあい、誇りを持って働いている。こんな病院が近くにあったらいいな。

親の遺した定食屋をコツコツと続けている兄妹。いきなりバズる。人気に乗っかっちゃえ！と思う兄の気持ちも、これはまやかしの人気だから誤解を解かなきゃと思う妹の気持ちもよく分かる。このシリーズは人物像がすごくはっきりしてるので、哲史ならそう言うと思った！と自分と答え合わせするようで楽しい。

小説と思って借りたら漫画だった。熊と鮭が営む夜中の甘味処に色々な悩みを抱えた人が来て癒されていく。何度読んでも泣ける、という帯、コメントが多かったけど、そんなに？レシピが載っているのは良い。

ドラァグクイーンのシャールさんが夜だけ開く隠れ家的カフェ、マカン・マラン。ただ美味しいだけじゃなくて、その人を思って作るから身に沁みるのだと思う。一生懸命働いているのにチーフ止まりの40代独身女性、食事を取ることに罪悪感を覚える男子中学生、大手に振り回される下請けライターなど、シャールさんの食事をきっかけに、自分の力で問題に立ち向かえるようになったのが良かった。

読んでいてちょっと混乱。誰が誰のことを言ってるのか、主人公たちも自分のことがよく分からないと言ってるから、あやふやな感じに。小学生の頃にUFOを見たから未来が変わったのか、本当は見ていないのか、もしかして宇宙人なのか⁈マルユウとマルセイ、同級生と先生、出てくる人は少ないのに、謎のまま終わった。