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2025年1月の読書メーターまとめ

えびちゅん
読んだ本
6
読んだページ
2034ページ
感想・レビュー
6
ナイス
185ナイス

2025年1月に読んだ本
6

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

えびちゅん
初読。全編30頁程度で構成された短編集。まだもうちょっと読みたいなというところで名残惜しくも終わってしまい、さながらフレンチのコース料理を食べたかのような満足感と寂しさを覚える。とにかくキャラがいい。みんな生き生きとしていて読んで数頁でもう〈パ・マル〉のみんなが好きになってしまった。三舟シェフの人柄にも独特の良さがある。愛想のいいタイプではないが茶目っ気もあり、謎を解く際の切れ味と言葉の納得感は素晴らしい。気取らないフレンチにどこまでも客のことを思うホスピタリティ。〈パ・マル〉どころか〈セ・メルヴェイユ〉
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
6

えびちゅん
明かしてしまえばなんてことないタネ1つで最後の最後にストンと綺麗にひっくり返る。倒叙ものっぽいこの始まりでどんでん返し?何を最後にひっくり返るの?と思ってる人ほど騙される。3人それぞれの歪んだ内面を交互に書くことで本命に気づかせない、思わず顔を背けたくなるような露悪的な描写に細やかにそれでいてちゃんと種を蒔いている。終始顔を顰めながら読んだ作品は初めてかもしれない。それでいて続きを読まずにいられない、犯人の心理に1ミリも共感したくないのに読んでるうちに理解させられてしまう恐ろしい魅力を秘めた怪傑作。
が「ナイス!」と言っています。
えびちゅん
「無間呪縛」哀れで愚かな男と蓋然性に賭ける狂気を秘めた強かで執念深い女という典型的西澤作品かと思いきや、そこから一捻り半。就眠儀式とタカチからの相談という2本のサイドラインが最後に本線と交わる様はお見事。「悪魔を憐れむ」異色の作ではあるが断ち切ることのできない親子の対立構造という点では、ある種タックにとっての憑き物落とし的立ち位置になるか。人間心理の心奥を支配した悪魔でさえもその対立の鎖から逃れられないところに後味の苦味を感じた。。「意匠の切断」これぞ酩酊推理。論理の飛躍が楽しい。もはやギャグでさえあった
えびちゅん
2025/01/19 22:41

『解体諸因』から趣が変わり解体に至る合理的な説明のために動機の特殊さをもってアクロバティックな結論に導かれる。「死は天秤にかけられて」ボアン先輩のセリフが本シリーズを象徴している。女子高教諭の話を前振りに女の集団心理における実利と自尊心の狭間の葛藤、それでいてただでは転ばない狡猾さが強調されている。全体としてパズラーとしての論理の軽やかさや鮮やかさはそのままに、人間心理が生み出す動機の度し難さが重みを生み出している。

が「ナイス!」と言っています。
えびちゅん
ネタバレ過去の事件の追憶と現在の事件の調査が同時並行で進む。小佐内さんとはなかなか会えず、意味ありげなメッセージカードと贈り物だけが2人をつなぐ。構成が妙。ちょっとした違和も小鳩君のナーバスな追憶に隠すことで真相に気づかせない。普通なら過去話は早々に、なんならこの時のキャラで行ってもいいところを挫折後のキャラでスタートさせているのがこのシリーズらしさ。逆恨みに近いが探偵の苦悩と罪についても描いているのがストーリーに厚みを出している。「わたしの次善」という小佐内さんからの最後のボンボン、小鳩君は掴むのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
えびちゅん
初読。全編30頁程度で構成された短編集。まだもうちょっと読みたいなというところで名残惜しくも終わってしまい、さながらフレンチのコース料理を食べたかのような満足感と寂しさを覚える。とにかくキャラがいい。みんな生き生きとしていて読んで数頁でもう〈パ・マル〉のみんなが好きになってしまった。三舟シェフの人柄にも独特の良さがある。愛想のいいタイプではないが茶目っ気もあり、謎を解く際の切れ味と言葉の納得感は素晴らしい。気取らないフレンチにどこまでも客のことを思うホスピタリティ。〈パ・マル〉どころか〈セ・メルヴェイユ〉
が「ナイス!」と言っています。
えびちゅん
ネタバレまさかここに来て『理由あって冬に出る』の謎だった「壁男」事件について解決がなされるとは思わなかった。今回も伊神さんが登板して謎解きを試みるが、大事なところでは葉山君も奮闘。柳瀬さんへの気持ちを自覚したのは大進歩。自分もあっち側足らんとするためにもがくのは微笑ましい。それにしても秋野、ダメ男ホイホイかのごとくクソ男に引っかかる。もうちょい顔や雰囲気じゃなくて内面も見よう?周りもっといい男子いるんじゃない?とも思うがまあ高校生なので。
が「ナイス!」と言っています。
えびちゅん
ネタバレ国名シリーズ30周年記念は愛蔵版で。序盤から茫洋とした印象を受ける記憶喪失の青年の陰影がくっきりとしてくるに従い、事件の背景や全容も鮮やかになり火村の推理も研ぎ澄まされていく。急転からの展開はまさに圧巻だが、いかんせん前段の調査パートが長い割にあまり結論に寄与していないのが辛い。早々に意図した密室でないことが明らかにされるが、近年はこういった偶然や幸運に助けられて結果として謎めいてしまった状況を解き明かす話が多い。元々そういう作風ではあるが人間や過去の因果を中心に据えるのが顕著になってきているか。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/02/27(1087日経過)
記録初日
2020/08/10(1653日経過)
読んだ本
197冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
74336ページ(1日平均44ページ)
感想・レビュー
86件(投稿率43.7%)
本棚
0棚
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