最近流行りの毒親や親ガチャといった言葉で表現するのが憚れるほど娘の学歴や世間体に執着する母親と、その母親に自尊心を傷付けられ人間性を否定されてもなお離れることができない娘。そして、そこに生まれる憎悪・怨嗟・殺意。それらが溢れた結果、娘が母親を殺害するという痛ましい事件が起きてしまう。父親や教師が度々助ける機会があったにも関わらず、それらを支援に繋げることができなかったことは非常に残念である。受刑者となった娘には、刑を全うした後には今度こそ自分の人生を歩んでほしいと切に願う。

とある街で起きた3つの殺人事件とエピローグの4章で構成された本書は、考察が好きな人に刺さるミステリー小説。それほど難しくはないが、ない脳みそで考えたため読了後は頭が疲れた。イヤミスではないがスッキリとした結末でもないため、自分には合わない箇所もあった。それでも、全体的には満更でもないため、別作品も読んでみようと思う。

自身もアメリカでサッカーに興じる著者が、動画でアフリカにいる高齢女性がサッカーをプレーしている姿を見て衝撃を受け、自国での大会に招待しようと奮闘するところから交流が始まる。著者やその仲間の行動はもちろん素晴らしいが、南アフリカサッカーチーム「バケイグラ・バケイグラFC」の創設者ママ・ベガの実行力には驚嘆させられる。

動画配信サービスで話題となっていたため原作である本書を読んだが、期待値が高すぎたのか、それとも元となる事件を再現ドラマなどで知っていたせいか、世間が褒めそやすほど面白いとは思えなかった。

中華民国で私立探偵を生業としている女性のもとに、失踪者の捜索依頼が舞い込む。依頼人は失踪した女学生の学友で、資産家の令嬢。探偵は依頼を受けて捜査に乗り出すが、その途中で自身の身に危険が訪れる。女学生の失踪した理由が分かるとき、なんともやるせない気持ちになる。

最近流行りの毒親や親ガチャといった言葉で表現するのが憚れるほど娘の学歴や世間体に執着する母親と、その母親に自尊心を傷付けられ人間性を否定されてもなお離れることができない娘。そして、そこに生まれる憎悪・怨嗟・殺意。それらが溢れた結果、娘が母親を殺害するという痛ましい事件が起きてしまう。父親や教師が度々助ける機会があったにも関わらず、それらを支援に繋げることができなかったことは非常に残念である。受刑者となった娘には、刑を全うした後には今度こそ自分の人生を歩んでほしいと切に願う。

カクヨムに投稿された同作品は未だ完結していないため、書籍化による結末が気になり手にしてみた。自殺願望のある主人公がたまたま見つけた看板をきっかけに、マンションの一室に住み着く怪異の隣に入居するところから物語が始まる。ほとんどは投稿された内容と同じだが、結末部分は新たに書き下ろされたもの。ただし、こちらも完結はしていなかったが、それが不快と感じないほどホラーとコミカルが同居した良作だと思う。家庭環境や新興宗教など心が暗くなる部分もあるが、それらを含めて続きが読みたくなる。

「ワシントン・ポー」シリーズの作者が『趣味の小説』として描いていた本書は、コロナ禍をきっかけに日の目を浴びることになった新シリーズ。ウルバッハ・ビーテ病により恐怖を感じない主人公が、元上司の娘が誘拐された事件の捜査に駆り出される。ただし、それは正規の捜査ではなく、また公的機関の支援も期待できないものだった。普通の人では躊躇するような出来事にも、冷静に対処する主人公の姿にハラハラ・ドキドキさせられ、興奮が最後まで続く。

朝・昼・夕・夜で構成された書楼弔堂シリーズの最後の作品。活字の創作に挑む主人公の甲野は、甲野が世話になる人物の紹介で弔堂を訪れることになる。過去の作品と同じく歴史上の人物が登場し、本作では本のあり方について語り合う。過去3部作で描かれた人物が登場するとともに、最後には弔堂主人にも変化が起きる。本シリーズが終わってしまい寂しくなるが、これからも読書を大切にしていきたという気持ちになった。

1日で読了。「夢中になった」ということではなく内容が薄い。恐ろしさを感じることはなく、結末にもがっかり。