ネタバレ漱石と思われる主人、妻、子供、飼われた猫、描写においては皆、同格に半歩引いた心の距離感で、猫の容態を中心に暮らしの風景を写実。猫がだんだん弱っていき、ときどきおかしな唸り声をあげるようになった翌日、猫は死んでいたのを発見される。墓を建ててやり、弔う家族の姿、で終わる簡単な短編だが、猫に対する愛情が滲み出ていると思う。明治から昭和くらいの人間と飼い猫の関係はこの随筆にあるくらいの距離感だった。動物病院が全国的に認知されたのは平成以降だと思う。 猫の名前はでてこない。つけなかったのか、作風なのか。

ネタバレ漱石と思われる主人、妻、子供、飼われた猫、描写においては皆、同格に半歩引いた心の距離感で、猫の容態を中心に暮らしの風景を写実。猫がだんだん弱っていき、ときどきおかしな唸り声をあげるようになった翌日、猫は死んでいたのを発見される。墓を建ててやり、弔う家族の姿、で終わる簡単な短編だが、猫に対する愛情が滲み出ていると思う。明治から昭和くらいの人間と飼い猫の関係はこの随筆にあるくらいの距離感だった。動物病院が全国的に認知されたのは平成以降だと思う。 猫の名前はでてこない。つけなかったのか、作風なのか。