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2024年10月の読書メーターまとめ

Nishiumi
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感想・レビュー
9
ナイス
161ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月のお気に入り登録
2

  • しゅう
  • hiroizm

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Nishiumi
肉食を拒絶し植物へと変化していくヨンへと、彼女を取り巻く人間の欲望や葛藤を描いた3篇。目を見開いて底へと降りていくような執筆体験とあるように、書く側は身を削るような思いで書いたのではないか。表題作「菜食主義者」では、壮絶な夢に苦しめられ、心身が衰弱していくヨンへと、実利主義で他人の痛みに鈍感な夫の関係が、絶望的なほどの無理解と破局に繋がっていく。他2作も人間の奥底に潜む激しい欲望と、絶望の中での人間のしぶとさに心が揺さぶられる。ちょうど図書館で貸出中のノーベル賞受賞で、私にとってもプチサプライズでした😳
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

Nishiumi
安西水丸の置き物コレクション。なんだか分からないけれど集めてしまうものの中に、その人の人となりや個性が表れる。無駄遣いだからとケチらずに、ガンガン蒐集しまくろう。役に立たないもの万歳!ブルーウィローに秘められた悲恋物語を知ったら確かに集めたくなるかもしれない。その他、鳥取民藝、怪獣、アメリカンフォークアート、スノードーム、灯台いいね。灯台は扉を開けると中に蝋燭を入れられる仕様になってるやつ、特にいいね。
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Nishiumi
シンプルだが決して飽きのこない唯一無二の作風、本人の気負ってなさそうな姿勢、身近なものがモチーフになってて生き方そのものが絵に表れてる感じ、、、村上春樹的だ。大いに村上春樹的で実際彼とも組んで仕事をしている。さぞかし享楽的な生き方をしているのかと思いきや、プロ根性がすごい。本の装丁の仕事では必ず全て読む(文学全集も含めて!)し、パントーンを貼ったシンプルな作風はクオリティを落とさずに大量の仕事をこなすために編み出したという。楽にいい仕事なんてやっぱりできないね。
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Nishiumi
シンガーソングライター、エッセイスト、イラストレーター、映像作家と多彩な顔を持つイ・ランの短編集。母親との確執、セックス、ジェンダー、友達関係、宗教等、身近で、やや明け透けなテーマはまるで友達の話を聞いてるよう。それでいて、時にエッセイ風、台詞調、空想の混じった話を軽々と行き来しているは、表現媒体を越境している著者ならではの持ち味なのかな。同世代ながらただならぬ才能を感じる。この本を借りている間、枕元に置いて、この人の曲を聴いて生活してみた。好きなことを好きなようにすれば良いよって身軽な気持ちになれる。
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Nishiumi
肉食を拒絶し植物へと変化していくヨンへと、彼女を取り巻く人間の欲望や葛藤を描いた3篇。目を見開いて底へと降りていくような執筆体験とあるように、書く側は身を削るような思いで書いたのではないか。表題作「菜食主義者」では、壮絶な夢に苦しめられ、心身が衰弱していくヨンへと、実利主義で他人の痛みに鈍感な夫の関係が、絶望的なほどの無理解と破局に繋がっていく。他2作も人間の奥底に潜む激しい欲望と、絶望の中での人間のしぶとさに心が揺さぶられる。ちょうど図書館で貸出中のノーベル賞受賞で、私にとってもプチサプライズでした😳
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Nishiumi
「永い画家の生活をしていると住居の中には、いろいろなものが私達の本当に良き友として、あるいは恋人のように静かに同居している」とは猪熊弦一郎の言葉。ひとつひとつの所有物から、モノを選ぶときの眼差しが伝わってくる。氏はアーリーアメリカン、マグカップ、瓶、ハートがお好き。絵の描かれた小石、手作りの木のビスケット、人の顔した犬、鶏とワイングラスの針山、生命の木が良い。使い道の分からないヘンテコな物のなかにこそ愛着が生まれる。それに、そういったものをやり取りする友人関係も良いな。
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Nishiumi
終始怪しい雰囲気の漂う短編集。漢字の密度が高い文章と相俟って、濃密でむせ返るような雰囲気。トランスジェンダー、家族といった現代の普遍的なテーマを扱った作品も多いが、そこに少数民族、兵役、異教の神、砂糖工場など、台湾ならではの文化風習が絡まり合う。はみ出し者たちのひと夏を描いた「ぺちゃんこな いびつな まっすぐな」、トランスジェンダーの悲哀に満ちた人生を軽妙な語りで紡いだ「鶏婆の嫁入り」、獅子舞団が体験した恐ろしい神がかり「虎爺」が特に良い。
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Nishiumi
スポメニックとは、60〜70年代を中心に旧ユーゴスラビア圏で建設された記念碑のこと。独自に発展を遂げた抽象的なモニュメントが自然の只中に屹立する光景は、もはや人為を超えた威厳すら漂わせる。モチーフとなっているのは瞳、肺、掌、翼、武器、勝利杯、植物など様々。どれも第二次世界大戦中に枢軸国の侵攻に対抗したパルチザンの戦いを讃える、もしくは犠牲者を追悼するもので、旧ユーゴスラビア時代に同胞への愛と統一を説く政治的神話のシンボルとして建てられたものらしい。これからの時代観光資源にもなるだろうし、是非残してほしい。
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Nishiumi
ゆっくりゆっくり痛みを味わうように読んだ。日々の生活の中では決定的な出来事の方が珍しい。短編の主人公たちも、暴かれない罪の意識をいつまでも抱えていたり、一瞬のときめきに折り合いをつけないといけなかったり、近しい関係のはずなのにお互いを傷つけずにいられなかったり、何かしらのやり切れなさを抱えている。痛みの破片は間違いなく私の中にもあって、欠けた部分の形を確かめるように少しずつページを捲った。悲しい話ではあるけど、最後の三豊百貨店も好き。完全に断ち切られてしまった過去への慈しみと、いつまでもずぅんと鈍い痛み。
Nishiumi
2024/10/02 20:54

韓国小説を読んでいると、不思議な気持ちになる。双子の世界の話を聞いているような。社会の中にカラッと乾いた閉塞感が漂っているのがこの国と似ているからだろうか。一方でチョンセを巡る不動産界隈の事情だったり、子どもを小さいうちから英語学校に通わせる意識の高さなど、所々で顔をのぞかせる文化の違いも読んでいて面白い。

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Nishiumi
世界にはこんな豊かな生活空間が存在するのかと目がまん丸になった。日本の道路や公園の「あたりまえ」が覆る。公共空間はみんなでシェアするものだから、みんなでアイディアを出し合っていこうよ、という考え方がまず素晴らしい。便利に使えるだけに留まらず、見た目も楽しく、写真を見るだけで市民が生き生きしているのが伝わってくる。俄然北欧に行きたくなってきた。
Nishiumi
2024/10/02 11:58

道幅が広く、適所にベンチがあって寛げる道路が羨ましい。特にコペンハーゲンは自転車社会で、長距離を行き来する自転車道やダイナミックな景観の自転車専用橋なども充実。カゴ付きの自転車に子どもを乗せて通勤するなんて、お手軽で都会的で微笑ましい光景。都市生活者が自然と触れ合えるスポットが沢山あるのも魅力的。ミニチュアハウスとセットになった市民農園や、ウォーターフロントにはシーバスやシープールなどのアクティビティも充実している。

Nishiumi
2024/10/02 12:06

その根底には、人間中心のまちづくりビジョン、一人ひとりに根付いた「自然享受権」の思想がある。人間中心のまちづくりを実現するにあたって、行政側も積極的な住民参加を促したり、持続可能かつ市民も楽しめる、新しいアクティビティプログラムを導入しているのが印象的。自然との近しさという意味では、北欧の厳しい自然環境に対して抵抗するのでなく、それぞれの季節で違った楽しみ方を満喫していこうよ、という姿勢がいいなと思った。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/05/03(935日経過)
記録初日
2024/02/29(268日経過)
読んだ本
85冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
18667ページ(1日平均69ページ)
感想・レビュー
85件(投稿率100.0%)
本棚
9棚
性別
現住所
大阪府
自己紹介

読書、映画、漫画、建築・デザインを行ったり来たりしてます。
好きな作家は筒井康隆、古川日出男、町田康、村上春樹、舞城王太郎。あと岸本佐知子の翻訳も好き。
最近は女性作家、海外作家も手広く。
現実からちょっとずれた世界の話、ドタバタ劇、スリル、漁ってます。

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