韓国小説を読んでいると、不思議な気持ちになる。双子の世界の話を聞いているような。社会の中にカラッと乾いた閉塞感が漂っているのがこの国と似ているからだろうか。一方でチョンセを巡る不動産界隈の事情だったり、子どもを小さいうちから英語学校に通わせる意識の高さなど、所々で顔をのぞかせる文化の違いも読んでいて面白い。
道幅が広く、適所にベンチがあって寛げる道路が羨ましい。特にコペンハーゲンは自転車社会で、長距離を行き来する自転車道やダイナミックな景観の自転車専用橋なども充実。カゴ付きの自転車に子どもを乗せて通勤するなんて、お手軽で都会的で微笑ましい光景。都市生活者が自然と触れ合えるスポットが沢山あるのも魅力的。ミニチュアハウスとセットになった市民農園や、ウォーターフロントにはシーバスやシープールなどのアクティビティも充実している。
その根底には、人間中心のまちづくりビジョン、一人ひとりに根付いた「自然享受権」の思想がある。人間中心のまちづくりを実現するにあたって、行政側も積極的な住民参加を促したり、持続可能かつ市民も楽しめる、新しいアクティビティプログラムを導入しているのが印象的。自然との近しさという意味では、北欧の厳しい自然環境に対して抵抗するのでなく、それぞれの季節で違った楽しみ方を満喫していこうよ、という姿勢がいいなと思った。
読書、映画、漫画、建築・デザインを行ったり来たりしてます。
好きな作家は筒井康隆、古川日出男、町田康、村上春樹、舞城王太郎。あと岸本佐知子の翻訳も好き。
最近は女性作家、海外作家も手広く。
現実からちょっとずれた世界の話、ドタバタ劇、スリル、漁ってます。
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