訳者斎藤真理子さんあとがきより 「ハン・ガンが、このタイトルは『哀悼を終わらせない』という意味だとはっきり述べている。 このタイトルは、直訳すれば『作別しない』となる。『作別』という熟語には『別れる』と『別れを告げる』の両方の意味があり、それを『しない』とは、ハン・ガンによれば『別れの挨拶をしない』と『別れを実行しない』の両方を指すそうだ。それは『決して哀悼を終わらせないという決意』であり、『愛も哀悼も最後まで抱きしめていく決意』という意味なのだという。
「人ごとだからこそ自分の判断を停止させる」というロサの行為は、「人ごととしてごまかしつづける」ことからいちばん遠いと思うからだ。 ロサは人がそれぞれ自分の内なる海を感じることの大切さを、どこかで深く了解していたのだと思う。「他者を愛する」とは、自分とはちがう存在、自分には理解できないもの、自分では受け入れられないものをもっている存在を、まさに自分には理解できないし、受け入れられないからこそ、尊重するということである。
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訳者斎藤真理子さんあとがきより 「ハン・ガンが、このタイトルは『哀悼を終わらせない』という意味だとはっきり述べている。 このタイトルは、直訳すれば『作別しない』となる。『作別』という熟語には『別れる』と『別れを告げる』の両方の意味があり、それを『しない』とは、ハン・ガンによれば『別れの挨拶をしない』と『別れを実行しない』の両方を指すそうだ。それは『決して哀悼を終わらせないという決意』であり、『愛も哀悼も最後まで抱きしめていく決意』という意味なのだという。