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2024年10月の読書メーターまとめ

檸檬の木
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583ナイス

2024年10月に読んだ本
15

2024年10月のお気に入られ登録
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

檸檬の木
京都を舞台に 万城目ワールド全開の摩訶不思議な世界の二作品。二十年前の大学生たったエッセイストが洛中女子寮で十日間ほど部屋をともにした奇妙な同居人の正体は!? 現代風に本能寺の変の謎に迫る表題作。歴史上の人物がコミカルにトクさん、トーキチロー、明智さん、と改名され思考を凝らし面白おかしく仕上がっていたが、何処か伊坂幸太郎の作風を感じました。現代と戦国時代のパラレルワールドでこんなゲームがあったら面白いと思った。場所が京都だから万城目学の筆にかかれば何でも起きてしまうそんな作品だった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
15

檸檬の木
「すばらしい人体」がよかったのでこちらも手にとりました。人体がいかによくできた構造物であるかを頭からつま先までそれぞれの臓器の形態と働きを便の硬さがどのように決まるのかといった身近な内容まで折り込みわかりやすく解説。医学史を変えた画期的な新薬が毒や化学兵器から生まれたとは驚いた。西洋医学の歴史や画期的な現代のロボットが牽引する外科手術まで興味深い内容でした。人体の脆弱性に果敢に挑み続けた結果近年の医学の進歩は、二十世紀初頭は四十代だった日本人の平均寿命から現代の年齢に変化していった事からも一目瞭然だった。
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檸檬の木
「掃除婦のための手引書」「すべての月、すべての年」に続くルシア・ベルリン作品集の第三弾。冒頭の幼い頃の可憐な顔写真にうっとりしました。波瀾万丈だった彼女の人生だったけれども無邪気な少女時代の親友とのエピソードは本当に楽しい。テキサス、チリ、ニューメキシコ、ニューヨーク三度の結婚と四人の息子の子育て孤独な晩年その人生の一部を切り取った22編の作品は万華鏡のように異なる様相でパッパッと切り替わる映画を観ているようたった。「物語こそがすべて」実体験をベースに小説に仕上げられた彼女の魅力に満ち溢れた一冊だった。
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檸檬の木
大きなマンゴースィーツの装丁が目に飛び込んで、思わず手に取った。豪華な女性作家6人が紡ぐアジアンアンソロジー。台湾、韓国、仙台、香港、台北とアジアの街が色濃く登場し楽しめた。お目当てだった宮下奈都さんの作品が読めて嬉しかった。「月下老人」旧暦七月七日に未婚の人たちの名簿を見ながら相性がよいかを占うという台湾の民間伝承の話が素敵だぅた。
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檸檬の木
5つの家族の母親を中心に描いた連作。家中がいつも笑いに満ちた三世代家族を支えた母、鬱病の兄と二人で暮らし逝去していく母、親の反対を押し切り駆け落ちした娘が生活苦から一人暮らしの母の元に二人の孫を連れ転がり込んできた。女優志望だった年老いた母の最後の選択。どの母親も一人の人間であり、幾つになっても女であるという事を痛切に感じた。其々の母親のゾクゾク、ヒヤヒヤとした行動に引き込まれ、最後の一行まで目が離せなかった。「セメタリー」「アフェア」が特によかった。
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檸檬の木
アイヌに生まれた赤城ミワの生き様を通し、そこで生まれ育った人々が差別や虐めを受けながらも民族としての誇りを持って力強く生き抜いて行く姿を見せつけられた。少女時代にはダムの底に沈んで行く郷で虐めに遭う弟に心を傷めた。デザイン学校を卒業後、才能が開花されアイヌ紋様デザイナーとして着実に成功を収めた。奔放で繊細な才能と魅力的な風貌を持つ彼女に魅了される男たちに簡単に心を許そうとはしない。長く虐げられてきたアイヌ民族は北海道に住む桜木紫乃さんが描きたかったテーマだったのだろう。
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檸檬の木
源氏と平氏が激しく争っていた平安時代の後期。平家による南都焼き討ちを興福寺の悪僧・範長を主人公として描いた物語。南都が火の海となり人々が憎しみの連鎖に巻き込まれてしまいその姿を見た苦悩する範長が寺の復興に尽力するまでを描いた物語でした。憎しみを憎しみで返していては、新たな怨みが生まれ不幸が連鎖する。何処かでその憎しみを断ち切らなければならない。現代にも通じるこの言葉の意味は非常に重い。美しい奈良の都にまた足を運びたくなった。
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檸檬の木
天平時代のパンデミック小説でした。奈良の都に天然痘が蔓延し人々が苦しめられ大混乱に陥った。疫病を食い止めようと立ち向かって行った施薬院で治療や看護に尽力を尽くしたどの人にも深く感動しました。疫病にかこつけて金儲けを企む、根拠のない悪い噂を流す輩といつの世にも不届き者が存在した。時代が変わっても人間がパニック時に陥った時にそこから抜け出すために必死になる姿や心の裡が見事に表現されていた。コロナ禍を経験した今、色々と考えさせられともても感慨深い作品でした。お勧めです。
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檸檬の木
富士ノ御山の山焼けにより、日々の思い出と共に郷里を失った避難民が駆け込んだ郷を泥流が丸ごと飲み込んだ。恐ろしい災厄を前にすれば祈りも地位も何の意味もなさぬ。トップの人間から遊女まで極限状態に陥った時の人間ドラマ、主人公である国司となった主に従い都を離れ駿河に就いた賎民である鷹取の心の動きが巧く表現されていた。 恐怖、怒り、哀しみが蠢くも、それでもなお、日々は続く、人はどんな目に遭おうとも、ただ生き続けるしかない。平安時代の軍馬を養う官牧の様子や坂上田村麻呂の蝦夷征伐の史実を絡ませた力作だった。
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檸檬の木
製造した製品が欠陥商品であった事から死亡事故に繋がってしまい脅迫され身の危険を感じ閉じこもっていた社長を自殺に追い詰めたであろう7人が意図的に密室の廃墟に閉じ込められ命の危険に晒される。脱出できるのは犯人であると名乗り出た人物ただ一人。各自が自分の罪を暴露する、周りは全て敵である。唯一の生き残りを争うデスゲームが始まった。ゲームマスターの正体と真相が明かされた。「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」ドンピシャのタイトルの一つ上を行くのは最後の一行の言葉「劇は終わっても、幕は永遠に下りることはない」だろう。
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檸檬の木
京都を舞台に 万城目ワールド全開の摩訶不思議な世界の二作品。二十年前の大学生たったエッセイストが洛中女子寮で十日間ほど部屋をともにした奇妙な同居人の正体は!? 現代風に本能寺の変の謎に迫る表題作。歴史上の人物がコミカルにトクさん、トーキチロー、明智さん、と改名され思考を凝らし面白おかしく仕上がっていたが、何処か伊坂幸太郎の作風を感じました。現代と戦国時代のパラレルワールドでこんなゲームがあったら面白いと思った。場所が京都だから万城目学の筆にかかれば何でも起きてしまうそんな作品だった。
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檸檬の木
東京モノレール羽田空港線、浜松町から空港まで11駅で営業距離は17・8Km。裏方で働く四人の社員が織りなす日常とお仕事プラス、ジーンと温かくちょっぴりほろ苦い人情ドラマ。外国人客に自動翻訳機を駆使し悪戦苦闘で対応する25歳の駅職員の話がよかった。以前は品川から京急に乗っていたが、近々は専らモノレールを利用しており読んでいて楽しかった。柵がなくそんなに高くない高架で天王洲アイル駅までは建物が近くスリルを味わえ、柵のない鉄橋からは視界を遮るものがなく窓からほぼ真下が見える。なるほど、魅力満載の乗り物だ。
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檸檬の木
経済関連の本を百数十冊も書いてきた森永さんが自身のがん闘病日記を通して初めて語るエッセイ本の様な仕上がりで森永さんの人となりや人生観に魅力を感じました。余命宣告から治療法の選択、がんとお金、死生観、闘病生活。結婚して41年、仕事三昧で殆どなかった妻と過ごした時間、家族との関係が変化していった。人生やり残した事が殆どなく、いつ死んでも悔いのないように生きてきて今もそうして生きている。そう言い切れる森永さんが本当に素敵。趣味の農業、短歌や童話創作だが、紹介されたスベリっぱなしの童話にちゃんとオチがあり笑った。
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檸檬の木
東京、大阪、上高地3つの帝国ホテルを舞台に描かれた42のショートストーリー。一つ一つは短いけれども、ホテルという非日常で繰り広げられる人間模様が角田さんの心地よい筆致で語られており、多くの人の人生が詰まった贅沢な一冊で楽しい読書タイムでした。駆け足で読み込みましたか、じっくり一話一話をもう一度読みたくなる、そんな作品でした。帝国ホテルにはバイキングで訪れた事があるが、その時に山田五十鈴さんをロビーでお見かけしました。
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檸檬の木
東北で震災に遭遇し居場所を無くし国内を転々と移動していくが、行く先々で拾われ飼われていく雑種犬の多聞。其々に複雑な事情を抱えており傷つき、悩み、惑い心休まらない日々を過ごす飼い主に寄り添い癒し見届けていった。悲しい内容が続いたが、最終章の「少年と犬」では驚かされた。五年という年月が流れ辿り着いた熊本での少年との出会いは神から遣われてきた化身の様だった。涙無しでは語れず爽やかな読後感だった。
が「ナイス!」と言っています。
檸檬の木
【第171回芥川賞 受賞作品】双子の姉妹の父親は双子の兄の体内に宿って生まれた。驚くべきは姉妹は側から見れば一人に見える結合双生児である。意識自体は繋がっていなくても、一つの体で思考も感情も感覚も共有し、それらが意識と意識の間に介在していたが認知症になった祖母の死を契機に変化していく二人のからだ。博物館で見たシロとクロのサンショウウオがお互いの陣地に攻めいりつつ一つの円を成している「相補相克」の関係を自分たちに当て嵌めて考えていた場面が印象的だった。医師である著者が医学のタブーに迫った作品だった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/07/07(873日経過)
記録初日
2022/01/03(1058日経過)
読んだ本
678冊(1日平均0.64冊)
読んだページ
218363ページ(1日平均206ページ)
感想・レビュー
658件(投稿率97.1%)
本棚
0棚
自己紹介

図書館の本を読んでいます。生来、怠け者のため、まとめ読み、まとめ感想入力をする事があります。

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