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2024年10月の読書メーターまとめ

nk
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感想・レビュー
12
ナイス
289ナイス

2024年10月に読んだ本
12

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

nk
ネタバレ忘れ去られた不法地下採石場跡地に核シェルターを拵える男「もぐら」。デパート催事場で魅せられた自己完結した虫ユープケッチャ。それを売る昆虫屋とサクラの男女と方舟で暮らしていくかと思われたが侵入者たちとのサバイバル・ゲームに発展してしまう。◆なんでも流せる便器に片脚を吸い込まれ、手先の技術以外には没交渉のもぐらに見せるサクラの男女の人情に揺れました。シニカルなブラックユーモア満載でかなり笑いました。新国家を目論んだ猪突とほうき隊、ルート猪鍋が作り出す群衆も人と人がより集まって社会化することを考えさせられます。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
12

nk
お仕事小説かと思いきや、濃厚なラブロマンスを超えて、ディストピア小説として存在しながら、経済思想・哲学フィクションへ大きく傾いていく。世の中には自らの独立独行の精神によって頭脳労働や肉体労働によって富を得る人間と、それにたかる政治家などのタカリ屋、自分で考えることさえやめてしまった奴隷みたいな人たちに大きく分けられるらしい。ゴールトの道徳律は起業家こそ殉教者にならず、原罪を否定し、自らの生命を歓び肯定することを命題にしている。
nk
2024/11/05 20:23

ドナルド・トランプ政権下、アイン・ランド信者たちが閣僚を固め非難されたらしい。本当は『保守の女神』と言われても『トランプの愛読書』と呼ばれていて購入したはいいもの、すごく読みたくなかった…。でも、2010年代後期のトランプ政権やドナルド・トランプとどういう風にイコールの符号が付かない内容で面白い作品だった。保守党とか民主党贔屓という政治家の話しというより、シリコンバレーの起業家たちが好みそうな話題ではないのだろうか?資本主義を絶対的な存在という価値観らしいし。

nk
2024/11/05 20:27

アイン・ランドの末裔はリバタリアンですよね。トランプってキリスト教系の右派じゃないんですか。キリスト教系原理主義者寄りな。

が「ナイス!」と言っています。
nk
倒錯した性と拗らせた愛が錯綜する短篇小説集。NYを舞台にした「クリストファー男娼窟」、著者を投影したような地方都市の元素封家生まれのキーコが両親の諍いに巻き込まれながら幻視幻聴に悩まされ大人になることに戸惑う「離人カーテンの囚人」、絵描きのマサオが妻ミミコを亡くしてからも抱く「死臭アカシア」が並ぶ。一重に気持ちの悪くなる話しばかりというのは否定できないと思う。この手の小説をよく読んできたので表題作などはマンネリを感じていたのですが、三作品パッケージとなって彼女の感覚的な繊細さのある趣きに深みがありました。
が「ナイス!」と言っています。
nk
この本がどんな話か、雲を掴むような表現しか話題になっていない気がする。アメリカでは聖書の次に読まれているというアイン・ランド。経済思想をテーマにしているというが難しく考えずともいとも平たく言ってしまえるならお仕事小説としてめっちゃ面白い。読む者を啓蒙してしまうという大胆な自由経済の礼賛も刺激的。『ドナルド・トランプの愛読書』『保守の女神』とも揶揄される珍妙な印象を持っていたがいろいろ覆った。
nk
2024/10/22 15:11

既得権益を無にされそうになったリアーデン・メタルの敷設に成功したが機会均等化法や弱きものへの富の分配で独占企業は政府や法人に介入される。資本主義と共産主義的な価値観の二項対立を通してキリスト教的な施しまで浮き彫りにする。

nk
2024/10/22 15:37

いや、具体性のある議論は盛んなほど…。この本を簡単には解き明かせないというか平易な答えが出せないんだろうな。テーマを一局から捉えられない難しさがあるんでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
nk
ネタバレ忘れ去られた不法地下採石場跡地に核シェルターを拵える男「もぐら」。デパート催事場で魅せられた自己完結した虫ユープケッチャ。それを売る昆虫屋とサクラの男女と方舟で暮らしていくかと思われたが侵入者たちとのサバイバル・ゲームに発展してしまう。◆なんでも流せる便器に片脚を吸い込まれ、手先の技術以外には没交渉のもぐらに見せるサクラの男女の人情に揺れました。シニカルなブラックユーモア満載でかなり笑いました。新国家を目論んだ猪突とほうき隊、ルート猪鍋が作り出す群衆も人と人がより集まって社会化することを考えさせられます。
が「ナイス!」と言っています。
nk
与謝野晶子氏によるあとがき。与謝野さん説だと『源氏物語』は複数人によって執筆されているとご主張されている。
tosca
2024/10/11 23:38

nkさん、お疲れさまでした。すごいです。尊敬します。こちらも長い間、レビューを楽しませていただきました!

nk
2024/10/12 10:05

toscaさん、こちらこそ読んでいただいてありがとうございます。難しい局面も度々ありましたが、少しずつ読みました。toscaさんありがとうございます!

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nk
ネタバレ薫は横川(よかわ)の僧都への尊敬を抱えつつ、浮舟の音沙汰を問いに行く。今日にでも小野の浮舟に会わせて欲しいと願うが、僧都はとりなしをするからしばらく待つように説得する。薫の愛する人だったことの分かった僧都は薫の悲しみにもいち早く反応し出家を受け入れたことを後悔する。僧都の手紙を託された浮舟の弟の小君は「還俗の勧め」を書かれたものを浮舟に渡しに行くが浮舟は受け取らなかった。逆に薫は誰かの愛人として匿われているのでは無いかと疑う。◆全巻読破。あまりにも呆気なく終わってしまったが、薫の疑心暗鬼というのもらしい。
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nk
ネタバレ入水自殺をしたものの横川の僧都に助けられ、一命を取り留める浮舟。僧都の妹尼に世話になる一方でその衰えない美貌から亡き娘婿の近衛中将に見初められ、熱心なアプローチを受けるが厭世感は募るばかり。もう誰かに翻弄されて煩悶し続け身を滅ぼしたくはないと出家を断行する。浮舟自身既に過去との断絶を強く願っていたが、母に与えた悲しみを考える。そうした中で一品の宮の病気で修法に見舞った僧都は中宮にだけ宇治で救い出した姫君(浮舟)の話を打ち明けた。こうして謎の身元の姫君に心当たりがついた中宮は宰相の君から薫に伝える。
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nk
ネタバレ浮舟が失踪。入水自殺と推定された。変な噂が立ち汚名が着せられる前にとその日の内に葬儀が行われた。しかし、それは従者と浮舟の母君の判断で事を後から聞かされた薫は憤る。早い段階から浮舟の死の噂を知った匂宮は悲しみにやつれ衰弱する。薫もまた宇治の山で浮舟を寂しくさせ、放置し、守り切れなかったことを後悔する。また季節が巡り、四十九日が済んだ後…薫は女一宮や女一宮の女房・宮の君に惹かれ出す。これまた優柔不断で覚悟の無い弱腰な態度にいち読者として冷ややかな気持ち。それでもまだまだ宇治の姫君たちにも追憶を寄せていた。
が「ナイス!」と言っています。
nk
ネタバレ未来予測を行う機械の開発者に訪れる奇妙な事件。今から65年前くらいに執筆されている。今で言うAI技術やシンギュラリティに近いことが取り上げられている。海底地震により地上は沈み住めなくなることを見据えて人工中絶した胎児を水棲人間として改良してしまうプロジェクトが密かに進められていた。開発者の夫人は何者かに欺かれ堕胎させられて巻き込まれる。◆未来は誰のものなのだろう?死にゆく私たち。『日常の連続感は、未来を見た瞬間に、死ななければならないのである。』(あとがきより)未来を現実の続きと捉えるのが大きな罪?
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nk
【サルガッソーの広い海】『ジェーン・エア』の前日譚という裏側を描く2次創作。アントワネットは西インド諸島に生まれた混血クレオール。現地で生まれたヨーロッパ系の人々はクレオールと区別され、アフリカ系奴隷を祖先に持つ黒人たちからは『白いゴキブリ』と呼ばれ反感を常に買っていた。陰惨なその土地に流れる呪いという空気。持たざる者として迫害に窮しながら、命運は巡り、家柄は良いが次男の為、財産を持たないイギリス男性に財産を渡す条件に結婚させられてしまう。人間が抱える呪いという悪意・反発は仮面をつけてもまた暴かれる。
nk
2024/10/04 19:44

何も"その土地に流れる呪い"があるのはカリブ海の島々だけではないのだけど、この小説ではこの時代この土地に蔓延した悪いムードを呪いとして語り継いでる。

が「ナイス!」と言っています。
nk
ネタバレいつぞや自邸で見かけた姫の消息に執心を燃やし幾許かの情報から薫の愛人として宇治に匿われていると知った匂宮はさっそく宇治に押しかけ浮舟と契りを交わしてしまう。恋愛に情熱的で見目麗しい匂宮に浮舟の心も惹きつけられてしまうが、真摯な愛を貫く薫との間で板挟みになる。『可憐でおおように見えながら媚態の備わったのが彼女である、宮のお相手には全く似合わしいものである…』教養が足りない浮舟の評価らしいが。浮舟を中心とした三角関係、ましてや従者まで巻き込んだ煩悶は切ない。まだ子どものように直情的な浮舟は自殺企図を企てる。
が「ナイス!」と言っています。
nk
ネタバレ1952年発表のディストピア小説。IQや学業成績などの能力値が記されたカードよって人々は分類され区別され、マネージャーやエンジニアといった人々が世の中の中枢に立つ時代。そして人々はオートメーション機械に依存し、機械を照準とした善悪で物事をはかる時代となった。天才と謳われるイリアム製作所ポール・プロテュース博士の懊悩の物語。人間の尊厳を取り戻そうとする非エリート組を中心とした『幽霊シャツ団』と現状の信奉者たちとの争いに巻き込まれていく。◆ヴォネガットの他の作品に比べたら平易かも。権威主義とか考えさせられた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/07/11(866日経過)
記録初日
2022/06/24(883日経過)
読んだ本
299冊(1日平均0.34冊)
読んだページ
84702ページ(1日平均95ページ)
感想・レビュー
291件(投稿率97.3%)
本棚
1棚
性別
自己紹介

再スタートしました。
前のアカウントは2018年1月から4年半続けました。
難しい本を前にプレッシャーダウン。
900冊程の感想を失ったショックがあります。

返信・リアクション遅いです。あまり気になさらないでいただけたらありがたいです。



読書習慣7年目:龍と春樹のダブル村上を道標にここまできました。小説を読みます。基本的にもの好きなだけです。
酔いどれ文学やジャンキーの話…ブコウスキーやケルアック、ビートニク世代には惹かれます。

◇今までの読書生活を彩る 3TOP
◆『オン・ザ・ロード スクロール版』ジャック・ケルアック
◆『都会と犬ども』マリオ・バルガス=リョサ
◆『箱男』安部公房

+α 『家守綺譚』 梨木香歩



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