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2024年10月の読書メーターまとめ

Kooya
読んだ本
8
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2300ページ
感想・レビュー
8
ナイス
100ナイス

2024年10月に読んだ本
8

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • 零

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Kooya
「分人」という新たな概念を用いて他者との人間関係を論じた本。筆者は分人を「対人関係ごとの様々な自分」と定義し、その総体によって個性が形成されるという考えのもと、議論を展開している。読み始めた当初は、中野信子氏の著書と大差ないという印象を抱いたが、本書は人間関係における悩みやその対処法を自身の経験を踏まえながら簡明に述べている点が特徴だと感じた。(コメント欄へ続く)
Kooya
2024/10/14 11:27

特に恋愛に関する章で述べられた「自分が抱く【相手向けの分人】と、相手が抱く【自分向けの分人】のサイズが同程度でなければ、恋愛関係は中々上手くいかない」という言葉は、新奇性に富んでいる訳ではないが、恋愛が思うようにいかない背景を端的に言語化していると思った。

Kooya
2024/10/14 11:27

「本当の自分を見つけましょう」という言葉は、自己啓発書等で散見されるが、私達は基本的に色々な人格を使い分けて他者と交流しており、本当の自分とは単一の要素に規定できるものではないという疑問を抱いたことはないだろうか。本書はそんな疑問に「分人」という概念を創造して人間関係に対する考え方を提示しており、人付き合いに関する息苦しさを払拭しようとしている点で良書だと思った。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
8

Kooya
主に高校の政治・経済の教科書等を用いて入門レベルの経済学を扱った本。題名とは裏腹に内容の殆どはマクロ経済学である。後に筆者が朝日新書から刊行した『経済学サク分かり』とは異なり、割と中立的な視点に立っている印象を抱いた。一方、金融緩和の説明で日銀当座預金が貸出の原資であるかのように論じている部分をはじめ不正確な記述も時々見られる。もっとも、基本的には経済理論を簡明に論じていると思った。
が「ナイス!」と言っています。
Kooya
人間シリーズの3作目。零崎一賊唯一の禁欲者にして"少女趣味"の異名を持つ零崎曲識を主軸に据えた短編がまとめられている。異名からも推察される通り、少女しか殺さない曲識の美学は、双識に匹敵する変質さを示していると感じる一方、稀代の殺人鬼集団・零崎一賊に清廉さを求めること自体が間違いなのだろうと思った。(コメント欄へ続く)
Kooya
2024/10/27 10:32

また、本作は短編集なので時系列はバラバラだが、戯言シリーズを読んだ後であったため、全体像をより立体的に把握することができた。このように点と点が結びつくような形で全体像が徐々に明らかになる様は、まさに上遠野浩平のブギーポップシリーズから着想を得たのだろうと認識した。

が「ナイス!」と言っています。
Kooya
ベンチャー・キャピタル(VC)の概論や世界で活躍するトップVCの経営層へのインタビューをまとめた本。幅広い分野に出資するものから金融やヘルスケアといった特定の分野に特化したものまで様々なVCが扱われている。スタートアップへの投資はその殆どが失敗に終わるが、市場を席巻するような巨大ビジネスを生み出す「ホームラン案件」を発見出来れば、多大なリターンを獲得できるため、多くのエリートが「Winner takes all」を実現しようと参入する様は、自然だと感じた。(コメント欄へ続く)
Kooya
2024/10/21 22:12

また、トップVCの経営層へのインタビューでは、多くの人が新たなテクノロジーの普及といった社会の発展にも自社の儲けと同じくらい目を向けており、まさに「三方よし」という言葉が体現されていると思った。

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Kooya
「考える」という行動に対する発想や論考をまとめた本。あとがきで筆者が述べているように所謂ハウツー本ではなく、構造的な視点で議論を展開している点が特徴である。受動的に知識を獲得し、答えのある問題には容易に解答を導出できるが、そうでない問題には太刀打ちできない人間を"グライダー"に喩えたことは、実に秀逸であり、筆者の感性に痺れた。また、本書には昨今のビジネス書でよく見かける言葉の原型が沢山含まれており、陳腐なビジネス書を何冊も読むぐらいならこの本を読んだ方が遥かに有益だと感じた。(コメント欄へ続く)
Kooya
2024/10/17 11:47

情報過多の現代において「考える」という行動に疲弊感を募らせた経験がある人は少ないないのではないか。本書はそのような人々に対し、表面的に「考える」を論ずるのではなく、より構造的な視点で処方箋やそのヒントを提示している点で良書である。

が「ナイス!」と言っています。
Kooya
「分人」という新たな概念を用いて他者との人間関係を論じた本。筆者は分人を「対人関係ごとの様々な自分」と定義し、その総体によって個性が形成されるという考えのもと、議論を展開している。読み始めた当初は、中野信子氏の著書と大差ないという印象を抱いたが、本書は人間関係における悩みやその対処法を自身の経験を踏まえながら簡明に述べている点が特徴だと感じた。(コメント欄へ続く)
Kooya
2024/10/14 11:27

特に恋愛に関する章で述べられた「自分が抱く【相手向けの分人】と、相手が抱く【自分向けの分人】のサイズが同程度でなければ、恋愛関係は中々上手くいかない」という言葉は、新奇性に富んでいる訳ではないが、恋愛が思うようにいかない背景を端的に言語化していると思った。

Kooya
2024/10/14 11:27

「本当の自分を見つけましょう」という言葉は、自己啓発書等で散見されるが、私達は基本的に色々な人格を使い分けて他者と交流しており、本当の自分とは単一の要素に規定できるものではないという疑問を抱いたことはないだろうか。本書はそんな疑問に「分人」という概念を創造して人間関係に対する考え方を提示しており、人付き合いに関する息苦しさを払拭しようとしている点で良書だと思った。

が「ナイス!」と言っています。
Kooya
人間シリーズの2作目。とある任務を遂行するため、超高級マンションに潜入した零崎軋識と零崎人識。容易に任務を完了させたのも束の間、彼らは突然狙撃される。狙撃手の名は萩原子荻。こうして零崎一賊と澄百合学園屈指の策師の間で戦いの火蓋が切られた──。(コメント欄へ続く)
Kooya
2024/10/12 14:54

先に『クビツリハイスクール』を読んだ身としては、零崎一賊をいとも簡単に手玉にとる子荻の様子は特段珍しいものではないと感じたし、そんな子荻を戯言で翻弄した「いーちゃん」は絶対に敵にしたくない奴だと再認識した。また、そんな子荻を精神的に疲弊させた零崎双識の変態性は、阿良々木暦を彷彿とさせた。

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Kooya
昨今、多くの企業幹部が美術に関する素養を磨く背景について解説した本。様々な哲学者や作家の著作を引用しながら議論を展開している。本書の主張を要約すると、「分析的・論理的な情報処理スキルの習得が普遍的になり、正解のコモディティ化(=差別化の消失)が生じている時代では、自分なりの【真・善・美】の感覚に照らして判断する必要がある」と示される。(コメント欄へ続く)
Kooya
2024/10/12 14:25

MBAの取得が半ば陳腐になり、論理や理性だけでは解決できない問題が増加している現代において、自分が今までに育んだ感覚に基づいて行動することが重要だというのは、一理あると思った。また、「ある事象を【言語化・再現できる】は、天才ではないことの証明でもある」というのは、実際にそれを実現することもある種の天才だと見做せるのではないかとは思ったものの、理論的には誰にでも実現できる可能性があるという点では妥当な考えだと感じた。

Kooya
2024/10/12 14:26

激しい変化によって複雑怪奇な様相を呈しつつある時代では、言語化できずとも自らが今までの人生を通じて培ってきた感覚に依拠する重要性が高まっている。本書はそんな感覚を「美意識」と定義した上で多くの企業が着目する背景を分かりやすく論じ、人々にも行動を促している点で良書である。

が「ナイス!」と言っています。
Kooya
インターネットの歴史や政策論を語った本。「日本のインターネットの父」と称された筆者が書いた本だけあって、非常に分かりやすく論じられている。インターネット広告の原点がオリンピックのWebサイトにあったという事実は、技術革新が思わぬ部分から創出され得ることの証左だと感じた。また、スタンフォード大の哲学科でみられたように、単純な統計処理を積み重ねて人や思想を見出す様は、大規模なデータと統計処理に基づいた現在のAIに繋がる発想の萌芽であり、実に画期的な出来事だと思った。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/07/18(861日経過)
記録初日
2020/03/07(1724日経過)
読んだ本
359冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
116828ページ(1日平均67ページ)
感想・レビュー
355件(投稿率98.9%)
本棚
8棚
性別
血液型
B型
職業
事務系
自己紹介

【主な関心領域】
経済政策/金融論/社会保障/公共政策/ミステリ・警察小説

以前はReadHubというアプリで読んだ本の感想を投稿してました。その時に読んだ本の感想も時々投稿します。

【好きな経済学者】
権丈善一・小野善康・井手英策・神野直彦・飯田泰之・
宇沢弘文・ヴェブレン・ガルブレイス

【好きなエコノミスト】
河野龍太郎・森田長太郎・門間一夫・唐鎌大輔

【好きな小説家】
東川篤哉・内藤了・綾辻行人・誉田哲也・上遠野浩平・西尾維新

【好きな新書レーベル】
中公新書・岩波新書・光文社新書

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