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2024年9月の読書メーターまとめ

BlurMatsuo
読んだ本
9
読んだページ
2640ページ
感想・レビュー
9
ナイス
29ナイス

2024年9月に読んだ本
9

2024年9月のお気に入られ登録
1

  • 杜のカラス

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

BlurMatsuo
西洋の言語のルーツとなっているラテン語だが、普段は馴染みがない……というイメージを覆された。日本で使われる外来語にもラテン語が関係しているということも驚きだった。ラテン語について知るにつれ、漢語や古語についてもちゃんと勉強したいと改めて思った。
が「ナイス!」と言っています。

2024年9月の感想・レビュー一覧
9

BlurMatsuo
オルタナ旧市街とは架空の文芸クラブであり、記録であり、記憶であり、空間であり、時間である。そこに書かれた文章は本当かフィクションか、そんなことはどうでもよくなるほどクスリと笑えて、時に心を揺さぶり、ハッとした気づきをもたらす。そこで読者は明日への希望を抱けるのだ。冒頭の巣鴨に出没する踊る老婆とのエピソードが強烈な「踊る幽霊」、渋谷での冷房効きすぎ問題に激しく首肯した「(not)lost in translation」、南千住のスーパーのマグロ解体ショーから哲学的思考へと繋がる「がらんどう」が印象深かった。
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BlurMatsuo
チリの国民的詩人パブロ・ネルーダと、彼に郵便物を届ける青年マリオの成長と交流を描く。俗っぽい言い回しの会話文が続いて読み易いが、軽すぎる気がしたのも束の間、ネルーダがマリオに隠喩について教える場面はかなり示唆的で一気にこの世界観に引き込まれた。ベアトリスとの恋と共に詩にのめり込む青春、結婚を経て生活に埋没するも、パリに滞在していたネルーダからの手紙で始まる新たなやり取り、チリの政変で不穏の立ち込めるクライマックスと物語の構造も変化に富んで非常にドラマチックだった。映画は舞台を伊に移しているらしいが観たい。
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BlurMatsuo
船乗りマーロウがアフリカの奥地で象牙採取人クルツについての噂を耳にし、消息不明になった彼を救出に向かう船旅について語る。冒頭はマーロウは語り手の登場人物として出てくるが、途中から最後までマーロウの語りへと移り変わる。解説を読んで知ったのだが、このチャーリー・マーロウという人物はコンラッドの作品に度々登場するらしい。そして、その経歴は作者自身を反映したものだ。自身を他者とすることで訳者の中野好夫が述べる通り、ヘンリー・ジェイムズとともにモダニズム小説における「意識の流れ」の先駆的作品となったのだろう。
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BlurMatsuo
詩というものを、どこか高尚で難解なものとして遠ざけていたきらいがある。確かに、今作でも多くの引用と隠喩が用いられ、読者にも相応の見識が求められる。難解と言われることにも頷ける。それでも、詩情という言葉があるように、たった一行の言葉の列が胸に迫ることがある。特に、ロンドンに滞在したことのあるわたしにとっては「荒地」における〈非現実の都市〉“Unreal city”として描かれるエリオットの見たロンドンの街に言いしれぬ感慨を覚えた。しかし、エリオットが銀行員だったということには驚いた。
BlurMatsuo
別れた元妻イヴォンヌがメキシコの英領事ジェフリーの住むクワウナワクに戻って来た死者の日の一日を描く。夫婦生活を取り戻そうとするイヴォンヌ、アル中のジェフリーは酒を断とうとするが飲むことをやめられない。ジェフリーと一緒に住んでいた世界を旅する記者である弟のヒューイは、イヴォンヌへの思いがありながらも二人が戻ることを望んでいる。章ごとに視点人物が変わる上に、ジェフリーの酩酊した意識の流れは本当に酒を飲みながら書いたのかと思うくらいにヘベレケで読みにくいかもしれない。だが、これがクセになる面白さ。白昼夢文学。
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BlurMatsuo
上巻がファンタジーならば、こちらはクライム、ノワールといったところだろう。オデュッセウスの帰還と求婚者たちへの復讐劇がクライマックスになっている。次から次へと出鱈目を語るオデュッセウスには感心しきりである。個人的に笑えたのは、第十八歌の土着の乞食イロスと乞食に変装したオデュッセウスがガチの喧嘩を始めるところだった。こういうユーモアがあるというのも物語として大事な要素だろう。しかし、なんと言っても血塗られた第二十二歌は読み応え抜群で、求婚者たちの死体を女たちに運ばせて彼女たちも一緒に葬るエグさも凄まじい。
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BlurMatsuo
古典というと、豊富な知識や読書経験が必要になるというイメージがあってどうしても敷居の高さを感じて手が伸びなかった。それでも世界中で読まれてきた物語であり、大まかな内容は聞き及んでいた。実際に読んでみると、これが滅法面白い。いわゆるページターナーというやつだ。古典を捕まえていうことではないが、様々な作品が今作を基に創作されたという事実にも頷ける。前半こそ、テレマコスが中心に語られるが、タイトル通り、オデュッセウスの冒険譚で話は進んでいく。巨人、妖精、魔術とファンタジーとして知る世界観はここから来たと知った。
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BlurMatsuo
ベイコンというと、ドゥルーズ『感覚の論理学』において論じられたアーティストで、本書が単行本で刊行された時のタイトルもそこで論じられた「肉への慈悲」という言葉が冠せられていた。小林等による文庫版訳者あとがきを読むと、自分はどうもとんでもない勘違いをしていたらしい。ベイコンは自身の作品についてしっかりと論じられる言葉を有していたことが分かる。2013年に国立近代美術館で観た彼の作品群から受けた不気味な印象も、それに気味悪さを感じながらどこか惹きつけられる魅力も彼が現実そのものを描き切ろうとしたからだと分かる。
が「ナイス!」と言っています。
BlurMatsuo
西洋の言語のルーツとなっているラテン語だが、普段は馴染みがない……というイメージを覆された。日本で使われる外来語にもラテン語が関係しているということも驚きだった。ラテン語について知るにつれ、漢語や古語についてもちゃんと勉強したいと改めて思った。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/01/08(652日経過)
記録初日
2023/01/08(652日経過)
読んだ本
98冊(1日平均0.15冊)
読んだページ
30242ページ(1日平均46ページ)
感想・レビュー
97件(投稿率99.0%)
本棚
7棚
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