本編と著者のあとがきを読んだ後はちょっとしんどかったので時間を開けて評論と訳者あとがきを読んだ。82年生の韓国人女性が生きていく上で体験する（した）であろう女性蔑視や女性差別が淡々と描かれており、その多くが統計データのあるもので女性として生きることの困難が明確に可視化される。一番ショックだったのは女児の堕胎を国が勧めていたこと。流石にそれは日本ではないことだけど、就職活動での男女差や些細な日常で触れる女性蔑視は残念ながら「わかる」ものだった。いつかキム・ジヨンが自分自身の声で自分の体験を語れるといいな。

本編と著者のあとがきを読んだ後はちょっとしんどかったので時間を開けて評論と訳者あとがきを読んだ。82年生の韓国人女性が生きていく上で体験する（した）であろう女性蔑視や女性差別が淡々と描かれており、その多くが統計データのあるもので女性として生きることの困難が明確に可視化される。一番ショックだったのは女児の堕胎を国が勧めていたこと。流石にそれは日本ではないことだけど、就職活動での男女差や些細な日常で触れる女性蔑視は残念ながら「わかる」ものだった。いつかキム・ジヨンが自分自身の声で自分の体験を語れるといいな。

様々な作品に出てくるおばさんを丁寧にピックアップし「おばさん」を再定義する本。本来なら少女でも若者でも老婆でもない年齢の女性を指す言葉だが蔑みや自虐のニュアンスで使われる「奪われた呼称」おばさんを取り戻すための考察は今まで読んだことがなく新鮮だった。自分も30代になり年齢を持て余しているので今後歳を重ねるうえでどうなりたいかという像を見つけるのは良さそうだと思った。この本は魅力的な、風変わりな、または頼もしいおばさんが登場する作品を紹介するブックガイドとしても優秀で、多くの読みたい本が見つかった。おすすめ