すごい話題になっていたよなーと思って手に取った。なんだかんだで刊行から3年経っていた。個人的に『トマトジュースとバタフライピー』が好き。

はじめは、まるで専門書を読んでいるような感覚だった。読み進めると、硬派な文体ながら、スーッと情景が浮かぶ。ゲーテ学者が出会った、ゲーテのものと思われる言葉の出典はなにか。本当にゲーテの言葉なのか。現実でもこういうことってあるのかしら、と考えてしまう。

寝る前に一話ずつ読むのが最近のたのしみだった、こちらの本。結城真一郎作品読んでみたかったので読めてうれしい。読んだあとに表示イラストを見ると、物語に登場するあれやこれやがつめこまれてるのがわかる。

学生時代から就職、小説家になるまでをふりかえったエッセイ。万城目学を知ったのは鴨川ホルモーで、その後もドラマ化映画化と、ヒット作を連発していただけに、小説家になるまでに苦労していたとは想像できなかった。しかし、読んでいて気楽になれる話ばかり。おもしろかった。

小説を書けなくなった主人公。叔母の喫茶店の店長をつとめながら、超高齢読書会サークル「坂の途中で本を読む会」のお世話を。おじいちゃんおばあちゃんたちの趣味とはいえども、順番に音読して、その読みっぷりの批評もするという、意外ときちんとしている。が、だんだんお菓子に夢中になったり、ゆるい部分も。主人公の読書会との向き合い方の変化もほほえましい。

北朝鮮に出勤する韓国人。バスに乗って通勤するらしい。そんなこと可能なんだ…（もちろん検閲はあるらしい）。29歳なのに、なめられるからって42歳だと紹介されてしまう著者と、それにざわつく北の職員たちの様子がおもしろかった。一緒にキンパつくって味見するシーンも好き。

未収録作品集とあるが綾辻行人作品はどれもおもしろい…！その作品の世界にずっぽりとはまってしまうー。

会話のテンポのよさは住野よるさんならでは。告白させてフる作戦なんて聞いたことがないよ…！登場人物たちの名前がきれい。

俳句初心者とはいえ文学に造詣の深い又吉さんは、つくるのもうまいし人の俳句を読み解くのもうまい。私は句を見ていまいちピンと来ないと思考停止しがちなんだけど、みんなこういうふうに感じ取るんだなーと参考になった。感受性を豊かにしたいのと、自然をよく観察する目を養いたい。

すごい話題になっていたよなーと思って手に取った。なんだかんだで刊行から3年経っていた。個人的に『トマトジュースとバタフライピー』が好き。

ノンフィクションを読んでいるような心地にさせられた。グラフィティやボムなどの用語や、その界隈の世界観がどういうものなのか、ライター目線で書かれた第一部を読んだあとに、当事者たちの目線で展開される第二部という構成もよかった。非日常と日常のメリハリもおもしろい。

動物がテーマの話を読むのは久々かも。わたしは動物を飼った経験がない。こどもの頃に飼っていた動物が、その後の人生においても大きな存在となることにうらやましさを覚える。まどかにとっての虎は家族以上の大きな存在だ。しかし動物を飼うという現実的な問題が容赦なくふりかかる。