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2024年11月の読書メーターまとめ

雀
読んだ本
8
読んだページ
2316ページ
感想・レビュー
8
ナイス
5ナイス

2024年11月に読んだ本
8

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

雀
もし一之輔さんが落語家でない芸人なら「(結果的には売れ続ける)腐り芸人」の枠に入る気が私はします。というのは、客席に向かい手を替え品を替え仕掛けるうちの、どれくらい意図が伝わったかを思って、常に小さく失望している印象を受けるからです。落語協会所属として軸足を置きつつ演じ方を調整するスタイルを保てるのは、天性の瞬発力及び感性の豊かさがあるゆえでしょう。ただ、本書では挫折・葛藤がない人と記述されていますが、確かにキャリアは順調ですけど、客に限らず他人全般に対し言いたいことを内に秘めているように私は想像します。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
8

雀
私にとっては、本書に掲載されているようなタイプの絵柄を目にすることが、覚えるために繰り返し読むことのインセンティブになりますし、かなり細かい文字が占めている箇所に対して、丁寧に解説するためには必要と感じられます。また、著者が語句を説明するにあたり、平易な言い回しに変換できないと判断した場合でも、言葉を尽くすよう努めているのが伝わってきます。つまり本書は、図・イラストが豊富ですが、やはり活字を読むことに慣れた人が読者として想定されているように思います。それでも、この情報量を真摯さの現れと、私は受け止めます。
雀
著者が『飛んでイスタンブール』の歌詞について考察する流れで、映画『ロスト・イン・トランスレーション』を想起したため、著者の意図と違うところで私は笑ってしまいました。この映画には、主役が日本で実際に存在したバラエティ番組に出演するシーンがあります。お笑いが好きな私の目には「深夜23時15分から放送されているテレビ朝日の番組に出るハリウッドスター」に映りました。2020年代に置き換えると、例えば『激レアさんを連れてきた。』のゲストのようなものです。そこから画面が切り替わり、シリアスな顔してたら、笑いますよね。
雀
著者は本書の目的について、人間原理とは実際どんな考え方かを明らかにすること、なぜそのような考え方が生まれたかを宇宙観の変遷を背景に描くこと、そして人間原理から何が出てきたか、その教訓は何であるかを考えてみることであると「まえがき」で記しています。そこから私は一気に「あとがき」まで引き込まれるように読みました。自分の理解が追い付かない箇所に至っても次に進みたくなる心地よさを文章から感じられます。「知ることの断念」「ファイン・チューニング」「コインシデンス」といった表現に語感のよさがあるのも魅力に思いました。
雀
本書において、星野さんは「勉強すること」からアプローチを試みるのに対し、いとうさんは「センスを見せること」で対処しようとしていると私には感じられます。その上で両者ともユーモアを肯定的にとらえ、日本には風刺が足りないね、例えばモンティ・パイソンのように、と話す流れ、他にも聞き覚えがあり、何だか私が恥ずかしくなってきました。大喜利にするのでなく、緻密に調べて語ることが現在は求められているのではないでしょうか。私自身、まめに調査するより自分なりの切り口を示すほうが楽ですが、世界は地道な活動に支えられているので。
雀
オズワルド伊藤さんが過去に組んでいたコンビ「バッカス」について、結成・解散ともに決めたのは自分である、だから元相方の人生を変えてしまったことに責任を感じると純粋に漏らす描写は美しいのですけど、この点に私は特殊性を感じます。伝統芸能の家で親が子供を業界に入れた状況ならともかく、誘われた側に断る自由が普通にあるだろう、誘った側が負い目を感じなくてよいのではと思ってしまうからです。これは私の好みですけど、相方は芸能における共同作業者と割り切って構わないと思います。で、現行のオズワルドは、いいバランスに見えます。
雀
「パラダイム」の用語を定義したトマス・クーン自身は、科学哲学者から曖昧さを突かれたため使用を撤回している、それを著者は承知の上で「パラダイム」の定義を気にせず使用し執筆したのが本書とのことで、大元から開き直っていますし細部も大胆でありながら、提示されている複数の視点が読者を刺激するために、長く読まれているのでしょう。私が特に驚かされたのは、創造的学問を醸成する学問的水準とは議論する相手が一人以上身近にいることであり、文献が豊富にあることではない、学問の緊張感は対話・討論の中に生まれると断言された箇所です。
雀
もし一之輔さんが落語家でない芸人なら「(結果的には売れ続ける)腐り芸人」の枠に入る気が私はします。というのは、客席に向かい手を替え品を替え仕掛けるうちの、どれくらい意図が伝わったかを思って、常に小さく失望している印象を受けるからです。落語協会所属として軸足を置きつつ演じ方を調整するスタイルを保てるのは、天性の瞬発力及び感性の豊かさがあるゆえでしょう。ただ、本書では挫折・葛藤がない人と記述されていますが、確かにキャリアは順調ですけど、客に限らず他人全般に対し言いたいことを内に秘めているように私は想像します。
が「ナイス!」と言っています。
雀
エンターテイメントの世界で追い込まれる環境に自ら身を置くことの功罪について考えさせられるインタビュー本です。魅力を発揮するには自分を追い込むのが手っ取り早いので、もし叶うなら、自分がコントロールできる範囲の外圧で自分を追い込んでくれないかと、ショービジネスに携わる多くの人が無意識に願っているようだと私は解釈しました。「居るだけで愛される表現者」に至れるかは才能なので、最初から目指すものではないですね。個人的には、普段からインプット・反復練習を欠かさない人に対して、ただ素質に頼るだけの人より好感を持ちます。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/07/30(512日経過)
記録初日
2015/07/20(3444日経過)
読んだ本
196冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
59392ページ(1日平均17ページ)
感想・レビュー
66件(投稿率33.7%)
本棚
0棚
性別
年齢
45歳
自己紹介

2023年7月から読書メーターに登録しています。他のSNSはやっていません。2023年7月以前で登録している本は電子書籍のみです。同じアカウント名でブクログもやっています。
お笑い、教育番組、教養番組が好きです。
漫画も好きなんですが、最近は読めていません。
週1回以上のジム通い、街歩きで体力作りを心がけています。

<よく聴くラジオ番組(2024年11月現在)>
・こねくと(月~木)
・佐久間宣行のオールナイトニッポン0
・オードリーのオールナイトニッポン
・東野幸治のホンモノラジオ
・有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER

ラジコプレミアムのダブルプラン(タイムフリー30を含むプラン)に登録しているので、1か月間は過去の放送を聴けるようになりました。ありがたいです。

<私のSpotifyまとめ2024>
・2024年の再生時間 41,047分(世界中のリスナーの上位7%)
・2024年の再生曲数 1,409曲
・聴いたアーティスト 504組(上位5組:米津玄師、Creepy Nuts、アイナ・ジ・エンド、星野源、ヨルシカ)

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