ネタバレ退屈な小説だった。小学生の視点から語られる日常はわりあいリアルに作られていると思うのだが、結局年をとってから小学生の日常を見てもつまらないよねという感情に落ち着いてしまう。かといってはやみねかおるが描くような少年期にしか許されない冒険もここにはなく、お姉さんを巡る不思議な物語も落ち着く先はぬるい結論でしかない。

ネタバレ小市民シリーズ最終作。最終作に相応しい、シリーズ総決算となる傑作青春小説で、深く胸を打たれた。通過儀礼としての青春を、二つの事件の絡め合い(しかこの事件そのものが本格ミステリとして極めてよくできている)を通してこれほど鮮やかに描いてみせるのは米澤穂信にしかできない匠の技だ。解説もとても良かった。ありがとう。

ネタバレカジノに入ってからは圧巻。能力と頭脳とを活用したバトルがただ楽しい。ブラックジャックに向けたラストの盛り上がりが素晴らしかったので期待。

ネタバレ結局理解しし会えないし、理解できると思うこと自体が傲慢かもしれない。

ネタバレ最高。とっ散らかった謎が異形の論理と逆説のもとに再解釈されていく光景は、本格ミステリを読む喜びに満ちている。その喜びの根底を支えるのは物語作家としての夕木春央の技量の高さであり、『十戒』や『方舟』では確認できなかった作者のそのような一面を知れたことが最大の収穫だった。

ネタバレ退屈な小説だった。小学生の視点から語られる日常はわりあいリアルに作られていると思うのだが、結局年をとってから小学生の日常を見てもつまらないよねという感情に落ち着いてしまう。かといってはやみねかおるが描くような少年期にしか許されない冒険もここにはなく、お姉さんを巡る不思議な物語も落ち着く先はぬるい結論でしかない。

ネタバレ歪な共依存を描いた暗黒ラブコメ、なのだがヤンデレなまーちゃんのキャラクターも、嘘を吐くことで精神の平衡を保つみーくんの語りも、とにかくキツイというか読んでいて辛かった。菅原道真というふざけた名前が伏線になっているところとか、面白かったところもあったけど、全体としていうと良くも悪くも不快指数の高い小説だったなという印象。

ネタバレヤクザへと転落した半グレが、文学をきっかけに再生する前半部分もよかったが、都市博を舞台に本格的な政治サスペンスが展開される後半部分の面白さはピカイチ。2024年の現実までを射程にいれた政治小説で、憲法改正と広告代理店や中抜き問題など、ディテールの作りがしっかりしており、虚実ないまぜに国家イベントの闇をえぐり出す筆に舌を巻く他なかった。

ネタバレ思考実験をそのまま小説にしたもの。少女たちが特定の状況下でいかなる行動をとるかを幾度となく試行してみるもので、ときにひらかれる人類史をなぞった壮大な描写がツボだった。特に人肉食の場面がよかった。