本書はkindle unlimitedにて読んだ。自分の生きた40数年間の間に、情報技術や経済状態が大きく変化し、どのような書籍にどれだけ投資すればよいか判断が難しい。購入できないわけではないが、過去の環境が書籍に投資できる余剰資金をそれほどもたなかったこと、また過去の経験がお金を出せばよい情報が得られるわけでもなかったことから、投資判断を難しくさせる。情報化社会といわれるが情報の価値づけに経済的にそれほど参加できない。
と思ったが、過去の節約の経験から、現時点でお金と商品価値をゼロにすることには理不尽感があるので(自分的な妥協的な宗教的感覚、経済的には半分捨て身作戦で)、結局電子書籍を購入してしまった。しかしそれは、お金を出すことによって支配者層に近づきたいという意味ではなく、現実の理不尽感に対するうさばらし(自滅、神様への賽投げ)的なものであるという整理。
本書では、日本が伝統宗教を保持しつつ急速な近代化を遂げた例として挙げられている(p.182)。しかし自分だけかもしれないが、社会(や科学)について知る必要を感じるものの、程度が分からず知りすぎると打算的(もしくは分不相応の贅沢)となり、アニメ「日本昔ばなし」の神様感とずれてくるジレンマ(宗教的、実存的ジレンマ?)がある。そのとき無力な自分が自然と向かうのは、文学的意味での神様やコミュニティへの対峙(最後に残るものとしての固執)、社会・科学への打算なき(或いは自分が許容できる程度の)素朴な接近だと感じる。
非対称情報の経済学をつくったスティグリッツが、USスティールのある工業都市インディアナ州ゲーリーで生まれ育ったこと、日本人経済学者の宇沢弘文の指導を受けていることは興味深い。(経済学は勉強したことがなく、また米国も行ったことがなく、わからないことだらけだが。)
本書の内容は、身近な市場の性質を類推したり、自身の欲求をコントロールするためにとても有用な理論だと感じる。経済学が理想化しているように、欲求充足を最大化するために生きているわけではないと思うが、平穏に生きる上で非効率な不満・不安の原因となる情報不足(不適切な現実認識)は少ないほうが望ましい。難しい理論をわかりやすく解説してくださった著者に感謝する。
今までは本や教科書を天下り的に理解しようとしてきてきて、あまり頭に入らないというか、何を言っているのかピンと来なかった。歴史の解釈と叙述は大きな自由度がある(それだけ難しい!?)のかと驚いた。この本にはそのことがはっきり書かれているのがよいと思う。最近の高校生がうらやましい。
自分は現在働き過ぎではないが、読みたい本や、やりたいことがたくさんあるループに入ってしまってしまっている。自分の生活や欲求を社会的に冷静に捉えられるようになりたい。
娯楽と知識のアップデートのために日々本を読んでいます。基本的にリアル書店、古書店が好きなのでお世話になっていますが、費用と時間と収納スペースの制約があるので図書館、電子書籍も利用します。
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よく読むジャンル:
【哲学、仏教、宗教、心理学】
効率的な情報整理の参考にするために読んでいます。
【数学、物理、コンピュータ】
高校以降の数学、物理は難しくてきちんと理解できていないので、基礎から学びなおす予定です。
またChagGPTで話題の自然言語処理に興味あり。
【経済、社会学、歴史、政治】
職を転々としているので、自分を客観的に捉える目的で読みます。
【小説】
純文は夏目漱石、芥川龍之介、太宰治くらいしか読んできませんでしたが、文学に興味があり今後幅を広げたいです。
【マンガ、ラノベ】
子供時代から息抜きのために沢山のマンガやラノベを読んできました。いまでもたまに昔読んだマンガを読み返します。また数は多くはありませんが最近の作品で、時代の変化や表現の進化を感じたりもします。
今後は活字の割合を増やしていきたいですが、マンガはマンガで芸術作品としてとらえたいです。
【ジュニア向けの本】
自分の過去を振り返って、読書を通じた心理的成長に興味を持っており、いまでもジュニア向けの本を読みます。
大人(40代)ですが、大人向けの本は難しいことが多く、飛ばし読みが多いです。難しかった本の感想は、えいやで適当に書いています。少しずつ難しい本も読めるようになりたいです。
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