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2024年5月の読書メーターまとめ

麺
読んだ本
16
読んだページ
4573ページ
感想・レビュー
15
ナイス
218ナイス

2024年5月に読んだ本
16

2024年5月のお気に入られ登録
2

  • 野口み里
  • きさき

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

麺
続編と聞いて、あの物語に付け足すことってあるんだろうか?と、そこまで期待せずに読み始めたのだけど、これは確かに続編というかこれも合わせて完結する作品だと感じられた。 前作に続いてこの続編まで本屋大賞候補になったのも納得だ。 凪良さんの作品は、あからさまな悪役があまり登場しないのが好きだ。 自らの信念を真摯に貫くことで軋轢やすれ違いが生じるとしても、それは「仕方ない」ことだとある種の諦観がある。 とは言えそこに一切の迷いが無い訳でもなくて、そうした心の揺らぎがリアルで物語に深みを与えていると、改めて思った。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
15

麺
これまで読んだ村田沙耶香さん作品の中では最初期のもの。 なるほど、その後の作品達の源泉のような内容だと感じた。 主人公達がわりと分かりやすく強迫神経症的に病んでいて、その精神世界を「他者が理解出来る訳がない」と表現しようとしているように感じられ、救いと呼べるものは無さそうだ。 しかしそれだけにその後の私の読んだ作品に比べても、圧倒的に生々しい迫力があった。
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麺
山本文緒さん初読。 短編集だけど、どの話もカラーや角度が違って飽きさせない。 どれもありそうな話でありつつ無さそうでもあり、そのリアル感が絶妙に感じられた。 これが遺作になってしまったと聞くけれど、他の作品もこれから追いかけてみたい。
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麺
ネタバレ読んでいると、もうすっかり忘れていた古傷に縫い合わせられた糸を少しずつ引っ張られるような、これ以上読み進めたいような怖いような気持ちになった。 他人の価値観の中で生きるのを選んでしまえば、そこに自分は存在できず、いくら人を観察してもその目さえ他人の目になってしまう。 終盤に向けて、好きだろうが嫌いだろうが自分はどうしようもなく自分なのだと自覚し、そのまま恐れず相手に触れることこそが偽りない自分の輪郭を作っていくという、その感覚が鮮やかに描かれ、息を呑んだ。 そう、自分もそうだったと抉られながら思い出せた。
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麺
ネタバレどこにでもありそうな平和でオープン的な家庭が、内実はいびつな嘘で塗り固められていた。というお話。 でもこの母親が理想としたように、家庭なんてのは基本的に幻想の産物だと思うので、そんなことが多少あっても珍しくないかもと思った。 家庭教師がこの一家のあまりに演劇的で学芸会のような振る舞いに寒気や吐き気を催す、というのは逆に過剰な反応にも思えたが、そこは彼女が家庭を知らない生育環境だったからなのだろう。 母と祖母の関係性が良くなっていけば、家族関係も変化して、そうなるとあのどうしようもない父は見捨てられそうだ。
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麺
「ぼくは勉強ができない」に続いて読んだ。 こうした話は少女の一人称で語られる方がしっくり来る感じがして、うっとり読めた。 大人という言葉はなかなか複雑で、単に成人すれば大人だとも言えるし、精神的な成熟を指すこともあるが、登場する少女達は主に精神面で大人に進化することを夢見ている。 「大人とは」という美意識や哲学は人それぞれ多様なはずだけど、どこか限定的・排他的で、なにやら「信仰」に近いように感じた。 要は自分の中に確かな信念や美意識があって、それと誠実に向き合って生きてる人を、人は大人だと憧れるのだ。
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麺
どの話も深く印象に残った。 子との日常や対話について書かれた話ではあるが、大人達も死ぬまで付き合うだろう難しいテーマが随所で語られ、むしろそれに対する子の言葉に、大人である私達がハッとさせられる。 筆者の「多様性はうんざりするほど大変だしめんどくさいけど、無知を減らすからいいこと」といった考え方が芯にあるからこそ、子も本気で素直に自分の考えをもつことが出来るのだろう。 英国独特の政治や社会情勢もテーマではあるが、同じような事象は自分の生活周辺にも確かに存在しており、他人事ではなかった。
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麺
山田詠美さんの名は昔から知っていたけど、なんとなく自分には刺さらない予感がして読んでいなかった。 そして今、なんとなく初めて読んでみたのだが、気持ちよく刺さってくるいい小説だった。 とは言え、高校生の自分が読んだとしても、途中で読むのを止めてしまったかも知れない。 予感は半分当たっていたのだ。 今の自分には刺さるけど、当時の自分はきっと抉られたか放棄しただろう。 それこそがまあ大人になったということなので、喜んで著者の他作品もどんどん読み始めたいと思う。 読んでよかった。
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麺
一気に読み終えたが、もっと色んなエピソードを読み続けたいと思わされる本だった。 どうも最近読む女流作家さん達の小説ではおっさん達がいかにも悪役然として書かれることが多いし、読者もそれを求めているんだろうと思うと、おっさんの私としては正直げんなりしてしまう。 この本に出てくる英国のリアルなおっさん達は、常識やモラルで量れば悪者とされてしまうこともありそうな人達だけど、著者はそれを美化するのでも否定するのでもなく、そういうものだとして書いている。 そしてそこに一匙の愛情が混ざっていることに共感させられるのだ。
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麺
ネタバレエンターテイメントとして楽しく読んだ。 ミステリーはあまり多く読んでないけれど、この書き方はこの人を犯人だとミスリードさせようとしているなとか、今の描写は後々の伏線になるんだろうとか、物語というより書き方のウラを読むのを楽しんだ気がする。 でも色々な要素が盛り込まれ過ぎてか若干消化不良な印象があったのと、最後の最後に「続編に続く」的なエピソードが入るのは流行りっぽいけどなんだか興ざめするので、個人的には好かないなあ。
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麺
村田沙耶香さんの小説にすっかりハマっているが、こうした短編が特に素晴らしいなと思う。 長くても50ページぐらいなのに、少し読み進めただけですっかりその世界に引きずりこまれてしまう。 かと思えばその只中に作者の独白が一編入ってきて、これももしかして短編小説なんだろうか?となんだか現実と空想が入り乱れて、良かった。 思えば割と最近の作品ばかり読んでいるので、もっと初期の作品も読んでみようと思った。  怖い物読みたさである。
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麺
続編と聞いて、あの物語に付け足すことってあるんだろうか?と、そこまで期待せずに読み始めたのだけど、これは確かに続編というかこれも合わせて完結する作品だと感じられた。 前作に続いてこの続編まで本屋大賞候補になったのも納得だ。 凪良さんの作品は、あからさまな悪役があまり登場しないのが好きだ。 自らの信念を真摯に貫くことで軋轢やすれ違いが生じるとしても、それは「仕方ない」ことだとある種の諦観がある。 とは言えそこに一切の迷いが無い訳でもなくて、そうした心の揺らぎがリアルで物語に深みを与えていると、改めて思った。
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麺
ネタバレ巨大な権力とそれに反発する若者達、と言うとありふれた構図だが、ナチス政権下というかなり特殊な状況にありながら、それに命がけで反発するとなると考えさせられることは多い。 特に政治的思想や明確な理念がある訳ではなく「自分に正直に、自由に生きるべき」と個人主義的思想で集まり行動している様は、どの時代にもいる不良グループのようだが、それを全うする為に命まで懸けなければならなかったのは悲劇的だ。 彼らは巨悪に立ち向かう英雄になりたかった訳ではなく、自分に正直に生きる以外に生きる意味や価値を見出せなかったのだ。
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麺
パンデミック下だったり、それを引きずっている世の中でのお話がテーマになっているからか、全体的に重めの短編集だったが、一穂さん特有の飄々とした明るさもあって暗い気持ちにならずに読んだ。 短編ながらどれも話の密度が濃く、印象に残る。  最後の「さざなみドライブ」では、パンデミックに翻弄された人達の悲哀が描かれながらも、ただ重暗い絶望の話にならなかったのが良かった。
が「ナイス!」と言っています。
麺
素晴らしく面白い短編集。 最初の表題作を読み進める時点で読者をかなり選ぶかもしれないが、選ばれなかった人にこそ読んで欲しいと思わされる。 かなりデフォルメされているとは言え「常識なんてものは事情によってあっけなく都合のいいほうに変容していくのだ」という著者の意図が、とても皮肉に痛快に書かれる。 それは社会レベルでも個人レベルでもあるが、通底したテーマだと感じる。 かなり短い断片的で実験的な作品も、とても印象的だ。
が「ナイス!」と言っています。
麺
半自伝的フィクション、と言うことになっているが圧倒的リアリティを感じながら読んだ。 これを読んだ私自身が最近で言うエッセンシャルワーカーとして働いてきたので、日本とイギリスで国は違えど根底にあるものは同じだと感じた。 主人公の母の、家では文句や愚痴ばかり言ってるが、仕事場では天使のようであり実際の仕事を本人も好きで、その「ケアの仕事に向いている」ことが仇になってしまったケースも、リアリティがあると思った。 それでいいのか?と一石を投じるこうした作品は、もっともっと増えて欲しいと願ってやまない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/11/04(239日経過)
記録初日
2023/09/28(276日経過)
読んだ本
134冊(1日平均0.49冊)
読んだページ
41101ページ(1日平均148ページ)
感想・レビュー
62件(投稿率46.3%)
本棚
0棚
性別
自己紹介

ずっと本好きなのだけど、いまアラフィフになって小説読みたい欲が何故だか異様に熱く高まり、節操無く読み耽ってます。
本屋で買ったり通販したり図書館で見つけたりブコフ漁ったりこれはkindleかなこれはAudibleでながら聴きがいいかもなとか、色んな方法で味わえるのが楽しいですね。
2023年11月以降ぐらいから読んだ、印象的だった本に感想をつけてます。

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