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2025年1月の読書メーターまとめ

まみあろく
読んだ本
5
読んだページ
1947ページ
感想・レビュー
5
ナイス
34ナイス

2025年1月に読んだ本
5

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

まみあろく
シェトランドの美しいが陰鬱な自然描写が繊細な人物造形に深みを与えています。海も空も鉛色で家々もまばらな辺境ですが、エネルギー開発の波が押し寄せているところは日本と同じ。スコットランド島嶼部の保守的な村落、合理主義的なイングランドの高所得者、さらにはヒッピー共同体の出身者など多様な背景をもつ人物達の価値観の違いも描写されます。にしても英国的な我慢の美徳(stiff upper lip)が至る所に感じられました。ミステリはそういう要素もあるという程度で、英国的群像心理劇ですかね。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
5

まみあろく
譲ってもらった本で初マルケスでした。海と砂漠の両方がある熱帯の田舎町の雰囲気が伝わってくる文章力は凄いと思いました。短編のプロットの切れ味も冴えていました。しかし、貧困と差別が描かれているので救いのない話が多くて読んでいてつらかったです。そのなかでは「この世で一番美しい水死人」が唯一明るい結末に思えました。南米はカトリック信仰が篤いと思っていたら、「翼の生えた老人」の扱いを読むと庶民のレベルでは全然そんなことがなさそうです。「火曜日のシエスタ」もよかった。中編はちょっと疲れます。
が「ナイス!」と言っています。
まみあろく
狩野派との闘争が生々しく描かれ、権力と芸術の結びつきを哀れに思いました。思えばラファエロ工房やミケランジェロも権力に支えられていましたね。でもそんなに豪華絢爛で大きな絵を権力者の建物に描き衆目を集めることにこだわるものなのか。それが芸術家としての高みを目指すことなのか。現代でも同じですが、権力と富と名声を競うことの空しさを感じずにはいられません。清子や久蔵ら家族の描写、七尾の祭りの描写の部分が救いでした。自分を捨てて道を究めようと突き進むのはいかにも日蓮宗のように思いました。
が「ナイス!」と言っています。
まみあろく
もらった本です。歴史物で芸術がテーマというだけで疲れます。そのうえ国宝絵画を描いた天才絵師です。スーパーヒーローは苦手なので今一でした。ただ物語が能登から始まるので地名に聞き覚えがあって、その地域の歴史を考えるきっかけになりました。絵を描く場面の描写が精神的なものを強調し過ぎているように感じられ、そうするとワンパターンに見えてくるのでどうなんだろと思いました。上巻の感想です。
が「ナイス!」と言っています。
まみあろく
シェトランドの美しいが陰鬱な自然描写が繊細な人物造形に深みを与えています。海も空も鉛色で家々もまばらな辺境ですが、エネルギー開発の波が押し寄せているところは日本と同じ。スコットランド島嶼部の保守的な村落、合理主義的なイングランドの高所得者、さらにはヒッピー共同体の出身者など多様な背景をもつ人物達の価値観の違いも描写されます。にしても英国的な我慢の美徳(stiff upper lip)が至る所に感じられました。ミステリはそういう要素もあるという程度で、英国的群像心理劇ですかね。
が「ナイス!」と言っています。
まみあろく
登場する三人の視点を結び付け、この本のモチーフとなっているのがポーランドの詩人の詩集『終わりと始まり』です。そのなかの詩「一目惚れ」の最終節からタイトルが取られています。著者のテーマは『わたしがいなかった街で』『百年と一日』から続く時間のなかの個人の生のあり方。本作では大きな出来事、災害や感染症や戦争が登場人物の過去の捉え方にどのように影響するのかが丁寧に描かれます。前景にあるのは「続き」としての個人の生きづらさやその記憶ですが、その後景として出来事が影を与えています。とても社会学的な小説なのかな。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/12/26(419日経過)
記録初日
2023/11/01(474日経過)
読んだ本
76冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
26349ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
75件(投稿率98.7%)
本棚
0棚
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