巻末の京極夏彦氏との特別対談に興味深いお話が。笑いと感動は紙一重。スイッチが近い場所にあるんでしょうね。自分の大好きな作品「秘密」も短編集に載せる段階では“笑い”のつもりで書いたらしい。それを書き上げて読んでみたら切ない話になったらしい笑。世の中上手くいくもんですね笑。

ニヤニヤさせてくれる短編集。本編にはもちろん楽しませてもらいましたが、それよりもそれぞれのお話に寄せたあとがきが大変興味深い内容でした。本編ごとに区切ってくれているが、あとがきの内容は本編の説明というよりも著者自身のキャラクターを紐解けるようなエッセイ味に溢れていました。少しでも東野センセの事を知れて感激です。

出版社関係の“あるあるブラックユーモア”ばかりで固めた短編集。やはりどこの業界にも確執や折り合いを込めないと渡っていけないもんなんですよね。著者からの目線、編集者からの目線、ヘンな人達への捌き方にニヤニヤさせて貰いました。最後の灸英社出版物一覧には笑わされました。あの作品が世に出たと言う事は…。本編の後の登場人物のやりとりが気になります。