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2024年11月の読書メーターまとめ

ゆうさこ
読んだ本
3
読んだページ
767ページ
感想・レビュー
3
ナイス
97ナイス

2024年11月に読んだ本
3

2024年11月のお気に入られ登録
1

  • 夜間飛行

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ゆうさこ
登場人物それぞれに深みがあり、互いを認め合いながら生きる様を、独特の季節感をもつ京都の地が包み込んでいる。重たいのに爽やかな話だった。「スピノザ」について無知だったので、この話の何が「スピノザ」的なのか気になった。作中、雄町が龍之介にスピノザについて語る場面はあるが、それだけではよく分からなかったので、國分功一郎『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』を読んでみた。以下、コメント欄に本作品とスピノザ哲学の関係で自分なりに感じたことを順次書いてみるので、興味のある方は読んでください。的外れだったらすみません。
ゆうさこ
2024/11/25 23:27

【第四章 真理の獲得と主体の変容】【第五章 神の存在証明と精錬の道】 デカルトは真理の基準を「明晰判明」とし、真理を万人に通用する公的なものとして位置付ける。これは、近代科学の基礎にも繋がっており、スピノザの真理感とは対照的である。しかし、スピノザはデカルト哲学の中にも、真理(神の観念)を我が物とするためには、私的である他ない精錬の過程(真理についての長い思索)が欠かせないという考えが含まれていたことに着目していた。(その視点で、デカルト論を残している。)意外と親和性があったのである。(続く)

ゆうさこ
2024/11/25 23:30

(続き)ここから想像を膨らませると、本作においてデカルト哲学は大学病院の医療、スピノザ哲学は地域病院の医療に置き換えられる。一見、対立するようだが、それはアプローチの違いである。人の命にどう向き合うかという根本のところには、答えはないのは同じで、両者ともただただ精錬を続けるしかない。だからこそ、本作のように、両者が両輪でなくてはならないと思う。

が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
3

ゆうさこ
登場人物それぞれに深みがあり、互いを認め合いながら生きる様を、独特の季節感をもつ京都の地が包み込んでいる。重たいのに爽やかな話だった。「スピノザ」について無知だったので、この話の何が「スピノザ」的なのか気になった。作中、雄町が龍之介にスピノザについて語る場面はあるが、それだけではよく分からなかったので、國分功一郎『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』を読んでみた。以下、コメント欄に本作品とスピノザ哲学の関係で自分なりに感じたことを順次書いてみるので、興味のある方は読んでください。的外れだったらすみません。
ゆうさこ
2024/11/25 23:27

【第四章 真理の獲得と主体の変容】【第五章 神の存在証明と精錬の道】 デカルトは真理の基準を「明晰判明」とし、真理を万人に通用する公的なものとして位置付ける。これは、近代科学の基礎にも繋がっており、スピノザの真理感とは対照的である。しかし、スピノザはデカルト哲学の中にも、真理(神の観念)を我が物とするためには、私的である他ない精錬の過程(真理についての長い思索)が欠かせないという考えが含まれていたことに着目していた。(その視点で、デカルト論を残している。)意外と親和性があったのである。(続く)

ゆうさこ
2024/11/25 23:30

(続き)ここから想像を膨らませると、本作においてデカルト哲学は大学病院の医療、スピノザ哲学は地域病院の医療に置き換えられる。一見、対立するようだが、それはアプローチの違いである。人の命にどう向き合うかという根本のところには、答えはないのは同じで、両者ともただただ精錬を続けるしかない。だからこそ、本作のように、両者が両輪でなくてはならないと思う。

が「ナイス!」と言っています。
ゆうさこ
「正解(セオリー)があるものに対して、大して習わなくても、感覚で合格レベルのことができる」のが「センスが良い(ある)」というのが、これまで自分が抱いていたイメージだった。だが、本書を読んで、むしろ正解がないものにこそ、センスが問われるということが見えてきた。こうしたらセンスが良くみえるだろうな、というところに置きにいっているうちは本当のセンスではなくて、他人がどう思おうとも、自分が純粋に楽しいようにとことんまでやる。そのような営みにこそ、センスが滲み出してくる。そんな感じだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
ゆうさこ
「謎」というのは、やや大袈裟で、わりと基本的な知識や有力な説が、問いに答える形で書かれている印象。ミステリー感は感じなかった。「謎」と言うなら、私が一番「謎」に思うのは、古事記に出てくる神々が、古事記が編纂される以前は、人々の中でどう存在していたのか?である。稗田阿礼が天武天皇の命で暗誦し、古事記の基になったとされる『旧辞』。これが残っていないから、正に謎でしかないのだが、もしも内容を知ることができたなら、果たして…
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/04/15(254日経過)
記録初日
2023/04/30(605日経過)
読んだ本
179冊(1日平均0.30冊)
読んだページ
57108ページ(1日平均94ページ)
感想・レビュー
70件(投稿率39.1%)
本棚
12棚
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