もちろん論文ではなくSFなので図や数式で理論を説明するわけにはいかず、物理は抽象的に説明されるけれど、どれもリアリティがあってとても楽しく読めた。 課題が一つ解決すると、どういうわけか必ず次の壁が用意されている様が研究そのもので、チャーリーの謎に挑むプロジェクトチームを応援せずにはいられない。 地球を離れ木星に圧倒されるハント博士や、5万年前を生きたチャーリーに自分の視点を重ねると壮大な宇宙を想像できる。 明確に答えが投じられ、ラストもワクワクする余韻を残して幕を閉じていて、いい読書になったと思う。

もちろん論文ではなくSFなので図や数式で理論を説明するわけにはいかず、物理は抽象的に説明されるけれど、どれもリアリティがあってとても楽しく読めた。 課題が一つ解決すると、どういうわけか必ず次の壁が用意されている様が研究そのもので、チャーリーの謎に挑むプロジェクトチームを応援せずにはいられない。 地球を離れ木星に圧倒されるハント博士や、5万年前を生きたチャーリーに自分の視点を重ねると壮大な宇宙を想像できる。 明確に答えが投じられ、ラストもワクワクする余韻を残して幕を閉じていて、いい読書になったと思う。

手元の操作を大っぴらに見せながら、バックグラウンドで3元1次の方程式を解かせに来るのがオシャレでたまらなかった。タイトルが小説の全体的な雰囲気を匂わせる語感であると同時に、未知数と解を直接イコールで結ぶ式になっているのがニクい。犀川が博士に会った印象を残念に語ったときに「ん〜？」って思っていたんだけど、僕は最後の章まで答えに辿り着けなかった。隠された人物を書き分けて、実際にはほぼ不定ではない答えを出してくれるところ、森博嗣さんは問題作りが上手だなあと思った。