クジラよりもむしろホネクイハナムシの一生が気になって仕方がなくなってしまいました。

ひと目見ていま読むべき作品だと手に取り読んだものの、衝撃すぎてなかなか感想がまとまらなかった。抽象画を言葉にしたらこうなるだろう散文詩のような形式でつづられるのは、時代と、場所と、家族に翻弄された一人の少女の内側からの視点。読んでいる方が、おかゆの中で煮られているような感覚を覚えていく。どこまでが作者の投影なのかはわからないが、若くして亡くなったことにどこか納得してしまう。キャンバスに叩きつけるような言葉を吐き出す感性の持ち主が、この世界で生きていかざるをえなかった人生の激しさを思わずにいられなかった。

クジラよりもむしろホネクイハナムシの一生が気になって仕方がなくなってしまいました。

クロコ、意外と健気なのだよなぁ笑 色鮮やかでかわいい絵本だった。

タイトルは「ながいながい」だけれども、生まれたばかりの双子のペンギンの、とても短い南極の夏の冒険のお話３編。子どもの頃、家からちょっと離れた場所に行くことも大冒険でしたが、そのときのわくわくとちょっぴり不安でどきどきした感覚が、何度も読んだはずなのにまたよみがえってきました。いま読むと捕鯨のはなしも出てくるのでちょっと考えてしまうし、トトの行く末も気になってしまいますが、幼児期から青年期までを駆け抜けるような双子の成長ぶりにツンとした気持ちになりました。読み聞かせにぴったりなリズムのある文章で読みやすい。

奄美大島に移住した作者が、島でインスパイアされて制作されたとのこと。原画が素晴らしかったので手にしましたが、圧巻の色彩。ストーリーも良い。最後のアカショウビンに奄美へのリスペクトを込めたのかな。眺めているだけでも楽しい。