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2026年6月の読書メーターまとめ

あ
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8
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感想・レビュー
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ナイス
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2026年6月に読んだ本
8

2026年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

あ
ちょっと天才の作品すぎるかもしれない。構成と描写の精緻さ(設定された人物造形の細かさが見事に展開の明暗に作用しつつ、そこに一点の曇もない)は勿論、語り手によるミスリーディングとそれを暗示する台詞(つまり語り手が描写する心理が度々実際の台詞とずれるということ)の面白さが存分に作用していて、文字通り読む手が止まらなくなる。この小説をもう一度読めるというよろこびが、読み終わった後に待っていることだろう。
が「ナイス!」と言っています。

2026年6月の感想・レビュー一覧
8

あ
若草物語と細雪を止揚したとも評されるらしい本作だが、確かにその批評は的を得てるかもしれない、と感じた。筋書きがある内容ではないものの、各細部に関連があったりして、多分センテンスごとにここに繋がるんじゃないかと解析する読み方も出来るんじゃないかとも感じる。ただ短編ほど堅牢な描写の構築力が機能しているわけではなく、やはり金井は長編になるとより大胆な(粗野な)書き方になる傾向があるのだろうか。そこはわからないが、とにかく面白い小説だった。これとユリシーズを止揚した小説を21世紀残したいものだ。
が「ナイス!」と言っています。
あ
極めて象徴的な作品。他の堀の小説と同様、上手く行っている部分と行っていない部分がある。冒頭の描写や、描かれる対象の象徴性は見事。良くも悪くも抽象描写のひとだなと思う。
窓
が「ナイス!」と言っています。
あ
堀辰雄による蜻蛉日記再創造シリーズの一つ。むちゃくちゃ面白い。もう一つの方より好きかもしれない。言語外の感情の描写が見事で、これはひょっとすると堀の他の小説よりも見事な効果を発揮しているかもしれない(つまり、描写外で進行している感情が絶えず描写によって仄めかされること、それでいて感情それ自体は描かれないということ)。
が「ナイス!」と言っています。
あ
むちゃくちゃ面白いんだけれども、何が面白いのか、うまく説明できない。例えば父親の死がほとんど直接的に描かれないが、にもかかわらず彼の三回忌の場面が実に細やかに記されたりするし、その際、親族で食卓を囲む場面のポリフォニックな描写が大変スリリングだったりする。勿論他にも読みどころは沢山あって、というか読みどころしかないのだが、題材だけで言えば、昼ドラにもならないような平凡な女性たちの物語なわけだ。これが作者の言う「細部に淫することで生じてしまう小説の物語的機能の失調状態の楽しさ」なのかもしれない。
あ
2026/06/18 00:01

短編だと何処か耽美な言葉遣いが目立つ金井だが、長編だとしばしば言葉遣いが大胆になる印象がある。この小説でも、言葉遣いの点で言えば悪文とも捉えられかねない特異な文体を駆使しているが、それがある種の理知的な面白さを醸し出しているから不思議だ。この小説の金井と漱石を足して割ったらジョイスになるかもな、とふと思ったりした(漱石の主語を抜いた短い文章の羅列は、ジョイスの内的独白にかなり近いものがあると思う)。とにかく面白い小説。本当に、なんでこんなに面白いのか不思議に思うくらいに面白い。

が「ナイス!」と言っています。
あ
小説という分野は高名な割にジャンルとしての発達が遅い。オースティンと同時代には既にベートーヴェンが存在して、彼はロマン派から現代音楽に至るまでの先駆者になったわけだが、その意味で、オースティンは(やがてフローベールが掲げる意味での)「散文芸術としての小説」の先駆けかもしれない。描写の積み重ねの内に堅牢な構成が潜んでいるのは、優れた音楽が建築的な設計に基づきながら美しい旋律と和声を聴かせてくれると同じで、露骨なまでに不協和音的な俗物たちでさえも、やがて来る調和と解決の前触れとして機能する。素晴らしかった。
あ
2026/06/08 13:16

その俗物たちに関する描写がある種の一本調子なのは、丁度古典音楽においては(ベートーヴェンやモーツァルトの諸作などに例外はあれど)不協和音が解決のためだけに用いられるのと同様であり、やがてプルーストやジョイスたちが、ドビュッシーやシェーンベルクが不協和音を解放するみたいに、俗物たちを徹底して描き出すことになるだろう。してみると、オースティンは分野としての散文芸術の確立に貢献したという意味で、ハイドン的な存在なのかもしれない。しかしその偉大さはバッハに匹敵する。

が「ナイス!」と言っています。
あ
むっちゃいい本なのにこんなにレビュー少ないんだ。リルケは極めて感性的な詩人だが、その精妙な言語意識によって、そんな言葉を当てはめるのか、というような形容をしばしば行う。そのアンビバレンスさに彼の面白さがあると思う。直観に基づきながら、感覚の肢体を描く筆先が極めて鋭利かつ細やかなのだ。要するに凄まじい詩才の持ち主なのだが、ロダンへの敬愛が迸る故か、「偉大」という言葉をこれでもかというくらい使い回す。理論的に内容をまとめたら『感覚の論理学』とあんま大差なさそうだと思った。天才による天才の評伝とまとめるべきか。
あ
2026/06/03 16:01

これはハイデガーも影響受けるわ。というか、ハイデガーよりもリルケのほうが偉大だよね。

が「ナイス!」と言っています。
あ
ちょっと天才の作品すぎるかもしれない。構成と描写の精緻さ(設定された人物造形の細かさが見事に展開の明暗に作用しつつ、そこに一点の曇もない)は勿論、語り手によるミスリーディングとそれを暗示する台詞(つまり語り手が描写する心理が度々実際の台詞とずれるということ)の面白さが存分に作用していて、文字通り読む手が止まらなくなる。この小説をもう一度読めるというよろこびが、読み終わった後に待っていることだろう。
が「ナイス!」と言っています。
あ
数年ぶりに再読。面白い!が、美術史の辺りはやや急ぎ足で議論を回収している感が否めない(尤もその辺りは最近発売された絵画についての講義録がわりかし拾ってくれているかもしれない)。やはり面白いのはベーコンの絵画をねっとりと論じる中盤辺りまでと、全体のまとめと冒頭から呈されていた「事実」の問題に改めて触れる第17章か。時間の力を可視化することが芸術の課題であって、創作という無意志的な行為を通して、ダイアグラムにおける「事実の可能性」を「絵画的事実」へと変換させる(多分)。その議論の展開の仕方が美しい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/10/30(635日経過)
記録初日
2025/12/26(213日経過)
読んだ本
65冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
13578ページ(1日平均63ページ)
感想・レビュー
64件(投稿率98.5%)
本棚
0棚
自己紹介

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