今回は戦争だった。今までは一人無双状態だったが、さすがに仲間がいたし、ギリギリの戦いだった。戦闘シーンや結衣への攻撃が激しく、立てないほど痛めつけられるが、仲間がいて絞り出せた力、助かった命。少しずつ変化する結衣の心情や、結衣を守りたいと思う人がどんどん増えていく。だがこの経験はさらに結衣を強くしたと思う。

倒叙あり、タイトル2作のミステリあり。未解決の一家惨殺事件、場面転換、迷宮に囚われた7人の殺人犯によるデスゲーム、女名探偵と警察姉妹の登場、解決編による伏線回収。要素を挙げると複雑にみえるが、読み終えれば一路に整然としていた。

主人公は万年平社員ならぬ平刑事。ある理由により昇進せずに50歳を超えてもずっと下っ端で事件の捜査をする。周りに訝しがられながらも刑事の勘は冴え解決した事件も多く上司の信頼は厚い。2人行動が原則だが常に単独行動。が本作は天才ハッカーの相棒を得、事件解明に動く。責任というしがらみなくあの手この手で事件に迫っていく。敵が強大な場合いつも泣き寝入りか揉み消される結末が多く、今回もかと残念に思ったところ、最後に一噛み二噛みほどの攻めが見えたので良かった。天才ハッカーのおかげ。何だかんだ彼が一番自由で楽しそうと感じた

今回は戦争だった。今までは一人無双状態だったが、さすがに仲間がいたし、ギリギリの戦いだった。戦闘シーンや結衣への攻撃が激しく、立てないほど痛めつけられるが、仲間がいて絞り出せた力、助かった命。少しずつ変化する結衣の心情や、結衣を守りたいと思う人がどんどん増えていく。だがこの経験はさらに結衣を強くしたと思う。

美しく強く賢いが毒舌の元弁護士女と、IQ140の頭脳明晰でモデルのように格好いいが人間嫌いの皮肉屋ハイスペ男のバディもの。殺傷以外なら引受ける何でも屋。キャラ立ちする主役2人だが、物事に対して一本筋を通しているため結局正しいと思うことをして報酬を得られないことも多々あったり、解決への過程の行動に人間味を感じるから話に深みがある。さらに息の合った2人の掛け合いはテンポが良く、痛快に依頼を解決するためあっという間に読了。