非常に満足です。 導入の唐突さや、中盤辺りの状況に対して登場人物が思ったよりのんびりと過ごしている部分など引っかかりもありましたがラストですべてひっくり返されました。 何も予備知識無く読み始めて、よくあるミステリー小説だなと構えて読んでいた自分を褒めたいです。

ページをめくる手が止まらず一気に読み切ってしまいました。 展開が進むにつれてこれまでのキャラクターへの印象がガラリと変わる。 犯人だけでなく全員の印象が変化していくのは、まさに人には色々な側面があるという事を読んでいる自身で体験して納得させられた。 しかし改めて就職活動ってしょうもない嘘で塗り固めた謎イベントだったなぁと懐かしくなりました。あと作中で語られた人事部の評価にすごく共感しました(笑)

非常に満足です。 導入の唐突さや、中盤辺りの状況に対して登場人物が思ったよりのんびりと過ごしている部分など引っかかりもありましたがラストですべてひっくり返されました。 何も予備知識無く読み始めて、よくあるミステリー小説だなと構えて読んでいた自分を褒めたいです。

終始話のテンポもよく一気に読了しました。 クライマックスにかけての展開はしっかりとミスリードされて気付いた時の、驚きも◎ また、一貫して語られる「自分は悪くない」という価値観について非常に考えさせられました。SNSでの無責任なコメントはどれも実際に見たようなものばかり。 主人公の自己評価と他者からの評価のギャップについても、自分自身思い当たる節もありそういう面ではストーリー本筋よりもこの作品の魅力かもしれません。 犯人の動機付けは少し強引というか希薄かな？

様々な都市伝説やオカルト話、その他体験談など一見無関係に見える話がどんどんリンクしていくのが良い。 ノンフィクション（風）の構成も秀逸で、小説ということを忘れて本物のルポルタージュを読んでいる気持ちになりました。 着地点が意外と想定の範疇で、もう少し不気味な、掴み所のない終わりが好みですが、これは個人の好みの問題です。

トリックはやや強引に感じたし、主人公の秘密は序盤の匂わせ時点で多くの読者が感づいたままで、もう一捻りあるのかなと思っていたので拍子抜けしました。 ただ、エジプトの死生観や神々の信仰、人々の生活なども含めた情景描写などが丁寧でスルスルと読み進められました。 キャラクターそれぞれが魅力ありそうな造形なので個々の掘り下げがあれば尚良かった

爆弾魔の容疑をかけられているスズキタゴサクのキャラクターが魅力的。 取調室を主軸に進み、場面の転換など少ないがマンネリを感じることもなくどんどん引き込まれる。 警察サイドも人間味を感じられる人たちが多く、特に清宮さん、鶴久さんの心情描写に惹かれました。 一方で類家さんは少しご都合展開なキャラ付けに感じてイマイチ感情が乗り切れなかった。 クライマックス、ついていけなくなる部分もありましたがそれでも序盤～中盤の不気味ながらも、緊迫するスズキと刑事のやり取り、心情描写が素晴らしく良い作品に出会えた。