
筆者の根幹には「父が作った秩序の中で正しく生きている自分」という自己像がある。暴力を伴う父の支配は、感情より行動、内面より結果を重んじる価値観を形成し、それは家庭、ヤクザ的世界、刑務所へと途切れず接続された。この秩序は従順さと適応力を与える一方、自ら疑い線を引く回路を奪った。無期懲役は反省不足ではなく、父の秩序を最後まで信じ切った帰結であり、刑務所はそれを修正する場ではなく、むしろ強化する装置として機能している。
ベアトリスは善良な多数派として連続する日常を信じて生き、最後に深い絶望に直面する。一方アクセルは、世界が壊れる可能性を引き受けた上で最後を自分で選んだ。この物語は、愛よりも主体性の回復を描いていると感じた。
今の日本国民という概念は、太古から自明に存在していたものではなく、比較的近代に形成され、時代ごとに形を変えてきたものだと理解した。同時に、それらは消えるのではなく、似た構図を保ったまま循環しているようにも感じる。当たり前とされる前提こそ、その成立背景を問う必要があり、そうした問いを投げかける姿勢に知的な誠実さを感じた。多くの思想は日本をよくしようとする善意から生まれるが、その帰結は後にならなければ分からない。国家や国民という大きな概念も、結局は個々人の体験に支えられ、揺らぎ得る程度のものなのだと思った。
もともと読書は大好きでしたが、出産育児でしばらく遠ざかっていました。
子供たちが小学生になり、少し時間を持てるようになったので、読書再開。
小説が好きですが、仕事や人生の役に立ちそうな実用書もなるべく読んでいきたいと思います。
また、子供も飲みやすいような児童文学や絵本もたくさん読んでいこうと思います。
やっぱり読書っていいですね。
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主人公は、本当はもっとこうでありたかったという姿がないわけではないのに、 それすらもぼやけてしまい、見えなくなっている。