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2025年11月の読書メーターまとめ

Ethan
読んだ本
5
読んだページ
1680ページ
感想・レビュー
5
ナイス
65ナイス
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2025年11月に読んだ本
5

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Ethan
戦争の描写がここまで残酷に描かれている村上春樹の小説は、これまで読んだことがない。皮をはいでいく場面の描写はあまりにも悍ましかった。それに、井戸に閉じ込められた間宮中尉の姿は、社会の底へと沈んでいく人間の姿そのものを表しているようで、非常に印象的だった。人間の内側に潜む憎しみや狂気のようなものが、じわじわと滲み出ていた。主人公・トオルの心情が痛いほど伝わってくる。彼の内向的な性格や、世界に対する探究心には強く惹かれる。トオルはまだ「大人」になっていない。いや、きっと「なれなかった」のだ。
が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
5

Ethan
壮大な三部作であると同時に、夫婦の問題を扱った初期の作品としても非常にリアリスティックで、岡田トオルの気持ちにはただ共感するほかなかった。笠原メイの手紙にしても、岡田トオルの夢のように、不透明でありながらどこか現実味を帯びた文章は、いったいどこから生み出されているのだろうか。村上春樹の意識の中に混在するカオスがそのまま可視化されているかのような状態を楽しむことができる。ただ、第一部と第二部の方が面白みがあることは否めないと思う。村上春樹が描く、奈落の底へ落ちていく人間の面白さがそこにはあったように感じる。
が「ナイス!」と言っています。
Ethan
性的な描写はいつものことながら村上春樹らしく、不安定な状況の中で繰り広げられる性行為がどこか人間味を帯び、生の実感を与えている。井戸の中で過ごす時間と空間が何よりも印象に残り、私自身ももしできることなら井戸に入りたいと思ってしまった。世界から遮断された場所で土に同化するように自分と向き合いたいし、そうして自分を見つめ直す余裕があるうちは、まだ生きているのだと感じられる。笠原メイ、加納クレタ、加納マルタ、どの女性も絶対的な信頼を置けないところが絶妙によく、誰ひとり安心できる人物がいない。
が「ナイス!」と言っています。
Ethan
戦争の描写がここまで残酷に描かれている村上春樹の小説は、これまで読んだことがない。皮をはいでいく場面の描写はあまりにも悍ましかった。それに、井戸に閉じ込められた間宮中尉の姿は、社会の底へと沈んでいく人間の姿そのものを表しているようで、非常に印象的だった。人間の内側に潜む憎しみや狂気のようなものが、じわじわと滲み出ていた。主人公・トオルの心情が痛いほど伝わってくる。彼の内向的な性格や、世界に対する探究心には強く惹かれる。トオルはまだ「大人」になっていない。いや、きっと「なれなかった」のだ。
が「ナイス!」と言っています。
Ethan
これも神保町の本屋で見つけた一冊。白黒の写真には、日常の中に潜む小さな幸福が切り取られているように感じられる。その世界観は、まるでヴィム・ヴェンダースの作品のようで、思わずハッとさせられた。文章のひとつひとつにも深く共感した。銀色夏生さんが感じる世の中の生きづらさ、そしてそれを少しでも乗り越えていくためのヒントが丁寧に書かれていて、人間というのはもっと気楽であっていいのだと改めて思わされた。心の処方箋のような一冊。ふとした時に、何度でも読み返したくなる本だ。
が「ナイス!」と言っています。
Ethan
神保町の本屋で出会った一冊。詩と写真の組み合わせに魅了されて購入した。洗練された世界観が広がり、優しい言葉の数々がそっと人の心を包み込んでくれる。まるで“心の処方箋”のような本だ。何よりも写真の生々しさが好きだった。そこに確かに存在する生活の空気や、地球の呼吸のようなものが、こちらの脳に直接語りかけてくる。一度でいいから、この本の著者・銀色夏生さんと居酒屋で話してみたい。ビールを飲みながら、世界について語り合いたい。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2025/03/06(297日経過)
記録初日
2023/03/31(1003日経過)
読んだ本
121冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
24224ページ(1日平均24ページ)
感想・レビュー
118件(投稿率97.5%)
本棚
1棚
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