華僑ネットワークがある土地では「やや遠い場所」に外国(東南アジア)があり、同郷による紐帯を足掛かりに進出が可能な一方、中央政府による国語教育が徹底されていない時代には地域により言語が通じないため首都へ行っても言葉が通じず不利を被る、故に海外進出は上京するよりも敷居が低いという事実があった。複雑な事情を反映しており感心した。また中華人民共和国の成立後に、当局は祖国建設のため華僑華人の帰国を促したが、文化大革命時には彼らが「海外関係(スパイ)」として攻撃の標的となった点などは社会主義国家のクソさを如実に示す。
東南アジア各国では財閥の一定数が華人オーナーであり、基本的に現地系住民よりビジネスが圧倒的に上手く人口比に対して影響力が大きい(この内容は大学の華僑・華人論でも説明があり印象的だった)。ゆえに欧州でいうユダヤ人的に類似するケースがあり、有事の際は攻撃対象になったり政権が社会主義に転覆すると真っ先に虐殺や強制移住などの第一目標になる。また本書では欧州、北米、豪州の華僑華人についても説明が多いが、二次大戦後の移住では常に密航/密入国のワードと同時に語られることが多くホスト社会の厄介者という意味合いも含まれる。
福岡出身。文系。防衛大学校に12ヶ月所属して中退。大阪大学卒。中小企業→インドの日系企業でIT→東京の大手子会社でIT→大手でIT。純文学と海外のビジネス書が好き。海外20カ国行った。
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華僑ネットワークがある土地では「やや遠い場所」に外国(東南アジア)があり、同郷による紐帯を足掛かりに進出が可能な一方、中央政府による国語教育が徹底されていない時代には地域により言語が通じないため首都へ行っても言葉が通じず不利を被る、故に海外進出は上京するよりも敷居が低いという事実があった。複雑な事情を反映しており感心した。また中華人民共和国の成立後に、当局は祖国建設のため華僑華人の帰国を促したが、文化大革命時には彼らが「海外関係(スパイ)」として攻撃の標的となった点などは社会主義国家のクソさを如実に示す。
東南アジア各国では財閥の一定数が華人オーナーであり、基本的に現地系住民よりビジネスが圧倒的に上手く人口比に対して影響力が大きい(この内容は大学の華僑・華人論でも説明があり印象的だった)。ゆえに欧州でいうユダヤ人的に類似するケースがあり、有事の際は攻撃対象になったり政権が社会主義に転覆すると真っ先に虐殺や強制移住などの第一目標になる。また本書では欧州、北米、豪州の華僑華人についても説明が多いが、二次大戦後の移住では常に密航/密入国のワードと同時に語られることが多くホスト社会の厄介者という意味合いも含まれる。