堅物であり切れ物の土門さん始め、登場人物が良い。ストーリーもすごく良い。初読みの作家さんかと思ったら、結構な衝撃を受けた「文身」の作者さんだったのか。他の作品も要チェックだな。

前職で密かに憧れていたデザイナーさんが表紙を担当されていると聞き手に取った久々の天童作品。集団レイプ事件を軸に二次被害や見えにくい連鎖する被害、DV問題など結構てんこ盛り。とはいえ、ストーリーとしては読みやすくあっという間に読了。天童荒太ってこんなに読みやすかったかなぁ。パートナーに対しての呼び方ひとつとっても無意識のジェンダー問題が見え隠れすること、「きみの主人は、あくまで君だ」という言葉が響いた。最後のエピソードに思わずほろり。鞍岡＆志波のバディもの、続編がぜひ読みたい。

こういう人がいたら絶対近寄ったらダメだなぁと思ってしまうルミンさん。とはいえ、人によって印象が全然違うっていうのはあるよなぁ。関与者のインタビュー形式で進んでいくけど、人によって聖人君子だったり、大嘘つきだったり。いやミス感満載。

これまで、心理的にはエグくてもこんな猟奇的な描写あったかなぁと思いながら読み進めた。タイトル通り、人間の標本にまつわる物語。犯人の独白、SNSのコメントなど章を追うごとに見事にミスリードされた。口絵のイラストと照らし合わせて読むと想像が膨らむ。

偶然行ったブックフェアで湊かなえの講演を見たのは告白が出た直後だったから随分前になる。その後いやミスにはまって作品は全部読んできた。作家15周年記念本ということで色んなところで見かけたお話が多かったけど、湊さんの熱い想いが伝わってきて所々で涙ぐんでしまった。高校生への総評を読んでいても、作品に対する真摯な姿勢が感じられる。基本的に図書館で本を借りるのでいつ本が届くかわからないのだけど、偶然この本でラストに登場する「人間標本」も今手元に！同時進行で読み進めているので興奮も一入。そっちも早く読み進めないと。

久々の金原ひとみ作品。それぞれの視点で物語が進むが、登場人物誰一人共感できないところがすごい。人間性を疑うような人だらけ。こんなにみんな不倫するものなの？自由法ん包すぎる由依もいやだけど、由依に執着しすぎる桂も気持ち悪い。恋愛における人間のダメさ加減を見せつけられた感じ。うわぁと思いながら読み進める感じは、いやミスに近かった。

「暃」という幽霊文字のタトゥーシールが貼られた状態で発見された自殺遺体が次々に発見される。共通点不明。捜査するのはやたら警視庁刑事部の捜査員を名乗るやたらと緩い２人。「暃」という文字の考察も面白いし、謎解きとしても面白い。途中までがおもしろすぎたのでどう落とすかなと思ったら、そういう感じかー。消化不良だなぁ。途中までは本当に面白かったんだけど。

イヤミス的な要素もありサクッと読めて楽しめた。一話一話が短いので、電車移動中に読むのにピッタリ。

堅物であり切れ物の土門さん始め、登場人物が良い。ストーリーもすごく良い。初読みの作家さんかと思ったら、結構な衝撃を受けた「文身」の作者さんだったのか。他の作品も要チェックだな。

色々とツッコミどころ満載なキャラばっかりだけど、面白かった。他の本も読んでみるかな。