ちょっとぶらっく、そして対策あり。

大原家に同情するし、このような状況に置かれ、子供を闇雲に守るでもなく叱るでもなく、冷静に対処する父親は子供から見たら頼りになる存在だと思う。そのために情報収集するのは当然だし、相手の誹謗中傷を考えれば、行き過ぎているとも思わない。ただ、このようにことの顛末が詳しく描かれてしまうと、学校側も被害者になってしまう。一長一短か。

面白かった。とても勉強になった。細かい点にまで丁寧な説明や注釈的記述があり、読んでいてわからなくなりネットで調べるということがほとんどなかった。もしかして、弁護士さんの書く本は、丁寧でわかりやすいというのが特徴なのかもしれない。言葉を扱う職業なんだなとつくづく思った。

表紙とタイトルと著者の名字がとても合っていて魅力的だったので、ふだんはエッセイは買わないのに買いました。枕元に置き、いつも森の中にいるような気分でゆっくりと読みました。共感するところもあれば、違うところもあったけれど、最後の死に関する章はまさに同意。

認知の歪みというか、脳の固定化した習慣を変えるにはどれほどの年月と助力が必要か。健全な親子関係ではない場合も、まず親に認知の歪みがあり、その結果、子にも認知の歪みが生じる。それらを直すにはどれほどの努力が必要か。そもそも、それは可能なのだろうか。同じ性向、同じ認知の歪みをもつ者たちをどこかの島や土地に隔離し、農業などの生産活動を行わせ、利益も上げながら、認知の歪みが改善するのを待つ方がよいのではないか・・・被害者が、あまりにも、犠牲が大きすぎる。

痴漢というより性犯罪全般について最近の判例も含めて幅広く紹介している。

わかりやすく、事例が多く、とても参考になった。ただ、企業を相手にしたセクハラ調停については、企業側の対応がひどく、賠償金が少なすぎると思った。就職する際には企業の体質も視野に入れた方がよさそうだ。

主人公に幸あれかし

面白かった。母親の支配の描写が凄い。調停でもすべてが明らかにされるのではなく、闇はそこら中に転がっていること、そして完全な解決もまたないことを教えられた。

続編が読みたい

共依存症の当事者、サバイバー、精神科医、その他さまざまな分野の人々が寄稿しており、勉強になった。プロとアマ、専門分野の著者等が混在し、横書きで行間が狭いこともあって読みにくくもあったが、完読してよかった。最後の方にアメリカ人の著者による日米文化の地政学的分析と、文化人類学者による日本人の”甘え”の構造に関する論考があり、印象に残った。

ちょっとぶらっく、そして対策あり。

満月の夜って、本当に明るいんだよな。『源氏物語』にも満月の夜に朝まで楽を楽しんだという話があった。クマがかっこいい。

誠実さも、弱点になり得ることを学んだ。なお、オウム事件の死刑囚の中には、自らの行動を反省し多くを語り始めた者たちがいた。アメリカでは連続殺人犯に話を聞くことで犯罪についての知識を蓄積する研究がある。日本でもそうすべきだろう。すぐさま死刑にすることで、多くの謎が消えてしまった。臭いものにふたをして、なかったことにしたがる日本的行為に思える。