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2024年3月の読書メーターまとめ

うえ
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35
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感想・レビュー
35
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160ナイス

2024年3月に読んだ本
35

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

うえ
22年9月時点での情勢や、プーチンの思想背景の分析。「「背後で操る者がいなければ、大衆は立ち上がらない。大衆は国家の道具や手段であり、ものを動かすテコである」というのがプーチンの世界観であり、訪露したジョン・ケリー国務長官に対して、在露米国大使館は自分の放逐を狙う勢力を支援していると公然と述べたという。大衆が自分の考えで政治的意見を持ったり、ましてや街頭での抗議活動に繰り出してくることなどあり得ず、そのような事態が起きた時には必ず首謀者と金で動く組織が背後に存在するというのがプーチンの世界観なのである。」
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

うえ

結果的には病院のお世話になる2月。 2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:15冊 読んだページ数:3589ページ ナイス数:85ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/183599/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
35

うえ
黄昏妖怪としての天邪鬼。「関東ではヒグレマグレ、対馬の北部にはマグレヒグレという語がある。東方地方で黄昏をオモアンドキというのも、やはりアマノジャクが出てあるく時刻だというから、「思わぬ時」の義であった…村では気をつけて見るとこういう時刻に、特に互いに挨拶というものを念入れて、できる限り明確に、相手の誰であるかを知ろうとする。…このような時刻に里を過ぎなければならぬ他所者は、見られるために提灯を提げてあるく。…それがこの節は町の子供などに、もう提灯は火事が祝賀会か、涼み舟ぐらいの聯想しか浮かばなくなった」
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うえ
22年9月時点での情勢や、プーチンの思想背景の分析。「「背後で操る者がいなければ、大衆は立ち上がらない。大衆は国家の道具や手段であり、ものを動かすテコである」というのがプーチンの世界観であり、訪露したジョン・ケリー国務長官に対して、在露米国大使館は自分の放逐を狙う勢力を支援していると公然と述べたという。大衆が自分の考えで政治的意見を持ったり、ましてや街頭での抗議活動に繰り出してくることなどあり得ず、そのような事態が起きた時には必ず首謀者と金で動く組織が背後に存在するというのがプーチンの世界観なのである。」
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うえ
プラグマティズムの概説有り。「其主張する所を極めて直截に云へば真理は効果あるものたるべしといふ句に帰する。即ち従来真理を以て実際の状況とは無関係に確定して居ると見ることに反して、其時々の事情に応じ効果を生じ得べきものでなければならぬ…真理を以て事実と観念との符号一致に基づくとするのは極めて幼稚な思想であるから、其誤れることは言うまでもない。其れで哲学者の多く取る所の説は、観念自身の結合中に其の真理の標準を求め、其結合が体系的なる場合を以て真理なりとして居る…然るにプラグマティズムの論者は極力之に反対する」
うえ
2024/03/28 09:57

「体系的知識は必ずしも真ならず、又真にして体系を具へざるものもあり得る。体系的なるものは通常観念の形で顕されるが、然し概念なるものは人々が任意に便宜上作出したものであるから、決して事実の真相を写して居るとは言へない。概念を重んずるのは哲学者の弊であるが、概念は抽象し概括したもので毫も実際の血肉を具へない骨格に過ぎない。」

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うえ
98年刊。官製アイデンティティ強化運動についての論考あり。「イスタンブルやアンカラなどの都市部で、ここ数年で随分とスカーフ姿の女性が増えた。…スカーフの着用はすべて自発的に行われているわけではなく、たとえば、貧しい家庭の子が大学生活を送るために…学費を援助してもらう際に、このような服装をせざるを得ない…イスラーム主義者が大学の学生寮でラマザンに断食しない学生に暴力を振るって死亡させる事件が起きたり、これまでの社会のシステムを覆すイスラーム法を要求して過激な言動を取ったりと…事件は後を絶たない」
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うえ
聖地や聖地を歌う唄から日本について考察。「すべての事物が神となり得る認識が支配的な社会では、他者への感謝ということが重要な徳目となる。社会学者の見田宗介は、人が生まれながらに恩を背負い、恩に報いるように生きる生き方を、キリスト教の原罪に対して原恩と名付けた…ただし社会契約を基調とし、罪と罰によって、人間を律するという考え方が、日本社会にないというわけではなく、契約を重んじ、絶対的価値を有する考え方も、日本社会にはある。しかし、恩と感謝の念によって、和することを希求する意識の方が、日本においては優勢である」
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うえ
「ピエロの図像の代表的なものとしては、ワトーの…『ジル』と題されていたが、今は『ピエロ』と改められている作品がある。…ベルギーのバンシュという小さな町では、カーニヴァルの日、市民たちの一部はジルという道化に扮装する。…このジルは白塗りで、白い衣装を着けることから、しばしばピエロと混同された。ワトーの時代にも両者は混同されていたとわれわれは考える…ヨーロッパの道化には仮面をつけたものとつけないものがいた。仮面をつけない道化はしばしば顔に白粉(小麦粉が使われた)をふったり、さまざまな色を塗りたくったりした。」
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うえ
「ツアラツストラの超人とは、人類進化の歴史上此の如き位置を占有するものである。…ツアラツストラの超人観に於いて、最初に人目を射るものは、その偉大と強烈との要求である。超人を産出するためには、人は何よりも先づその矮小と虚弱とを征服しなければならない。今日の人はおしならして皆矮小なるに過ぎる。その最大なる者と謂も猶最小なる者と類似すること余りに甚だしい。「汝等の中最も賢き者と雖も、猶植物と幽霊との間の分裂と雑種とに過ぎない」従って…人間と云ふものが自ら体験するを得る最大のものは、唯自己に対する侮蔑のみである」
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うえ
道徳的外交を斥けた外交政策家ケナンの回顧録。「マルクス自身もそうなのだが…人々もまた革命の準備にあたっていた何年かの間、将来社会主義がいかなる形をとることになるかという点よりかは、かれらからみれば…まず敵対政権の打倒が必要だったので、もっぱらその注意をこの点にこそ集中してきた…したがって権力を握るやいなや実行しなければならない積極的な計画に関する構想は、概して曖昧模糊としており、幻想的であり、非実際的なものであった。かれらの見解が一致していた計画といえば、ただ産業の国有化と大私有資本の没収だけであった。」
うえ
2024/03/24 14:56

「農民はマルクス主義者の公式によればプロレタリアートに属していなかったが、その農民をいかに扱うかという点も、共産党の構想のなかでは、つねに曖昧なままに残されていたし、共産党が政権をとって以来十年間も論争と動揺の対象となっていた。革命直後の環境はーそのころのロシアでは…当時の共産党がロシア国民のなかできわめて小さな少数派の支持しか受けていなかったという明白な事実とともにー独裁政権の樹立を必要とした。「戦時共産主義」の経験と私有制の生産と取引を排除しようという性急な企ては、経済的に不幸な結果をもたらした」

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うえ
日本文学内の日本語、その時間表現の探求。興味深い点は哲学者大森荘蔵の時間論がけっこう援用されている点。往ぬの「ぬ」や、棄つの「つ」は時制とは無関係ではないかという所から、大森の論を参照している。「大森氏には…「過去の制作」という論文もある。過去というような何かが実在すると思うのは打ち破られなければならない「常識」だとそこにはあった。論考「時は流れず」で、氏はさらに常識破りを試みる。時間とは過去と未来とのみを含む、静態的な座標であって、<運動とは何の縁もない>。運動は現在経験に有効な現象だ。」
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うえ
構造主義人類学や民俗学を援用した論考集。「折口信夫が、一箇月のはじまりである「ついたち」の意味を、古代の高級巫女の月経がはじまるときのことであった、と示唆的に述べているのは、最近、国語学者の支持があったようである。平安時代の用例によると「ついたち」は一箇月の上旬の数日をさすようであるから、ちょうど生理期間ほどになる。その期間、宮仕えの女性は、里に退出するか、局にこもっていた。これは物忌みであったことを意味しよう。物忌みとは悪霊の接近をおそれてある空間にとじこもることで、その原型は、神々との交会であった」
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うえ
「2005年12月、サンディ・スプリングスは…人口12万5千の市として新しく誕生した。…02年に上院と州知事ポストを握った共和党と、下院での与党が一致したことで、市を新たに作ることが現実的に可能になった…長年、この地区に住む熱心な市民グループの人々は、自立の夢を抱き続けてきた。…06年7月1日に警察サービスを始め…警察署長と幹部職員の募集に五百人以上の応募があり、1月に雇用した。完全装備の警察車も発注された。計画としては、郡の基準による約40人の警察官の配置を、年末までには80人体制に移行する予定である」
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うえ
「ハイエクは自由は一つ、すなわち強制からの自由を措いてほかに自由はないという…社会主義やファシズムは言うまでもなく、デモクラシーさえも国家の機能を拡大させている、と彼は見た。人民主権に立脚するデモクラシーは主権者人民の諸々の要求を満足させるために国家への依存度を増し、自由の領域であった個々人の私的領域への介入を強めていく。…『隷従への道』は、このような計画化に対する痛烈な批判の書である。…彼は社会主義とファシズムを同列に置き、あまつさえファシズムは社会主義の必然的な帰結とまで言い切っている。」
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うえ
ボストン近郊の見捨てられた貧困地区、ダドリー再建の物語。「1950年以来、資金の不足、土地・建物の放棄、そして放火によって、ダドリー地区の住宅や広場や店舗は荒廃し、81年時点で、ダドリー地区の土地の1/3は空き地になっていた」地域住民(DSNI)は、不法投棄地域を綺麗にし柵で囲み、市と交渉し収用権を勝ち取る。「法律事務所が付いてくれたおかげで、ダウンタウンの官庁や大企業でも、DSNIは一目置かれるようになった」。資金とスタッフを集め「地域土地信託を創設し…地域自体が土地を永久に所有できるようにした」。」
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うえ
zun「正直なことを言うと人間が培ってきたものっていうのは「技術」なので、プログラムできてしまうもの。それはつまりAIが学習できるものなんですよね。だから僕がよく言っているのは「技術で物を作ってはダメだ」ということ。技術そのものであるAIと技術で競っても絶対に負けてしまうからね。だから僕が作るものは日記になっちゃってるんだけど…AIも日記を書けるかもしれないけれど、実際に散歩したりごはんを食べたりするわけでは無いので難しいんじゃないかと思っています。…体験が反映したものっていうのは強さが宿るんじゃないか」
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うえ
「明治以後、北海道のアイヌのことを「旧土人」と呼んでいましたが、これも本来は決して侮蔑的表現ではありませんでした。本州から北海道に渡った人を指す「新土人」という言葉に対して、元からいる人をそう呼んだのです。もちろん、新旧と分けた点に…「新平民」と同様、差別があったことは間違いありません。しかし、「土人」という言葉自体には差別的意味は全く含まれていなかった…こう考えてきますと、現在、我々が日常使っている言葉にはある時期に特別な色が塗られて…本来の意味とは全く異なる語感を抱かせられるようになっている」
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うえ
「オリンピアの祭典と競技は…不幸にして、観た人の筆によるまとまった記述がないので、これまたよくわからない。…そこで以下には後世の断片的知識をかき集めて…学者の推測したところにそって見てゆく…『ランニング』スタートの合図にはアピテと呼んだものらしいが、今日でのフライングのように合図に先んじて飛び出した者は、審判員の手下の棒持ちによって打たれる…『戦車競技と競馬』四頭立ての馬で走路の中央にある標識を23回廻らなければならない…ピュティアの競技のことだが…40人の御者のうちただ一人だけが「落ちないで」すんだ」
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うえ
「不比等が、法と制度を重視し、ついに『大宝令』によって律令国家を完成させた功績は計り知れないものがある。…これに対して、生まれながらの高貴な血筋の…長屋王には、法や制度よりも、佐保の別邸に多くの人士を集め…道教を論じているのが似合っている。おそらく、この二人の意向を受けて聖徳太子の人物像の作成が行われた…しかし…この二人だけでは仏教が欠けている。…そういう時、適任とも言える人物が現れた。…釈門の秀と称された道慈が、養老二年に帰国したのである…不比等、長屋王とともに、この道慈が聖徳太子の人物像作成にあたる」
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うえ
「奈良から平安時代…『百鬼夜行』という現象もこの時代から『今昔物語集』などを通じて伝わってきたものです。付喪神は室町時代から使われるようになった新しい言葉で、よく引用される『陰陽雑記云、器物百年を経て、化して精霊を得てより、人の心を誑かす、これを付喪神と号すといえり』の一文は、室町後期作とされる通称『付喪神記』と呼ばれる絵巻物に記されています。そこに、さまざまな器物に手足が生えたような妖怪が描かれ、以降江戸期を通じて描かれる妖怪絵の中心的モチーフとなる『百鬼夜行』へと繋がっていったと考えられます。」
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うえ
最後の章に、「メシアとしての翁ー折口信夫論の試み」が収録されている。「折口が昭和初年の時点において「翁」の問題に寄せようとしていた関心のつよさと気迫は、並のものではなかった。…人は死んで他界におもいて死霊となる。異郷の死霊は時をへて祖霊となるであろう。祖霊はやがてカミへの道をたどるが、そのうち親近なカミや祖霊がわれわれの現世に来訪神としてあらわれるが、しばしば翁と媼の姿に具現化して登場する。かれらは祭りの庭や田野で、折口のいう感染所作をおこなって祝福と繁栄のことばをのべ、ふたたび異郷の地へと消えていく。」
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うえ
「ETA(バスク祖国と自由)フランコ独裁政権がバスク語の使用を禁止するなど激しい弾圧を加えたことに、反発する形で誕生した…しかし、皮肉にも宿敵フランコを失うとともに、ETAは迷走を始める…79年、バカンス戦争と称してバラハス空港、アトーチャ駅…などに爆弾を仕掛け、観光客など6人を殺害…テロの矛先を、無関係な市民にまで向け始めた…87年6月にはバルセロナのデパートで少女を含む15人を爆殺…95年12月に買い物客でごった返すバレンシアのデパートで女性一人を爆殺…独立を目指す政治的集団ではなく殺戮集団と化した」
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うえ
エックハルト、カント、シラー、ゲーテ、ヘルダーリン、ヘーゲルを扱った思想史。とはいえ前二者については量、質共に薄い。どうやらヘーゲル全集の編者が著者のようで、ゲーテ、ヘーゲルについては詳細ではある。「ヘーゲルが哲学の歴史でもって締括っている事は、われわれを最後の考察へと誘っていく。塵界のあらゆる事物と同じく、美しきもの、崇高なるもの、また聖なるものの最高壮麗な形態もまた入滅の定めがあり、ヘーゲルの体系もまた世界精神のこの「審判」から除外されるものではなく、その体系は過ぎ去っていくものである。」
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うえ
「マルクス主義は社会科学に主たる領域を有する一の科学的世界観である。従ってマルクス主義対宗教の問題はその根本において自然科学対宗教の…問題である。ことにマルクス主義の中心たる社会進化の学説はダーウィンの生物進化論と機微相通ずるものにして、マルクス主義の唯物史観とキリスト教との関係は進化論対キリスト教の問題と…同一である。…マルクス主義は人間知識の無限の進歩を信じ、自然科学の力によりてすべてを知りうることを主張する。…しかしながら科学の進歩によりて一切のことが知られうると…科学者自身がこれを言うであろうか」
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うえ
「日本で狐といえば、稲荷信仰における神の使いとしてよく知られていますが、稲荷信仰がいつごろから始まったのかはいくつも説があってはっきりしません。日本書紀には渡来氏族とされる「秦氏」の氏神として八世紀ごろ知られるようになったと記されていますが、一方で稲荷信仰は稲作に伴う豊穣の神として古くから崇められてきたという考え方も強くあります…伏見稲荷大社は古事記に記されている「宇迦之御霊」を主祭神としていて…みけつかみという呼び方もされ、これが三狐神という漢字で書かれたことが狐と関連付けられる原因と考えられています」
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うえ
「班固は父の業を受け継いだものの、父の作に不満で、これを改作して『漢書』を作ろうとした。…改作の途中、人から、私に国史を改作していると密告され、下獄したが、弟の班超が弁解し…勅命で続成を命ぜられた。前後二十余年を費やし、章帝の建初年間に漢書は成った。…その後、和帝が外戚竇憲の専横を怒ってこれを誅するに及び、竇憲の匈奴征伐の功を称える碑を書いたことのある班固もこれに連坐して洛陽の獄中に死に、その著作もすこぶる散乱した。八表・天文志が欠けている。そこで妹の班昭がこれを継ぎ、馬続に至って完成したという。」
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うえ
37年共和国内の内部戦争。「ソ連やコミンテルンの支援と後楯を得て…発言権を増してきたスペイン共産党と…アナキストの労働国民連合…さらに統一マルクス主義労働者党とのあいだに、深刻な政治路線上の対立があった。…こうした路線上の対立が…ついに市街戦に発展したのである。…労働者党の指導者であるアンドレス・ニンが逮捕され、ソ連の国際問題人民委員会主任、オルロフによって拷問され、殺害された…内部抗争のあとに、ブルネテの奇襲作戦が共産党の発議で決定…この作戦計画はロシア人軍事顧問と共産党の軍事専門家によって立案された」
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うえ
イスラームや中国の書物がとても多い世界史。ギルガメッシュ叙事詩から始まり、イランのホメイニ『法学者の統治』で終わる。コーラン、ハディース(伝承)と続き、9世紀後半のフワーリズミーの天文表を紹介。コーラン注釈集成を記したタバリーの『諸預言者と諸王に歴史』が挙げられる。千夜一夜に、フェルドウスィーの英雄叙事詩『シャー・ナメ』では初期の諸王が、悪鬼や蛇王など超常存在と戦いつつ、イラン王とトゥラン王との戦いが主題になっていく。ホメイニの『統治』で、法学者のみがとりあげられたのは伝承学者を除外するためだという。
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うえ
「『信貴山縁起絵巻』は三巻で構成されていて、主人公は奈良の霊山「信貴山」に毘沙門天を祀る朝護孫子寺を開いた高僧「命蓮」。『宇治拾遺物語』などでは、信州出身の命蓮が一人前の僧となるため奈良の東大寺に向かい、受戒後そこから見える信貴山で修行を続けたことも書かれていますが、『信貴山縁起絵巻』は最初の「詞書」と一枚あるいは複数の絵が失われていて、いきなり物語中の事件から始まります。一巻目の物語は、ふもとに暮らす金持ちの家に命蓮がいつも托鉢用の鉢を法力で飛ばしているという状況から始まります」
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うえ
ジェイムズやサンタヤナも扱う興味深い思想史。「スピノザは1632年アムステルダムで生れた。彼の家族は16世紀の終り頃ポルトガルから、その地での宗教的迫害を遁れるために移住してきた。…ユダヤ人共同社会は…キリスト教多数派の異邦人と感じ…彼らは前住地の抑圧者から悪い教示を得ていたので、彼ら自身の異端審問を始めた。スピノザが24歳で…シナゴーグの前へ連れていかれた。…正式に破門され…ところが、スピノザは最も穏健なキリスト教徒のグループに受け入れられた。彼ら自身も喧操で抑圧的な教会主義を投げ棄てた人々であった」
うえ
2024/03/07 14:36

「だが、そこに宗教的自由が充分にあったと考えてはならない。カルヴァン主義牧師の政府に対する影響は強烈で有害であった。異端者や自由思想は偵察され密告された。スピノザは…自分自身の思想を思考しそれを公表すれば、受難には充分であった。彼の最も重要な宗教書は匿名で出版され…ある神学者は「これは地獄で背教者のユダヤ人と悪魔によってねつ造されたものだ」と言った。そこで偏狭な信念を例証するが如く、その書は取り締まられた。」

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うえ
氏真の消息は知らなかった「信長は閏十一月に家臣坂井利貞らに命じ…岐阜から京都に向かう道路を整備…岐阜・京都間がそれまでとくらべ三里短縮されたという。…今川義元の子氏真は、領国駿河を逐われたあと、北条氏や徳川氏のもとに身を寄せていたが、『信長記』によれば、天正三年三月頃上洛して信長らと蹴鞠に興じていることがわかっている。このときの様子を綴った歌日記が残されており、四月下旬頃三河国境あたりが騒がしくなっているという噂が耳に入り帰途についたとき…新道を通ったらしい。「今道今度作て、こえ安くなれり」と書いている」
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うえ
「スペインを中心に地中海世界に展開したユダヤ人は、セファルディーム…と呼ばれる一方…東ヨーロッパ世界に拡散したユダヤ人はアシュケナジームと呼称された。…七世紀以降ゴート王権は教会と結んで、一連の反ユダヤ法を制定し…ユダヤ人の強制改宗すら命じられている。…1391年の反ユダヤ運動は、主要都市のユダヤ人共同体に壊滅的な打撃を与え、セビーリャやブルゴスなどのユダヤ人人口は十分の一に激減した。セビーリャだけでも約四千人のユダヤ人が虐殺された…16世紀スペインのコンベルソは…多くが異端審問裁判で火刑に処せられた」
うえ
2024/03/06 00:12

「有罪判決を受けたコンベルソは、サンベニート(黒ないし黄色地の外衣で、前後に赤い十字が描かれた恥辱服)を着せられ、主要都市のプラサ・マヨール(大広場)で挙行されるアウト・デ・フェ(異端判決宣告式)に参加しなければならなかった。微罪とされた者はそこで異端誓絶を誓い、教会と「和解」したうえで、保釈金を支払って釈放されたが、確信犯や累積犯といった重責事犯は世俗権力に引き渡され、都市郊外の火刑場で判決を執行された。」

iwasabi47
2024/03/06 02:57

スピノザの家系はスペインから来てますよね。オランダに住んだ理由が納得です。

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うえ
「近代の啓蒙主義的な主体は、自分を環境や周囲との関係性から切り離して、それらの影響を受けない確固たる足場を確保し…それらを操作・コントロールできるという想定によって成立している。…サイードは『オリエンタリズム』のなかで、自分たちの土地やその周辺のなじみ深い空間と、境界線の向こう側のなじみのない空間を「野蛮人の土地」と呼んで区別する地理的区分を「普遍的習慣」とし、「近代社会も原始社会も、ある程度までこうした消極的なやり方で、自分たちのアイデンティティーの感覚をひき出してきたように思われる」と述べている。」
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うえ
「『パンセ』第一部から第二部への移行過程に配置されている第十三章「理性の服従と利用」…パスカルの生涯をふりかえり、ある意味で華々しいその業績のすべて、各分野にわたるその業績のすべてがことごとくかれのこの冴え研ぎすまされた理性のみがよく実現し得た結実であることは重々納得しておかねばならない。ここではこの地上で、わたしたち人間が、(神から与えられた)自己相応の能力をフルに働かせて、目下従事している自分の仕事に打ち込み、できるかぎり最大の実りを生み出すことが努めなのだと受けとめておくべきなのだろう。」
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うえ
考古学の知見による12の都市の案内。「ラオディキアは、ミレトスの海岸に注ぎ込むマイアンデル川の支流、リュコス川の肥沃な渓谷に位置していた。…往時、町の南東の方面には、三重アーチ門に使われていた石灰石のブロックを目にすることができた。…貨幣や碑文からラオディキアで礼拝されていた…重要な神はゼウス・ラオディケヌスである。その神殿は町で最大のものであったはずだ…名誉を与えられた他の神々はディオニュソス、ヘリオス、ネメシス、ハデス/セラビス、ミトラスである。…町の名祖となった創健者ラオディケーも崇拝された」
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うえ
67年刊行のロングセラーであった本。「われわれが「過去」を「過去」として問題にするときには、なんらかの意味で「未来」への志向を含んでおり、またわれわれは、しばしば「未来」への逆投影(未来をどう見るか、どうありたいと望むか、ということの裏がえし)として「過去」をとらえている…そして実は、「歴史法則」的な歴史観が、過去については厳格な決定論の支配下にあるものとしながら、未来についてはユートピア的な<自由>が約束されている、というパラドキシカルな関係と結びつきを蔵しているのも、この「現在」を変換点としている」
が「ナイス!」と言っています。
うえ
湯浅赴男の解説が詳細。スターリンに関する言及はない。「叛乱ー最初の大規模な赤軍の叛乱ーをひきおこした責任は、レーニン、トロツキーのボリシェヴィキにある…しかしながら、レーニンの死とトロツキーの追放は、彼らがこの責任を最後まで取ることを不可能とした。…死をもって報いられたトロツキーの後半生の闘争の一つの側面は、このクロンシュタットの叛乱の責任を政治的にとることにあったといえる(なお、彼自身もセルジュも言っているように、俗説とはことなり、トロツキー自身は個人的には弾圧の責任者ではなかった)。」
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/02/08(4466日経過)
記録初日
2012/02/07(4467日経過)
読んだ本
3606冊(1日平均0.81冊)
読んだページ
863433ページ(1日平均193ページ)
感想・レビュー
3404件(投稿率94.4%)
本棚
39棚
血液型
A型
現住所
東京都
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