[kindleセール] 「いつもより～ゆっくりお風呂に入ろう～」という主題歌はノイタミナだったか。原作をしっかり読んだことがなかったのでセールをきっかけに。今風に言うと「現代知識で古代ローマ浴場無双」という塩梅で実に味わい深い。ルシウスの「でもパクリだしなあ……」という葛藤も面白い。何より絵のタッチと作風の相乗効果が素晴らしい。おっさんが悩みを解決して風呂に入って喜ぶだけの話なのにこんなにも面白くなるのかという例。

戦争も激化。これまでよりさらに直接的に近代知識を軍事に用いていくことになる。その一方で新年パーティや信長・濃姫もてなし会など食事にもより一層力が入る。依然面白くはあるが、三段撃ちやタバコの下りで急に筆者の思想を前面に出してくるなどあんまりよくない感じもある。もともと蛇足多いと思っていたところ「蛇足だが」と前置いて（自覚しながら）豆知識タイムを挟んでくるあたりも含め、この手の作者ってこういう感じになっちゃうんだなと感じる。クリーチャー娘のやつとかね……。そう考えるとコミカライズの大胆なカットは有効だった。

足満おじさん登場！そして技術の軍事利用あれやこれ！信長上洛！静子に後見人！と諸々大きいところで話が進む。本物の南蛮人も出てくる。それでいて話の進みが緩やかなのは、例によって戦国時代開拓シミュレーション部分の描写が非常に丁寧であるためである。絶対今ここでいらないだろって解説もあるけど、それも含めてこの作品の味か。漫画版の静子がバリバリ改革進めている裏ではこういう苦労があるぞという証左でもある。

Q.何故戦国時代にない苗があるのか？A.偶然持ち込んだから。Q.何故農業や軍事の知識があるのか？A.親族がそういうの詳しいから。Q.何故地図や医療や兵器の本を持っているのか？A.偶然持ち込んだから。Q.何故異様に段取りが良いのか？A.いつか戦国時代にタイムスリップしたときのために情報を集めメモを取りスマホに関連書籍をDLして手回し充電器を用意していたから。……いっそ清々しい。参考文献のページ見ました？ほとんどシミュレーションと言っていい作りになっている。読者層に受けるのかは別として、すごい作品。

[kindleセール] この作品の面白さとして、現代アイデアによる解決もそうだが、古代ローマと日本との文化的類似点による面白みもあると思う。それでいてアイデアはシンプルでルシウスでも再現できる。温泉というもののプリミティブなよさみたいなものが味わえるとでも言うべきか。

[kindleセール] 「いつもより～ゆっくりお風呂に入ろう～」という主題歌はノイタミナだったか。原作をしっかり読んだことがなかったのでセールをきっかけに。今風に言うと「現代知識で古代ローマ浴場無双」という塩梅で実に味わい深い。ルシウスの「でもパクリだしなあ……」という葛藤も面白い。何より絵のタッチと作風の相乗効果が素晴らしい。おっさんが悩みを解決して風呂に入って喜ぶだけの話なのにこんなにも面白くなるのかという例。

[kindle unlimited] なろうそのものを読むことは少ないがunlimitedや無料でコミカライズを読むことが増えた今、なろう自体を分析している書籍はないかと思って探したら出てきたのがこれ。まずはその行為自体を評価したい。内容については、いささか個人的な視点と脱線が多いように思われたが、それでも膨大な資料を整理して分析したのは称賛に値する。そうなんだよ、なろうとラノベとその他の小説を比較するのってハンバーガーとラーメンと料亭を比較しているようなもので、そもそも土台が違うんですよね。