阿川さん、東野さんの作品が好みでした。東野さんは、この流れで湯川先生とは思ってもみなくて嬉しい驚きでした。『重命る』というタイトルに成程と思いました。

犯人が明かされないとわかって読んでいたが、モヤッとした。推理の手引きを読んでまた一から読み直すのも大変だなと思いつつ解説を読む。本編を読んでる時に違和感を覚えた2箇所がヒントになっていて、犯人がわかって良かった。個人的に気になるのは美和子がなぜ穂高と結婚しようと思ったのかという点。兄の貴弘が語った『歪んだ愛しか知らない彼女は、彼を愛する女を演じることで、過去の呪縛から逃れようとした』が正解なのだとしたら悲しい。

『良くないのは、自分の心を無視すること。僕は最初どこか格好つけていた。そうしたら誰も僕の力になってくれなかった。恥も外聞も捨てて「本心からの言葉」でお願いをした時、ようやく人は手を貸してくれるようになったんだ。その時「本心」には力があるのだと知った。そしてそれは、自分自身にも言えることなのだと悟った。本心を無視してはならないと』『「平等であれ」というのは社会の話ではなく、自分の心の話。世の中にはそれぞれの立場、役目、仕事がある。それだけの話です。人によって上下をつけるかもしれない。』

『今を生きる誰かを思う気持ちと、亡くなった誰かを偲ぶ気持ちは、同じ心の中にある。ただ、場所が違うだけ』

阿川さん、東野さんの作品が好みでした。東野さんは、この流れで湯川先生とは思ってもみなくて嬉しい驚きでした。『重命る』というタイトルに成程と思いました。

『幸せはゆっくり満ちてくるものなのに、不幸は一瞬ですべてをご破算にしちゃうのよね。だから不幸から立ち直るのは大変なのよ』