素敵な本だった。今の現状から、一歩踏み出すって、かなり勇気のいることだし、そこには、取捨選択する決断もある。渋谷区神南の路地裏にある「Closet」と言うセレクトショップ。迷える子羊たちは、ここに集え！と言いたくなる。新しい洋服を買いたくなる、それは、何か変化を求めている。そうして、今まで選ばなかったような服をチョイスした瞬間から、それまでの慣習やしがらみなんかが吹っ飛んで、新しい自分に生まれて変われば、自分の周りも変わって見える。ちょっとお高そうだけど、今の自分に似合う一着を探して貰いたいなぁ。

先月、国立新美術館で開催中の「マティス　自由なフォルム」を見に行き、再現されたヴァンス・ロザリオ礼拝堂に心を奪われた。双子窓「生命の樹」、それに巨大な銅板壁画、それに可愛い上祭服、そのどれもが斬新だった。また、アンリ・マティス幼稚園のミツバチのステンドガラス、最初は、わからなかったが、この黒と白で作られたモチーフを目で追って行くと「うわ！ミツバチだ！」と感動する。そんな少しの予備知識（見た）があったため、本を読みながら、再度、私は展覧会に居た。マティスの背景も、この本で詳しく知ることが出来た。

翻訳小説にありがちな、読みづらさもなく、出張先のメキシコで偶然雨宿りをした古書店で、「黒曜石雲」と言う本を手に取る主人公とともに、彼の過去に、主人公とともにタイムトラベルをした。本に書かれていた「ダンケアン」の地名に、かつて経験した哀しく苦い思い出が。。。哀しい失恋からのスコットランドからアフリカ、南米、そうして、カナダへと、彼は流されて行く。彼の行動全てが他力本願的になったのも、ダンケアンでの失恋からだった。しかし、この本と巡り合ったことで、再び、彼はダンケアンを訪れる。これは男のロマンなのか？

素敵な本だった。今の現状から、一歩踏み出すって、かなり勇気のいることだし、そこには、取捨選択する決断もある。渋谷区神南の路地裏にある「Closet」と言うセレクトショップ。迷える子羊たちは、ここに集え！と言いたくなる。新しい洋服を買いたくなる、それは、何か変化を求めている。そうして、今まで選ばなかったような服をチョイスした瞬間から、それまでの慣習やしがらみなんかが吹っ飛んで、新しい自分に生まれて変われば、自分の周りも変わって見える。ちょっとお高そうだけど、今の自分に似合う一着を探して貰いたいなぁ。

一言で言うと、リアルな中年女子の闘病日記。この本は、これから中高年を迎える世代に、是非とも一読していただきたい。ちょっとぐらいの体調の不調も、「日頃の疲れか」「更年期のはしりかな？」と軽くいなしていたら、突然の悲劇がやって来る。ある日、心不全で倒れた著者。まさか？自分が？自分自身の身体に対する根拠のない自信が、心臓の一部が動かず死にそうになった顛末をリアルに書いてくれている。その中で、シュガーリング脱毛に興味を持った。世間では、介護脱毛と呼ばれている。以前より興味はあったが、今回は、本当に必然性を感じた。

一冊の本に、5つのジャンル。それに、その5つの短編が、上手いこと繋がっている。ある意味、実験的な本だった。第一章は、推理小説。これは、ありきたり感があるが、そこから話が続いて行くから、序章としては、いい滑り出し。第二章の青春小説も、甘いばかりじゃない、登場人物たちの背景を炙り出し、「ザ・青春」で、思わず、ニケトロフィー応援したくなる。そうして、最後の第五章の恋愛小説で、全ての伏線ひっさらって行くんだもんなぁ。う〜ん、上手い！当たり前か？「挑戦的」と書かれているのにも、納得。途中で登場人物の名前確認した。