もしかしたら健康にいい食べ物かもしれないし、食うに食えない毒かもしれない。そんな不安を抱きつつ未知なる書物に向かえば、新しい何かが得られるかもしれない。本書所収「プラトンのパルマケイアー」は、まさに薬であり毒をも意味する《パルマコン》という言葉をめぐっているのだから。ただしデリダ入門として選ぶべき一冊ではないので注意。
スティーヴン・コナーはバディウやナンシー、ブリュノ・クレマンはブランショやドゥルーズ、シェイン・ウェラーはデリダやアドルノといったように、全体的に哲学者への言及がよく目に付き、現代思想に関心を持つ人には興味深い一冊ではないかと。岡室美奈子「自動降霊機械としてのテレビ」はイェイツとの関係からベケットのTV作品を論じた濃密な野心作。
特に読んでるのは、サミュエル・ベケット、モーリス・ブランショ、クロード・シモン、リチャード・ブローティガン、ドナルド・バーセルミ、ジル・ドゥルーズ、ジャック・デリダ、島尾敏雄、大岡昇平、藤枝静男など。
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