十数年ぶりの再読。読書のきっかけになったのは20年以上前に読んだ清水訳でした。そしてギムレットは好きなカクテルになりましたし、オープンしたてのバーが好きになりました。／酔っ払いテリーレノックスを拾い、心を通わせ、そして逃亡を手伝う。告白文を残して自死したテリー。その死の真相はいかに。フィリップ・マーロウがカッコいいのは言わずもがな、その世界観にどっぷり。二転三転する展開も読む手が止まらず、あの有名なセリフ「ギムレットには早すぎる」のセリフで謎が解ける瞬間は鳥肌。／改めて好きな作品だと認識。

デビュー作でこのボリューム。登場人物の感情表現を限界まで削って風景描写と会話だけで物語が進んでいく。まさにハードボイルドといったところか。／話がいろんな場所にとっ散らかっていて展開に追いつけないのは私の頭の悪さか。／子供の誘拐、盗作疑惑、謎の失踪をとげた作家志望の女、不可思議な言動の医師、失踪した作家志望の女と懇ろだった編集者、探偵役のジャーナリスト。