集英社版を改訂新版化した長篇ホラー小説。字のサイズが大きくなっており読みやすい。キングの回顧録から抜粋した制作秘話も解説パートに所載されていてお得。下巻からの展開はスピーディーで、二度読みでしたが楽しめました。

７つの連作短編を収録したドタバタギャグ小説。突如現れる力士、謎の数字47、虚実の混合した物語などが登場し、メタ視点でドラマが進行。台詞と文体のノリが良く読みやすい。とても面白かったですね。

全66話の短編怪談集。数多ある怪談本の中では現時点で最も恐怖度数が高い。各話ともほぼ怪奇の正体を明かすことなく、寧ろその正体が明らかにできないゆえの唐突な終わり方で締めている。夏場ですので読むには旬だと思います。面白かったですね。

西暦2045年に天才たちに造られた電脳空間オートヴァースの利権と思惑とを巡り描かれる、4人の男女を主人公にしたハードSF小説。根底的なオートヴァース設計理念はシンプルでわかりやすいのですが、登場人物たちが懊悩し、傷つき、推理し、論理的に反駁し合うシーンが多すぎて読書スピードが落ちます。悲劇的な展開が差し込まれすぎではと思いました。キャンベル記念賞受賞作品。

ひろき真冬氏によるカバー表紙が目を惹くパンクホラー小説。吸血鬼小説の外伝ですが特に知識がなくとも内容は理解できる。ウォリアーズなどが下敷きにあるためアクション性が強い。気軽に読めました。

2080年頃までに国家間に発生する可能性のある事案、それら未来予測を書籍にした研究書。各国の民族的な恣意等はカットされ、地政学に基づく予想により次世代に起きる出来事を描く。未来はトルコがイスラムを導く、日本がアメリカを攻撃、メキシコが22世紀に世界の鍵を持つなどの論も。破天荒ではあるのですが地図のみを黙考した予測結果としてなら強ちハズレとも言えず。読み物として参考になりました。

イラストレーター、アッキーブライト商業初画集。モノクロとカラーを含む250ページ以上に及ぶ大容量イラストを所載している。絵の表現に斬新さがあり印象深い。寺田克也の系譜に近いがそれとも一線を画しているような絵が多く面白い。楽しめましたね。

「警察にこんだけ痛め付けられるなら皇居で発砲してこい」 「組織のトップにおる人が冗談でもそんなこと言ったらあかんですよ、そんな大それたこと言う人がおったら戒めるのがトップでしょう、もうこれ以上ついていけんと思いました」というインタビュー前書きからはじまる、組織の内部事情をルポした抗争ドキュメンタリー。近年の衰退と変容していく暴力組織の内実を描いている。万人向けでないので、ご興味あればお勧めします。

病魔と戦いながら作曲活動もやめなかった坂本龍一の絶筆となった口述記。プライベート面や多岐にわたる活動を淡々と記録している。死を前に敢えて断捨離と反比例して音楽を残し、増やしていくという行動に、やはりこの人は凡俗とちがう方だったのだと再認識しました。面白かったですね。

第一作から四作目までの制作裏話を収録した映画ドキュメンタリー。写真をまじえて当時のスタッフ、キャストたちの口述をメインに構成されており今回はじめて知る話もかなり多い。最新作フュリオサ上映前に本国で刊行されたので五作目の裏話はありませんが、楽しめました。とても面白かったですね。

全共闘時代に青春をすごした主人公と幼少の息子を乗せシトロエン2cvで日本を旅する物語。カラー印刷も目に鮮やかな挿絵は全て矢作氏の手で描かれる。ギャグと白日夢を組み合わせたような展開が目を惹く。筒井康隆が賛美した長編小説なのは頷ける作品。面白かったですね。

短編14作を収録した小説。表題作はエリオットの詩劇から台詞を抜粋したもので作品全般はシュールな雰囲気。交通事故にあった男と青年の会話が淡々と続く短編on the comeが印象深い。面白かったですね。

集英社版を改訂新版化した長篇ホラー小説。字のサイズが大きくなっており読みやすい。キングの回顧録から抜粋した制作秘話も解説パートに所載されていてお得。下巻からの展開はスピーディーで、二度読みでしたが楽しめました。