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2024年2月の読書メーターまとめ

急性人間病
読んだ本
7
読んだページ
2421ページ
感想・レビュー
4
ナイス
16ナイス

2024年2月に読んだ本
7

2024年2月のお気に入り登録
1

  • ももけん

2024年2月のお気に入られ登録
1

  • ももけん

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

急性人間病
S・キングは怖くもないもので怖がらせようとしたがる作家だと、特に彼の映像化作品を論って云われがちだけど、その「怖くもないものにどうしてわたしは恐怖しなくてはならないのか」という所にこそもしや彼の核心部があるんじゃないかと思いながら読んだ。古典的な怪物を忌むべき属性の観念を象徴したものとするなら、ここには風船、ピエロ、運河、不良、隣人、アルバム、排気口、怪奇映画、東宝特撮、メイン州デリー等が犇めき合い、悪はただItなる抽象的な代名詞のほかに適切な指し示し方がない。
急性人間病
2024/02/10 23:22

少年ビルが、“殺され”、恐怖のイメージにハックされたジョージの記憶を忌避しようとする心を両親や自分自身が持ってしまう事に、「ジョージをホラーかなんかのモンスターにしてしまうなんて……もっともっとひどい」(417P)と思うくだりには、恐怖に対するある種の憤りの臭いを、ふと感じたりもするのだった。それからジョージの次に語られる惨劇は性的少数者に対する明白な憎悪犯罪として克明に描写される(ゲイバーの自然発生の経緯まで語るんだからとにかく克明だ)が、一般的に差別は恐怖の最も凡庸な発露のかたちのひとつでもある。

が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
4

急性人間病
ネタバレS・S・ヴァン・ダインの精緻さに最大限の驚きを示しながら、しかしその決定論的な世界へふとよぎる嫌な感覚というものを、エラリー・クイーンもきっと感じていたはずだ。一応まだ犯罪遺伝学の蠱惑的引力の影響下にはあるとはいえ、その“例外”への眼差しはいくつかの人物の在り様から窺えるし、だからこそそうした善性への信頼の袋小路は、悲劇と呼ぶに値する。そして悲劇は劇の一種であり、その劇は誰かの書いた筋書きを、その演技が正当か、本質の肌に触れているかどうかも分からないまま演じることなのだ。無論、最後まで。
が「ナイス!」と言っています。
急性人間病
「教養」というものがなんなのかよくわかってるわけではまだ全然ないけれど、にしてもそれが「マニア」同士が使う符牒たるべきではないという主張には結構しっくり来てる(62、85、88の章辺りが道標となるかしら)。如何にも博識であるかのように見えることと、実際に知っている事は“知ってることだけ”(©︎西尾維新)なのだということとの開きのなかにこそ、飛び込んでゆくべきキラキラが見えている、そういう予感。つまるところは、なんというか……ぼくも“未来のエンペラー”を目指そうと思います。どっとはらい。
急性人間病
S・キングは怖くもないもので怖がらせようとしたがる作家だと、特に彼の映像化作品を論って云われがちだけど、その「怖くもないものにどうしてわたしは恐怖しなくてはならないのか」という所にこそもしや彼の核心部があるんじゃないかと思いながら読んだ。古典的な怪物を忌むべき属性の観念を象徴したものとするなら、ここには風船、ピエロ、運河、不良、隣人、アルバム、排気口、怪奇映画、東宝特撮、メイン州デリー等が犇めき合い、悪はただItなる抽象的な代名詞のほかに適切な指し示し方がない。
急性人間病
2024/02/10 23:22

少年ビルが、“殺され”、恐怖のイメージにハックされたジョージの記憶を忌避しようとする心を両親や自分自身が持ってしまう事に、「ジョージをホラーかなんかのモンスターにしてしまうなんて……もっともっとひどい」(417P)と思うくだりには、恐怖に対するある種の憤りの臭いを、ふと感じたりもするのだった。それからジョージの次に語られる惨劇は性的少数者に対する明白な憎悪犯罪として克明に描写される(ゲイバーの自然発生の経緯まで語るんだからとにかく克明だ)が、一般的に差別は恐怖の最も凡庸な発露のかたちのひとつでもある。

が「ナイス!」と言っています。
急性人間病
ネタバレ主人公が荒事に腕が立たず武装もしてない私立探偵ということで、小市民的規模の素朴な殺人事件が描かれるのかと思ったら、事の構図が全く素朴じゃないとこで「いやアホか、素朴な殺人って何やねん」と自分にツッコミを入れる始末だが、静かな町の小市民ですら銃を携え、計画的にその力を行使しえ、そんな事象が折り重なることだってあるその悍ましさは、丸腰で拳銃に怯える私立探偵の眼を通して描かれているからこそ、ではある。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/06/09(4313日経過)
記録初日
2012/02/04(4439日経過)
読んだ本
1091冊(1日平均0.25冊)
読んだページ
362361ページ(1日平均81ページ)
感想・レビュー
317件(投稿率29.1%)
本棚
20棚
血液型
B型
職業
IT関係
外部サイト
URL/ブログ
https://watchingorreading.hatenablog.com/
自己紹介

馬鹿ッ、共感する奴があるか!共感は最後の武器だ!我々は忍者部隊だ

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