米澤穂信の作品は初読み。前から気にはなっていたものの、どの作品から手をつければと思っていたら、直木賞受賞作かつ自分の好きな時代・歴史小説なので、ちょうどよい機会になった。時代小説と思って読み始めて、確かに史実を踏まえた歴史ものであるものの、一話ごとに城で謎めいた事件が起こり、解決していくという連作構成で、しっかりミステリー小説になっていた。牢に囚われている黒田官兵衛が探偵役で、牢にいながら外で起きた不可解な事件の真相を見抜いてしまう。解説に書かれていたが確かにこれは「羊たちの沈黙」だと。面白かった。

アイシャがマシュウたちの提案を受け入れ、いろいろ動き始めて、あわせて諸国の思惑や陰謀が渦巻く中、めちゃくちゃ気になるところで終わっているので、早いとこ続きを読みたい。人間は豊かさを求めるものだが、そのために過度に自然に手を加えてしまうと後戻りができなくなる…というようなことだが、この先どうなるのか。しかしこの厚さなら分冊じゃなくて1冊で出してほしかったな…いろいろ事情は有るのでしょうが。

上橋菜穂子さんの新シリーズ。「守り人」シリーズや「獣の奏者」「鹿の王」と同様の、いわゆる和製ファンタジーの世界観だが、今回もしっかり歴史や風土もつくりこまれているようで、ここで今回はどんな物語が展開されるのか。香りや植物がメインになっていて、気候変動による植生の変化や自然破壊など現代的な問題も取り入れられている気がする。主人公アイシャにこれからどのような重い運命が待ち受けているか…続けて2巻へ。

IWGPシリーズ18作目。毎度安定の読みやすさ。表題の「ペットショップ無惨」は読むと安易にペットを飼いたいとか言えなくなる一作。クライマックスでマコトにもひさびさにアクションシーンあり…というほどでもないかな。それ以外にもヤングケアラー、外国人技能実習制度、マッチングアプリと題材は相変わらず世相を反映したもの。シリーズは依然として継続中なので、これからもまた新作が読めるわけだけど、毎年の新刊出ているのを書店で見つけるとうれしくなる。次作も楽しみです。

米澤穂信の作品は初読み。前から気にはなっていたものの、どの作品から手をつければと思っていたら、直木賞受賞作かつ自分の好きな時代・歴史小説なので、ちょうどよい機会になった。時代小説と思って読み始めて、確かに史実を踏まえた歴史ものであるものの、一話ごとに城で謎めいた事件が起こり、解決していくという連作構成で、しっかりミステリー小説になっていた。牢に囚われている黒田官兵衛が探偵役で、牢にいながら外で起きた不可解な事件の真相を見抜いてしまう。解説に書かれていたが確かにこれは「羊たちの沈黙」だと。面白かった。