孤高の人となりどこまでも歌舞伎に心を囚われていった喜久雄。 共に高みを目指した俊介も弁慶のように付き従った徳次とも離れたあとの喜久雄の孤独を思うとなんともやるせなかった。 思えばヤクザの息子という出自からして歌舞伎界では異端で孤独だったのかも。 孤独を埋めるかのように芸をひたすらに追い求めていた先に見えたものは何だったのか。 最後徳ちゃんに会ってほしかった。 再読なのにこの没入感。映画化が楽しみ。

読み終わってしまった。 六篇の短編からなる題名通り、それぞれの小さな世界。 どの話も少しの残酷さと少しの希望があり、主人公たちのその後の人生がどうあるのかとても気になってます。 ネオンテトラにはじまりネオンテトラに終わる構成も印象的でした。

青春！ この大会、観客の前でその日初めて見た花材を使い5分間でいけるというのがルール。いける過程をいかに魅せるかも重要なポイントとなってくるようで、そんなところに舞台慣れした貴音の存在がとても大きかった。そして花を愛する春乃の優しいいけ方もうまくマッチし全国大会決勝まで進めたのは胸アツでした。 純粋に生け花が好きな気持ちや、大会への想い、学校での文化部の地位の低さに加えて少しのラブ要素もあり、青春エンタメとしてとても面白かった。

孤高の人となりどこまでも歌舞伎に心を囚われていった喜久雄。 共に高みを目指した俊介も弁慶のように付き従った徳次とも離れたあとの喜久雄の孤独を思うとなんともやるせなかった。 思えばヤクザの息子という出自からして歌舞伎界では異端で孤独だったのかも。 孤独を埋めるかのように芸をひたすらに追い求めていた先に見えたものは何だったのか。 最後徳ちゃんに会ってほしかった。 再読なのにこの没入感。映画化が楽しみ。

映画化を知って再読。 部屋子でありながら名跡を継いだ喜久雄、跡取り息子として育てられながらも継げなかった俊介。二人の今後に目が離せない。

敗戦後すぐ関東を取り仕切っていた水嶽組の組長が亡くなった。ヤクザを毛嫌いし家を出て教師をしていた娘の綾女が兄たちが戦地から戻るまでの後継者の中継ぎとなることを余儀なくされる。 血で血を洗う壮絶な暴力、報復、復習を巧みに使い何人もの犠牲の上に綾女はのし上がる。政治家ともGHQとも渡り合い水嶽の勢力を拡大していく。 ラストは自業自得なのかトップに立つ者の孤独がやるせなかった。