AO入試で早々と大学入学（工学部）を決めた読書嫌いの息子への、父からのお祝い兼入学までの事前課題としてこの本を渡そう…と妄想しながら再読。やはり面白い。今回もニーチェの章に注目。キリストが磔にされ槍を突き刺された瞬間に価値観の大転換が起こり、弱者・無欲を賛美する世界になった！今の自分の生き方は再び「末人」のそれに寄ってきてはいないかと寒くなった。マルクスの章にも注目。労働の価値を見失った現代で、歴史の最先端を生きるニートたちの中から「新しい価値」が生み出されるか!？文句なしで最強の一般教養書だと思う。

結成13年目を迎えるBAND-MAIDが、この老舗音楽誌に今までロングインタビューを受ける機会を得られず、6ページだけ掲載された今号においても表紙にバンド名すら出ないことは驚くに値しない。単に、系統の違い、音楽性の違いである。しかし、今回のインタビュアーの"ようやくここまで辿り着いたね"という上から目線には閉口した。世界のロック界の至宝をつかまえて何たる物言いか！ま、本人たちが「夢が叶った」と喜んでいるから許すけど。Gt&Vo小鳩の「誰か他と比べることはあまり考えたことがない」というコメントが清々しい。

特集は『日本に賭ける180兆円投資会社　ブラックストーンの正体』。世界最大のプライベートエクイティ（PE＝未公開株）会社。投資対象はデジタルとヘルスケアの2分野で、業界の上位4社に絞る。買収時は投資先の資産などを担保に資金を借りるLBO(借り入れで資金量を増やした買収)も組み合わせリターン増を狙う。企業に限らず不動産やインフラなど広い運用先を、買い、育て、売る。毎週月曜朝8：30から全社員参加のZoomで投資案件の進捗状況などを共有。方針が決まればトップ2人が大号令を発し、経営資源を集中投下する文化。

AO入試で早々と大学入学（工学部）を決めた読書嫌いの息子への、父からのお祝い兼入学までの事前課題としてこの本を渡そう…と妄想しながら再読。やはり面白い。今回もニーチェの章に注目。キリストが磔にされ槍を突き刺された瞬間に価値観の大転換が起こり、弱者・無欲を賛美する世界になった！今の自分の生き方は再び「末人」のそれに寄ってきてはいないかと寒くなった。マルクスの章にも注目。労働の価値を見失った現代で、歴史の最先端を生きるニートたちの中から「新しい価値」が生み出されるか!？文句なしで最強の一般教養書だと思う。

特集は『主力電源　「蓄電所」』。蓄電所の導入量で世界をリードする米国カリフォルニア州では総供給電力の約3割を占める時間帯もあるという。背景には太陽光発電の出力に合わせた火力発電などの供給曲線「ダックカーブ」があり、そのままでは電力系統全体の発電コスト上昇を招く。世界的な蓄電池の過剰生産を背景とした蓄電システム（BESS）の急激な価格低下も追い風。中国CATLなどの電池セルメーカー、中国・陽光電源や米TeslaなどのBESSメーカーは大型化などで差異化を図るが、道路が狭い日本では逆に小型化が必要な模様。

今年3曲連続で放たれたアニメタイアップ3曲を含む、またしても途轍もない作品（EP）を発表したBAND-MAIDを巻頭大特集。GtのKANAMI「自分の作曲家としての性なのか、ものすごく悲しい時にもメロディが浮かんでくると「録っておかなきゃ」という気持ちが働いてしまうんですね」「ようやくEPの作業が終わったというのに、その2日後からまた曲を作ってたりするんです。なんかもう、おそらく中毒状態に近いですよね。」結成13年目を迎えても、こうも心を揺さぶる音楽を生み出せる理由がうかがい知れるインタビューだった。

特集は『反撃のMUJI　良品計画、「三方よし」深化で最高益』。1980年に「大量消費社会へのアンチテーゼ」として西友のPB「無印良品」の展開が始まる。89年に良品計画として独立し、今に至る。衣料・生活雑貨・食品の「衣生食」を貫く一体感が独自性となり、顧客の支持を集めている。「高価格帯には手が出ないが、粗悪品も買いたくない」需要の受け皿になり、消費が伸び悩む中国でも堅調。とは言え、営利8%はファストリ16%やニトリ13%に及ばない。昨年11月に就任した新社長、清水氏の実行力で収益性の改善を目指す。

特集は『黒字でも人を減らす　パナソニック・三菱電機・第一生命の決断』。「ここで本気で手を打たないと、5年後、10年後にその（構造改革）費用はますます膨らむ一方だ」とパナ副社長。パナソニックHDは旧松下電工や旧三洋電機の吸収・合併後に、三菱電機はリーマン・ショック後に適切な人員整理ができなかった。こうしたツケを残してきた会社が今、黒字リストラに邁進している、とある。こうした動きに労組側が対応しきれていないのが印象的。企業だけでなく社員の意識も変わりつつある中、どう存在価値を示していけるか。

特集は『社員がオススメする100社　愛される人的資本経営』。首位の三井物産にシスコシステムズ、SAPジャパンが続く。46位アイシン・ソフトウェアの福利厚生制度「カフェテリアプラン」が良い。会社が社員に毎年12万ポイントを付与し、住宅補助に8万、旅行に4万ポイントなど自由に選んで利用する。93位オムロンヘルスケアでは「TAKIBI」と呼ぶ社員の相互理解を促進する取り組みを導入。日頃感じていることやプライベートな話題など90～120分間語り合い、内容も会社側と共有不要。中途採用者への配慮も要点のひとつの模様。

特集は『冷却が熱い　～AIサーバーを「液体」が救う～』。生成AI用データセンターで消費電力増大に伴う発熱対策が喫緊の課題に。NVIDIAの次世代AIサーバーはラック当たりの消費電力が600kW。「電話ボックスの中で600台のヘアドライヤーが一斉に稼働するようなもの」で空冷では対応不可。液冷には直接液体冷却（発熱部にプレートを貼り付け冷却液を循環）と液浸冷却（油など絶縁性の液体にサーバーを浸す）があり、後者はより高効率だがメンテナンス性や保証が課題。TSMCは半導体チップ自体に「水路」を設ける手法を開発中。

特集は『アクティビスト対峙バイブル　予期せぬ提案、成長の機会に』。米国で生まれたポイズンピル（買収者のみ行使できない新株予約権を全株主に無償割り当て、買収者の持ち分を薄める）は日本で変化。2020年代、アクティビストが増え有事導入型に変化するも、同意なき買収では時間稼ぎにしかならず。着々と機関投資家に株を買い増しされている当社も他人事ではない。最近も、社員の持ち株会加入を推進する施策が採られた。本特集ではPEファンド（非公開化し経営支援）とは異なるJAC（上場は維持しつつ経営を支援）のような存在も知った。