実際にはなんの香りもないのに、嗅覚が刺激されたように感じさせられる不思議な小説。言葉だけで香りを感じさせるなんて、すごいとしか言いようがない。超人的な嗅覚を持つ小川朔が客の望む香りを作りだしたり、体調や嘘を言い当てたりするストーリーも良かった。朔と一香がどうなったのか知りたくなる。全体的に魅惑的な色気を感じる素敵な本でした。

実際にはなんの香りもないのに、嗅覚が刺激されたように感じさせられる不思議な小説。言葉だけで香りを感じさせるなんて、すごいとしか言いようがない。超人的な嗅覚を持つ小川朔が客の望む香りを作りだしたり、体調や嘘を言い当てたりするストーリーも良かった。朔と一香がどうなったのか知りたくなる。全体的に魅惑的な色気を感じる素敵な本でした。

怪物的な爆弾魔・スズキタゴサクの存在感が際立つ。そんなモンスターと対峙する警察官、捜査官たちも、自分の中にある暗い感情を認識しながらも、被害を最小限にとどめるために死力を尽くす。その頭脳戦にしびれた。続編も楽しみ。

世間を騒がせた様々な事件のことが書かれている。オウム真理教の教祖や幹部の死刑執行前の様子が興味深かった。この本を読んで、高齢者や未成年（自分の子どもも含む）が犠牲となる犯罪が増えていることに加えて、逆に高齢者や未成年が加害者となる犯罪も増えていることを痛感し、恐ろしくなった。なんとかこうした犯罪が減少する世の中にならないかと痛切に思う。

多様な人達のホテルでのエピソードが同日に進行しているものと思い読み進めて、すっかり騙された。後から思うと確かに所々に違和感があった。時系列にしてまとめてみようかな。「人を一面だけを見て評価するのは偏見だ。」「優しさの根幹は美徳であり、それを犯罪を助長するなどと非難することは、犯罪者側の責任転嫁だ。」という主張は共感できる。人にやさしく、ニュートラルに接していこうと思った。