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2024年5月の読書メーターまとめ

マサ
読んだ本
20
読んだページ
6526ページ
感想・レビュー
20
ナイス
159ナイス

2024年5月に読んだ本
20

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

マサ
著者最初の長編。戦争で世の中の価値観が大きく変化していく中で翻弄される人々の様子が悦子の冷静な視点で描かれており、緒方や佐知子の言動から予想されるその後は明るいものではない。戦争が多くの人々に痛みを伴う記憶となっており、その後の人生においても大きな影響を及ぼしたことが理解できた。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
20

マサ
「あとがきの…」まで読んでこの本の仕組みが分かった。絵と文がぴったり合っているものもあるし、関係が分からないものもあって、その距離感が面白い。このギャップが大きいのが「寝耳に水」「ひとり」「とにかく」などで、その変換過程を想像するのも楽しい。好きな話は「虎の巻」「寝静まったあとに」…。
が「ナイス!」と言っています。
マサ
900ページを超える長さにたじろぐ。ライダーに次々と予期せぬ障害が押し寄せて混乱の中で右往左往するところは悪夢の中にいるようで、読んでいてイライラしながらも何やら可笑しくてライダーに同情してしまう。誰にでも大小のトラブルがあり、その記憶に引きずられるのだが、電車に同乗した電気技師とのやり取りは明日に向かう前向きな気持ちにさせてくれる。
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マサ
突然スコット南極探検隊と行動を共にすることになった男の日誌。探検そのものやスコットに対する彼の思いがにじみ出ており、極限状態の中で隊員たちの精神が壊れていく様子が幻覚を伴って描かれていくところに引き込まれた。特に「雪男たちのワルツ」は可笑しく痛々しい。「編者のまえがき」を含めて著者の創作と考えていいのですよね。
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マサ
諜報員がいくつかの書物と現実の間を行き来しているうちにアイデンティティが混乱するところが面白くてお気楽に読み進めていたのだが…。「言葉が凍る」現象は言語表現が不可能になること、コミュニケーションが不可能になることの結果だとするとそれはとても恐ろしいことだが、凍結された言葉の解凍にはワクワクするような期待やロマンを感じてしまう。
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マサ
O-miyaスパイラルは斬新なフォルムを実現するために不安定な構造を内包している。登場する人々もどこかに不安定さをかかえていて、それがいつか崩壊するのではないかという恐怖感をだましだまし生きているようだ。O-miyaスパイラルは現代社会のもつ歪みの暗喩なのだろう。貞操帯は???
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マサ
ネコが語る8つの短編オムニバス。かの文豪の「吾輩は…」が人間社会の風潮、滑稽さなどに目を向けているように、このそれぞれの短編で描かれているのもまた人間で、その語りが上から目線なのが可笑しい。もう少し人間のアクみたいなものが強く匂ってきてもいいと思うのだが。My Bestは「猫の神さま」(村山由佳)。
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マサ
題名の不穏に誘われて読んだのだが、その期待とは別にこの本は当たりだった。宮坂家は少しだけ普通ではない。でもそれが宮坂家流というような穏やな暮らしだ。不思議なことに当然起きるべき摩擦や変な圧力がないのだ。なぜそうなのかを考えてはいけない。我が家のあれこれとつい比べてしまうから(笑)。とにかく、これなら誰もが次に進んでいける。
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マサ
男性(会社員)が主人公だ。でもキャラクターが強くて存在感が大きいのはやはり女性陣で、坂岡、優里、くるみ、峰崎の母親…、何だか男は彼女たちの掌の上で踊らされている様な気がするのだが、それがとても可笑しくていじらしい。「ホットパンツ」に群れるのもまた(笑)。物語の本質は夏川草介氏の解説(感動!)に言い尽くされているのでそちらを。
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マサ
オーケストラで音楽をつくっていくことがどのようなことなのか率直な言葉で語られてとても興味深い。小澤征爾さんの足取りをたどる対談から分かるのは彼が常にチャレンジし続けたことだ。それが集約されているのがサイトウ・キネン・オーケストラの活動であり、スイスでの国際音楽アカデミーの活動でもあるのだろう。特にスイスでの数日間についての村上氏のルポと大西順子さんとの「ラプソディー…」の文章には胸が熱くなった。小澤征爾さん、ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
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マサ
科学エッセイ。どこかで聞いたことのある話題が結構あるのだが、そこを窓口にしてその生物学的な意味が分かりやすく説明されている。1つのテーマに4ページという文字数でオチまでもっていくのはすごい技だと思う。そしてまた、文学、映画など、著者の引き出しの多いことにも驚く。少しいろんなことにおおらかな気分になった。「人間だけが共有ではなく占有を求めています。」p225。
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マサ
「へんな西洋絵画」(山田五郎)で紹介されていたロマネスクの宗教画に面白さを感じて本書へ。遠近法などの近代的な絵画技法によるものとは違う迫力を感じ引きつけられる。作品の意味(意図)がストレートに伝わってくるように感じて自分には新鮮だった。本書では作品そのものの解説に加えて歴史的な背景や宗教的な意味などについても説明があって分かりやすかった。
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マサ
岸本、柴田両氏が選んだ8人の作家の短編集。「現実八割、幻想二割」と二人が言うように読みやすいのだが読んでいるうちにイメージが混乱してくる。その、アブナイ場所に踏み込むような感覚が面白い。これが長編だとちょっときついかもしれないが。二人の対談「競訳余話」が各作品を理解する助けにもなり興味深い内容だった。My bestは「アガタの機械」。
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マサ
著者最初の長編。戦争で世の中の価値観が大きく変化していく中で翻弄される人々の様子が悦子の冷静な視点で描かれており、緒方や佐知子の言動から予想されるその後は明るいものではない。戦争が多くの人々に痛みを伴う記憶となっており、その後の人生においても大きな影響を及ぼしたことが理解できた。
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マサ
これまでに読んだ著者の小説では全体に乾いた空気が感じられたのだが、これはややウエットな印象だ。そこはかとなく漂う昭和の雰囲気の中、美晴さんのキャラクターが絶妙。数々の騒動を引き起こすところで寅さんを思い出してしまった。騒動には彼女なりの理由があるのだが思いが強いほどに…。おばあさんの葬式のエピソードにしんみり。「大丸の四階」の場面もいい。
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マサ
大和朝廷が日本を統一していく過程についてかなり大胆な論が展開されているように感じる。ある意味それは考古学的、文献的に分かっているところでは今のところこう考えるのがすじだという大ワク的な理解なのだが、世の中にトピックス的な(話題性のある)様々な説があるということなのだろう。自分としては何だか今までモヤモヤとしていたものがやや整理された気がする。興味深い内容だった。
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マサ
ジャズの「想像的批評」。残されたいくつかの断片から現場の状況や雰囲気、音が再構成されて立ち上がってくる。そこから見えてくるのは彼らそれぞれが何かに追い詰められていく心理状態と自らとの格闘だ。痛々しいその姿に胸が熱くなった。そして何と言っても圧巻は「あとがき」だ。40ページを超えるそれはジャズ誕生以来道半ばで倒れた多くのミュージシャンへの哀歌になっている。
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マサ
設定を理解するまでやや戸惑った。登場人物が現実世界にいるのか、この小説「圏外へ」の中にいるのか、カタリテが語る話の中にいるのか、自分が読んでいるのがどの層のことなのか混乱してしまう。最終的には全部が一つになってしまう必然という理解でよいのだろうか。多数の登場人物は皆魅力的でイイダバシの〈猟犬〉の老マスターなどちょい役には惜しい。ラストの一行の後、笑いがこみ上がってくる。
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マサ
チェスのことは何も知らなかったが、その世界にいっとき浸ることができた。記述が専門的でなくゲームの心理的な部分が分かりやすかったのがよかったのだろう。ぼんやりとだがチェスの奥深さは感じられた。屋上の象やからくり人形は閉塞状況や不自由の暗喩なのだろうが、リトル・アリョーヒンがその状況をプラスにはたらかせるところに、そしてそれを理解する人が周りにいることに希望を感じた。
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マサ
老ピアニストの最後の恋。彼の孤独感は何となく伝わってきてベアトリスを理想化して思いを募らせるところは理解できないでもない。その思いを詩作に込める時間は晩年の彼にとっては充実したものだったようにも思う。一方、ベアトリスの対応は…。詩の内容をめぐるあれこれがミステリーのようで面白かった。
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マサ
文学でめぐるアイルランド。ほとんど読んだことのない人ばかりだけど超有名人がたくさん。ノーベル文学賞受賞者が4人もいるのか。創作の背景はそれぞれだろうが、アイルランドの歴史的な抑圧や自然環境の厳しさ、語りの伝統などが反映していることが感じられる。読んでみたいけど自分には敷居が高いようだな。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/08/10(4342日経過)
記録初日
2012/08/09(4343日経過)
読んだ本
1746冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
567455ページ(1日平均130ページ)
感想・レビュー
1746件(投稿率100.0%)
本棚
22棚
性別
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